普門寺飛優のひゅーまにずむ

好きなものについて不定期に語ります。

Next Trigger’s Hint~ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA感想週報⑬『狙われた隊長~マルゥル探偵の事件簿~』~

ウルトラマントリガーのタイプは前半ですべて出揃ったと思われる

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 私がニュージェネレーションのウルトラマンを見始めるきっかけになった回は、ウルトラマンオーブ』第13話『心の大掃除』でした。以前からご覧になっている方だと「総集編かよ」と思うこともあるかもしれません。しかし、たまたまYouTubeのサジェストで出てきたので観てみたのですが、最新のウルトラマンがどんな活躍をしているのか、どんな課題に直面しているのか、コメディタッチで短時間でわかるという心配りのおかげで、長年離れていたウルトラシリーズに再度触れることができました。

 さて、『ウルトラマントリガー』を観たことのない方も、この回から観れば今までの話がよくわかるようになっています。なっている、はずなのですが……。

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名探偵のパロディにちゃぶ台、流石にふざけ過ぎじゃない?
 (『ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA』第13話『狙われた隊長~マルゥル探偵の事件簿』より/©円谷プロダクション/配信URL https://www.youtube.com/watch?v=7p46EPNP8Yg)

 

1. ニュージェネ伝統の総集編

 『ウルトラマンオーブ』以降、広義ニュージェネレーションヒーローズでは、折り返し地点の第13話で総集編回が設定されています。総集編といっても過去の映像をまとめただけでなく、メインキャラの掛け合いの中で今までの話を振り返るものです。『オーブ』の『心の大掃除』では、SSPの部屋の大掃除を通して様々な思い出の品を再発見する、という総集編らしい内容でした。『ジード』の『レストア・メモリーズ』、『R/B』の『秘密はイヤです!』ではそれぞれ記憶を失った (ふりをした) レムと、兄たちがウルトラマンであることを知ったアサヒに今までの出来事を説明するというシナリオが描かれました。

 ところが、元号が令和に変わり、『タイガ』の『イージス超会議』になると少し毛色が違ってきました。地球に現れた3人のウルトラマンをEGISの「マスコットキャラクター」にすべく、社員たちそれぞれが推しウルトラマンをアピールする、という筋書きで、新録パートも面白おかしく見せる、という今の作風に近づきました。『Z』の『メダルいただきます!』は、ストレイジ基地に迷い込んだカネゴンがお金と間違えてウルトラメダルを食べてしまい、ゼットとハルキの戦いの記憶がフラッシュバックするというエピソードです。

 今回はそれがさらにエスカレートしました。某名探偵漫画のパロディに、メトロン星人のお約束であるちゃぶ台のシーンなど、パロディが盛りだくさんで、予告を見ても総集編だとは気づかないほどでした。一方で、肝心の本編映像は合計約5分40秒と、総集編にしてはかなり抑えめです。最初に述べた『オーブ』では、合計約10分30秒の過去映像があり、6年で約半分となっています。本来ウルトラマンは特撮パートを短くするために時間制限があると考えると、ドラマパートの分量は通常回とほぼ変わらず、これはむしろ、過去映像を使った新作と言ってもよいでしょう。話としても、ケンゴが超古代で見てきた出来事をアキトやユナに報告するというシーンもあり、情報の共有や整理が行われています。

 ストーリーは最近のウルトラシリーズの中でも特にはちゃめちゃでした。会議で不在だったタツミ隊長が殺されたと早合点したマルゥルが犯人探しを始めるという内容で、IQ5000*1はあるとされるメトロン星人の種族でありながらあまりのポンコツっぷりを見せつけていました。

 

2. 後半の『ウルトラマントリガー』は?

 今回を通して、アキトやユナはケンゴからトリガーの秘密を聞き、マルゥルはありもしない事件の情報を得ていましたが、そもそもナースデッセイ号は機密を喋るのに適した場所ではありません。ストーリー初期から、イグニスが勝手に出入りしているからです。そして今回も、メンバーの話はすべてイグニスに筒抜けとなっていました。

 イグニスが腰の痛むような姿勢で盗み聞きしていたのは、アキトの机の上のジャンクがGUTSスパークレンスの試作品だということ、そしてナースデッセイ号のデータベースには様々な怪獣のデータバンクが保存されていることです。イグニスはその情報を基に、試作品の一台を盗み、さらにザイゴーグとホロボロスのデータをハイパーキーに保存して勝手に持ち出してしまいました。怪獣を出すだけならまだいいのですが、今のイグニスにはトリガーダークのものと思われる力が宿っています。後半戦では、再び*2イグニスが敵に回ることになるのではないでしょうか。

 もう一点、本編の途中で流れたCMで、ナースデッセイ号の玩具が発売されることが明らかになりました。そこで明かされたのが、ナースデッセイ号は「バトルモード」に変形するということです。『ナースデッセイ号開発秘話』で伏線は張られていましたが、いよいよモデルである宇宙竜ナースのような姿に変わります。トリガーの形態はこれで出揃いましたが、まだまだある新要素はどのようにして披露されるのでしょう。「販促がちゃんと面白い」のがウルトラシリーズです。

 そして次回予告では、14話への『ウルトラギャラクシーファイト』の発表会で予告されていたアブソリュートディアボロウルトラマンリブットの登場が判明しました。この2人はゲストとしての登場に留まるのか、それとも今後に関わる暗躍、または活躍をするのかにも注目です。

 新要素にばかり注目が集まりますが、闇の巨人たちとの戦いにも決着はついていません。『ティガ』をベースに、様々な要素のお祭りのようになった『トリガー』。ここから私たちをどのように笑顔にしてくれるのでしょうか。

 

*1:『A』

*2:言うほど前半戦では敵対していない