普門寺飛優のひゅーまにずむ

好きなものについて不定期に語ります。

僕の中にある光。それは未来を想う力 ~ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA感想週報⑫『三千万年の奇跡』~

 例年より少し早めですが、ついに今年も最強形態の時間がやってまいりました。その名も「グリッタートリガーエタニティ」。あのグリッターティガと同じ「グリッター」を冠する姿です。さて、どんな活躍をするのでしょうか?

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胸に見覚えのあるマークが……
 (『ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA』第12話『三千万年の奇跡』より/©円谷プロダクション/配信URL https://www.youtube.com/watch?v=0CIXZ7jW1Dg)



1. 超古代の死闘

前回はトリガーの正体について少し考察した

carat8008.hateblo.jp

 

 今回の話を踏まえると、この内容とは異なるようです。トリガーとケンゴはもともと同一の存在でした。「光であり、人である」ティガは、確かにダイゴ自身がティガでしたが、光の力を受け継いだ人でした。そして、最後は人になる、という結末を迎えます。トリガーの場合、ティガとは違い、トリガーが本体なのだと思います。平成に成熟した概念である「人間ウルトラマン」の新解釈です。これが、「光を継ぐもの」と「光を繋ぐもの」の違いなのでしょうか。

 さて、ケンゴの正体がトリガーだとして、前回と今回起きた出来事を整理します。カルミラの陰謀で未来のトリガーから「光」つまりケンゴが分離され、過去に飛ばされます。過去では、闇のトリガーが未来から来た光のトリガーに想いを伝えられて、光のトリガーに生まれ変わりました。その光になったトリガーがエタニティ・コアの力で封印され、3000万年後の未来に再び目覚めました。そして、そのトリガーがまた未来からやってきて……。

 なんだかループもの特有の問題が起きているように思えてなりません*1あまり時系列については細かいことを考えない方がいいのかもしれません……。少なくとも、「引き金は僕だ」ということは確かな事実です。ここで起きたのは、過去から未来への継承であり、未来から過去への継承です。何度でも未来を願う気持ちが、奇跡を起こしたといえば、気持ちの上では納得できます。ケンゴは光になれましたが、光だから未来のために戦ったというよりは、「希望の未来に光も闇も関係ない」という想いの結果が光なのだと思います。

 ケンゴの「やっと笑ってくれたね」という言葉を聞いて思った余談ですが、ウルトラマンのスーツには"表情"があります。もちろん、表情は変わらないのですが、撮り方やスーツアクターの演技で、笑ったり悲しんだりするのです。

 光の存在としてカルミラたちに反旗を翻したトリガーに、ユザレの祈りによりエタニティ・コアの力が注がれます。これによりトリガーは全身が光り輝き、強化されましたが、それと同時にカルミラたちと同じように石像化が始まってしまいます。トリガーが石像化してしまったのは、エタニティ・コアが闇を封印し、光に力を与える効果があるからと考えられます。だとすれば、前回没にした、トリガーが「光であり、闇である」というのはあながち間違いではないのかもしれません。

 しかし、トリガーだけは光でもあるため、力を振り絞って3巨人を宇宙へ追放し、自らは火星に落ちていきました。そして、ケンゴが火星の地下遺跡で出会うまで、3000万年の眠りにつくのです。

 

2. 繋がる光・グリッタートリガーエタニティ!

 そのままではケンゴも3000万年間封印されるところでした。しかし、ケンゴだけはアキトとユナの必死の願いに反応し、現代に呼び戻されました。それと同時に、エタニティ・コアの欠片も時を渡り、ユナに眠るユザレの魂に辿り着きました。それと現代でケンゴが変身したトリガーが合体したのが、グリッタートリガーエタニティです。

 超古代でトリガーにエタニティ・コアの力が注がれたときは、トリガーは石化してしまいました。しかし、現在のトリガーは光であり、闇のトリガーとは分離された状態になっていました。今度こそ石化せずに最強形態になることができたのは、このためだと思います。

 ところで、ウルトラマンが強化形態で金ピカになるのは、ジード (ロイヤルメガマスター)、R/B (ウルトラマンルーブ)、タイガ (フォトンアース)、Z (デルタライズクロー) に続き、5年連続です。それでも、顔まで金なのは、今までにない斬新なデザインだと思います。顔が銀以外なのは、ティガダークとベリアルを除けば、ゼアス以来ではないでしょうか?

 グリッタートリガーエタニティが最も目を引いているのは、トリガーの菱形のカラータイマーが3つ連なった、巨大なカラータイマーです。特にこれが赤く点滅すると、某巨大企業グループのロゴマーク*2にそっくりになります (笑)。真面目に考えれば、これはトリガーの「3」*3と「T」を落とし込んだデザインだといえます。

 こうして覚醒したトリガーは、自身の片割れであるトリガーダークと戦うことになります。面白かったのが、そのトリガーダークがカルミラたちに攻撃を加え始めたことです。ダークはいえ、トリガーダークもトリガー自身なので、ケンゴの願いに呼応したのでしょう。

 トリガーダークもケンゴ自身だったということは分かりましたが、ケンゴの中の闇が何なのかは明かされずじまいでした。しかも、イグニスが倒されたトリガーダークの力を得てしまいました。OP映像でも、イグニスの後ろに建っているビルのガラスに、トリガーダークのような黒い影が映されています。光があるところに影はあります。グリッタートリガーエタニティという輝く光の影は、これからどんな暗躍を見せるのでしょうか。

 物語は、まだ中盤です。

*1:突然3巨人に記憶が宿るなど、過去を変えた描写はある

*2:財閥解体後の三菱各社間には資本関係はない。グループ内広報誌と、このロゴマークにより繋がりを形成しているとのこと

*3:「トリ」はギリシア語の「3」に通じる。「ティガ」も、インドネシア語の「3」