『トリガー』の劇場版が発表されました。前年は制作スケジュールの遅延から困難だったためか、あるいは『シン・ウルトラマン』への配慮のためか、制作されなかった劇場版ウルトラマンですが、いよいよゼットも登場するウルトラ映画が製作されます。ただ、今回はTSUBURAYA IMAGINATIONでの公開を主とするようで、劇場版とOVの中間のような扱いのようです。
さて、『トリガー』本編に目を向けると、3億5000年前 (原文ママ) の怪獣、アボラスとバニラが蘇ります。超古代文明の10倍も昔のことですが、その時代の地球にも文明があったらしいのです。その超々々古代怪獣に挑んだのは、なんとトリガーダーク=イグニスでした。
ギャグ回で見せた「イグニスらしさ」
1. 揺れ動くイグニス
囚われの身だったはずのイグニスが、トリガーダークに変身しました。実はアキトがケンゴを救うため、脱走に手を貸していたのです。
復讐に燃えるイグニスの心に、二度と悲しみを見たくないという新たな戦う意味が芽生えたのは、17話でメツオロチと戦った時でした。そのときは報われなかったのですが、危機に瀕したケンゴを案じて涙するアキトを見て、再びその気持ちが燃え上がりました。制御できなかったトリガーダークの力は、回収したブラックスパークレンスをアキトが密かに改造し、制御できるようになっていました。しかし、イグニスの側にもウルトラマンとしての精神が芽生えたことが、トリガーダークを制御できるようになったもう一つの要因ではないかと考えています。
トリガーダークは古文書の記述を参考にケンゴを救い出しました。ケンゴはトリガーの力でなんとか生きていて、トリガーへの変身を果たします。2人のトリガーは共闘し、2体の怪獣を倒し、謎の新技を使って怪獣の毒素を分解したのでした。
しかし、勝利を喜び合った矢先、イグニスはユナを攫って消えてしまいます。ケンゴもユナもイグニスのことを信じ始めたところで、予想外の展開になりましたが、イグニスの目的は何なのでしょうか。やはりヒュドラムとの決着はつけずにはおれず、そのためにヒュドラムにエタニティ・コアを取られるわけにはいかない、ということでしょうか? もしそうだとしたら、イグニスはユナのことをユナとして認めているだけに、相当厳しい決断に思えます。
2. GUTS-SELECTは大丈夫?
さて、前回と今回の出来事を通じ、GUTS-SELECTに大幅な士気低下が起きているように見えます。ユナは守り抜かなければならない存在なのに勝手に脱走したことから待機処分が下されました。さらにケンゴがアキトを庇って怪獣の攻撃を受け、安否不明となってしまいました。タツミ隊長は隊員の安否不明を聞いて、一番苦しいはずですが、アキトに任務に専念するよう強く言い聞かせました。
その後の隊は、はっきり言ってガタガタでした。ガッツファルコンは瞬時に撃墜され、マルゥルに至ってはトリガーに縋る始末。タツミ隊長はトリガーの正体に勘づいているためか、ますます強くマルゥルを窘めていました。
ユナが攫われたところで本編が終わったため、まだ描かれてはいませんが、この恐れていた最悪の事態が起こったことで、隊はどうなってしまうのでしょう。ケンゴたちとイグニスももちろんですが、GUTS-SELECTの絆が試される時が来ています。
時を同じくして、闇の三巨人も瓦解しました。ヒュドラムはカルミラを見限って独りで動き出し、ダーゴンはカルミラを諫めたものの聞き入れられず、完全に仲間割れしてしまいました。3人の関係性の崩壊が闇の巨人の敗因となるのか、それとも人類側も絆を守れずに苦戦を強いられるのか、残り数話の展開が心配になります。