普門寺飛優のひゅーまにずむ

好きなものについて不定期に語ります。

『コットンキャンディえいえいおー!』と『Perfect SEKAI』は同じ? 姉妹の祈りとは【黒澤ルビィ生誕祭2021】

 本日9月21日は黒澤ルビィちゃんの誕生日です。おめでとうございます。本日発売された新曲『1STAR』も、切なげながら力強いバラードで、ルビィの魅力を再発見することができました。

 ところで、昨年9月21日には、『コットンキャンディえいえいおー!』のMVが発表され、観た方のほとんどが衝撃を受けたかと思います。可哀想に‼さんの可愛いながらシュールな絵柄で、中毒になるかと思いました。一方で、ルビィの姉であり、ソロアルバムの発売順ではルビィの次に当たるダイヤのソロ曲『Perfect SEKAI』のMVも本年1月1日に発表されました。こちらは打って変わってVOCALOID曲のPVのようなかっこいい演出が施され、美を詰め込んだ内容になっていました。

 本日は、この『コットンキャンディえいえいおー!』と『Perfect SEKAI』が同じ内容を歌っているという話をします。

 あまりに対照的な映像が印象に残っていると思いますが、そこには姉妹の共通する願いが込められていました。

 

1. 黒澤姉妹の最初のソロ曲

 昨年2020年のアルバム『First Solo Concert』の前にも、アニメBDの特典曲として黒澤姉妹の*1ソロ曲が存在していました。同アルバムの表題曲ともなっている『RED GEM WINK『WHITE FIRST LOVE』です。これが対になっていることは、曲名からもわかりやすいと思います。ルビィ、ダイヤ共に恋心を知るという内容で、Aqours9人の最初のソロ曲の中でこの2曲だけがラブソングでした。μ’sにはラブソングが多数ありましたが、Aqoursではその比率は比較的小さくなっています。これらはμ’sが大好きな2人が、スクールアイドルといえば、ということで作った曲であるように思えました。また、「スノハレ理論」から、この2曲もスクールアイドルの歌として解釈することはできると思います。

 

※スノハレ理論

 スクールアイドルのラブソングが、仲間、学校、スクールアイドルとして活動する日々、見てくれる人々など様々な「大好きなもの」に対する思いを歌ったものであるという仮説。TVアニメ『ラブライブ!』2期において、Snow halationが新しい解釈を伴って披露されたことに基づく。当ブログでは今後も折に触れてこの理論を活用していきたいと考えている。

 

2. 2曲目のソロ曲

 さて、1年前の今日、話題をかっさらった『コットンキャンディえいえいおー!』の歌詞をいくつか引用してみます。

「ダイスキだけのお祭りはじまった」

「しましまシマウマ 乗ってどっか行っちゃうの」

「かわいいを集めたら 世界はすてきだなって楽しくて」

「世界がえがおになれたらいいな」

「あまいあまい世界になあれ!!」

『コットンキャンディえいえいおー!』は、かわいいもの、おいしいものでいっぱいの世界なら皆が笑顔になれるという内容で、幸せな世界を願う歌です。

 

 続いて、『Perfect SEKAI』の歌詞を少しだけ引用します。

「綺麗なものしかない場所」

「きらきら飛べそうな 星に乗りますか」

「完璧で純粋な世界なら叶いそう 心の奥底に眠る願いたちが」

「幸せに笑ってる 人々の顔が見たい」

「I hope the world」

 『コットンキャンディえいえいおー!』の歌詞と対応していることにお気づきになりましたか?

『Perfect SEKAI』も、完璧で純粋な世界なら皆が笑顔になれるという内容で、これまた幸せな世界を願う歌です。

 ルビィとダイヤの願う気持ちは、全く同じだったのです。

 しかし、そんな世界は、現実には存在していません。『コットンキャンディえいえいおー!』では、それを絵本の世界のような非現実的な描写で表現しています。

「空ではティンパニが鳴り響くよ」

「無限のお菓子ボックス」

 これがルビィの世界です。一方で『Perfect SEKAI』なら、こうなります。

「幻想と現実の区別くらいついてる 疑ってるのですね」

「それは起きながら見る夢」

少し現実を知って大人になったダイヤは、それが現実にないことをはっきりと言葉にします。どちらも非現実ではありながら、純粋に強く願っているのが伝わってきます。

 

3. 夢とスクールアイドルの力

 姉妹は、理想の世界を、甘い夢をただ空想しているわけではありません。そんな世界を現実にするために、スクールアイドルとして自分たちができることを探しています。

 ルビィが自分にできると思っていることは、この一言に集約されています。

「おまかせなさい! じゃあ盛り上げるよ」

 ルビィはスクールアイドルとして、世界を明るく、盛り上げることが、「楽しいお祭り」の世界を実現する第一歩だと考えているのです。

 一方のダイヤはやはり姉です。もう少し踏み込んで、自分の使命を歌にしています。『コットンキャンディえいえいおー!』とは違って、その歌詞は何度も歌の中に詠みこまれています。

「もっと信じて 自分信じて 進みましょう」

「だからやっぱりもっと 強くなってみたい」

 ダイヤは網元の家である黒澤を継ぐ使命があり、地域の人々のこともよく知っています。スクールアイドルとしても、挫折したことがあります。世界を笑顔にするのは簡単なことではありません。それでも、スクールアイドルとして、それだけでなく地域を背負って立つ立場として、そして何よりもルビィの姉として自分を信じて強くなることを決意しているのです。

 PVでも、ルビィがコットンキャンディの棒を握っているのに対しダイヤが握るのは日本刀です。その気になれば誰かを傷つけられるものを手に、皆の世界を守ることを覚悟しているのです。

 ここまで2曲の共通点を見てきましたが、『Perfect SEKAI』には『コットンキャンディえいえいおー!』にない要素が、一つ加わっています。

「あなたも分かるはず」

 信じてもらえないかもしれないけれど、「あなた」にも信じてほしい。スクールアイドルの仲間やスクールアイドルとしての自分を見てくれる人々に、素晴らしい世界の夢を一緒に見てほしい、そんな私を信じてほしい、と語りかけてきます。ダイヤの所属するAZALEAの曲『We’ll get the next dream!!!』にも、少し通じるところがあると思います。

 

 2022年1月1日のダイヤの誕生日にも、ダイヤのソロ曲が新たに発売されることになります。今回も、ルビィのソロ曲と共通したところがあるのか、楽しみです。また、CYaRon! の2ndライブで披露されるかもしれない『コットンキャンディえいえいおー!』にも期待が高まります。

*1:もちろんAqours全員の