普門寺飛優のひゅーまにずむ

好きなものについて不定期に語ります。

約束の地、願いが叶う場所 Aqours 6th LoveLive! <WINDY STAGE> 全曲感想 (前編・約束の章)

 2022年6月25日 (土)・26日 (日)、ついにAqoursが東京ドームに帰ってきました。「約束の地」への帰還タイトルは、ラブライブ! サンシャイン!! Aqours 6th LoveLive! ~KU-RU-KU-RU Rock’n’Roll Tour~ <WINDY STAGE>』。2月のバンテリンドームナゴヤことナゴヤドームでの <OCEAN STAGE>、3月のベルーナドームこと西武ドームでの <SUNNY STAGE> を経ての追加公演に位置づけられます。実際には、特別な場所でのライブということで、セットリストも演出もパフォーマンスも、6thライブの枠組みに収まらないものが用意されていました。そこは、2018年11月17日 (土)・18日 (日) の4thライブ『Sailing to the Sunshine』同様に、たくさんの叶わなかった「願い」が叶う場所であり、そしてそこで交わした「約束」の数々が果たされる場所だったのです。

約束の地・東京ドーム (2022. 6. 25)

 私はAqoursの3rdライブ・埼玉公演からシリーズで今までに10回現地参加してきました*1が、今回は初めて2days公演の両日とも現地Aqoursの姿を拝むことができました。本記事では、両日共通の部分は合わせて紹介する形で、ライブを前半と後半に分けて感想を書いていきたいと思います。

Aqours前回公演 <SUNNY STAGE>

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1. 風の吹く場所

 Day1は連番の友人と一通り秋葉原から東京ドーム周辺を聖地巡礼してから*2、17時過ぎに入場しました。Day2は1人だったので、16:30過ぎに早々と入場し、座席で前日の感想 (当記事です) をまとめていました。

 東京ドーム特有の回転ドアを回して入場しようとすると、向かい風が吹きました。これは東京ドームが陽圧で屋根を支えているからで、内圧は外気圧より約3 hPa高くなっているそうです。これが、 <WINDY STAGE> の語源だと思われます。日が射しこむ <SUNNY STAGE> を思い出しつつ*3、自分の座席を探しました。

 ステージ構成はこれまでの6thライブに近いものでした。ステージがメインステージとセンターステージ、そのさらに前方ホームベース側に1箇所、そしてメインステージとセンターステージを通ってアリーナを一周する回廊から成っていました。しかし、メインステージから垂直に伸びる花道がなく、その位置には客席が設置されていました。そして、前方ステージの正面に向かい合うように、『浦の星交響楽団』のオーケストラボックスが設置されていました。

 1日目の座席はスタンド1階三塁側で、回廊にかなり近い場所でした。Day2はほぼ正反対の一塁側ですが、さらに近い位置で、ややホームベース側に下がって、オーケストラが真横から見えるほどの位置でした。この位置のおかげで、生演奏時にはAqoursと浦の星交響楽団のどちらを観ればいいのか大いに迷ったものです。どちらも、トロッコが来たときにはキャストの衣装のディティールが見えるほどの近さでした。

 ステージのもう1つの特徴として、メインステージの端から端まで一杯に広がる巨大スクリーンがありました。開演までの間、ラブライブ! シリーズのPR映像が流れていたときは、3つに分かれたスクリーンだと思っていたのですが、開演すると、その時境目だと思っていた場所もスクリーンであることが分かりました。これを使い、キャストを映した生映像の間にイメージ映像やアニメを流すという離れ業も度々見せつけられました。

 開演に先立ち、17:00頃、17:30頃、そして開演直前の17:50頃に、注意事項の放送が流れました。この放送が、なぜか異様なテンションの高さで、不思議に思っていると、なんとそれはアニメに登場するアキバレポーター (CV: 高森奈津美さん) の声でした。

「アやってきたァァァ!」(Aqoursの紹介)

「踊る!ジャンプする!」(禁止事項の説明)

「ぱちぱちぱちぱち!ぱんぱん!」(拍手や手拍子での応援を求める案内)

「没収ッ!」(使用禁止グッズについての注意)

など、超ハイテンションの放送で、観客を一気に『ラブライブ!』の世界に引き込んでいました。

 

2. 約束「再び東京ドームに立つ」

 今回は登場を予告されていた浦の星交響楽団の入場、そして『Main theme of LoveLive! Sunshine!!』で幕を開けました*4。オープニング映像が終わり、メインステージにAqoursが登場しました。6thライブの最初の曲は『KU-RU-KU-RU Cruller!』……と思っていると、なんと1曲目から <WINDY> テーマソングの『なんどだって約束!』が、生演奏で始まりました。今回の浦の星交響楽団のチームは、”カトタツ”こと加藤達也さん率いるオーケストラのみならず、”CYaRoTOMO’S”より本間昭光さんとTAKUYAさん、”Guilty Devils”よりMEGさん、『ラブライブ! サンシャイン!!』の楽曲を多数手がける岡嶋かな多さんを迎え、オーケストラとロックバンドが融合した総勢51名の最強の布陣となっています。

 『なんどだって約束!』の歌詞は、とてもストレートで、だからこそ心に響く力強さを持っています。「いつか…それは今だった」「同じもどかしさ抱え くやしい日々を重ねた」など、東京ドームライブやこの3年半にかける想いが綴られています。4thライブのとき、Aqoursは必ずこの場所に戻ってくると約束しました。結成から1度目の東京ドームまでよりも長い時間をかけ、その約束を果たしたのです。

 そして、「ムリかな? そんな願いも いっぱい叶えちゃうよ」や「しかたないとあきらめない」は、この公演の、というよりも東京ドームライブの持つ力を表現しています。最後まで、それが炸裂しつづけます。

 曲の終盤、今回のステージの特徴ともいえる巨大モニターには、4thライブの様子が映し出されました。ユニットから再開したAqoursの活動、9人揃った’21年末のEXTRAライブ、2年半ぶりのナンバリングとなった6thと、段階的に進んできた「Aqoursの復活」が、決定的なものになりました。

 

3. 約束「センターを取る!」(きんぐ)

 一度会場が暗転しました。ステージが黄色く光り、『未体験HORIZON』がこれも生演奏で始まりました。その瞬間の会場のどよめきは忘れられません。一応声援は禁止されているのですが、5万人*5の心から感動が漏れるとこうなってしまうのは仕方ありません。すぐに、客席の色も黄色一色に変わりました。

 4thライブでの「約束」は、もう一つありました。ここではアニメーションPV付4thシングルの発売と、それに伴うセンター総選挙の開催が発表されました。全員、センターに立ちたいという意気込みはあったとは思いますが、それを堂々と口にしたのが、花丸役・高槻かなこさんと、善子役・小林愛香さんでした。複数名が宣言しても、1人にしか叶えられない、いわば「選挙公約」です。実際に4thシングルのセンターに選ばれたのは花丸で、善子は次点でした。確かに勝者は1人、なのですが……。

 この曲は、発売直後の『ラブライブ! フェス』でトップバッターで披露されましたが、その直後からご存知の通り、Aqoursのライブは中止が相次ぎました。それだけでなく、当の高槻さんは長期の休業を余儀なくされました。その高槻さんがセンターで声を響かせ、5万観衆を黄色い光で染め上げる姿には、溢れてきてしまうものがありました。たとえこの曲の披露を予想していたとしても、それが現実になったことそのものに何よりも意味があるからです。Day2はオーケストラが見やすい席だったので、踊るように指揮を執る加藤さんが印象に残りました。

 いつものコール&レスポンスを終えると、ここから先は6thライブ的なセットリストとなりました。Day1ではこれまでの公演で披露された『DREAMY COLOR』、Day2ではEXTRA ('21) 以来の『Future flight』のあとは、学年の3人で全員曲を歌う擬似学年曲パートです。

 

4. 願い「Saint Snowを終わりにしたくない」

 実は、ここで『Awaken the power』が流れ出したとき、Aqoursの9人バージョンだと思いました。何故ならSaint Snowの2人バージョンはSaint Snow 1st GIGで実現しているからです。そう思って手元のラブライブレードの色を変えていると、理亞パートの「ドコへ」が花丸の特徴的な歌声で聞こえてきました。慌ててステージを見ると、1年生の3人しか立っていませんでした。そこで、私は学年パートがあることを思い出したのです。

 このパートで歌う曲は、学年の3人を意識した選曲になっています。『Awaken the power』を作ったのは、Aqours1年生と理亞の4人で、理亞の「姉とのスクールアイドル活動がこれで終わりになるのが悔しい」という思いに応えるために始めた活動でした。その結果として、アキバドームに立てなかったSaint Snowが、Saint Aqours Snowとして東京ドームに立てた、というのが4thライブで叶った「願い」でした。これは、願いを叶えるAqoursの「能動性」を象徴する曲なのです。

 今回は、トロッコでの披露になりました。スタンド前方からはトロッコがとてもよく見えました。

 

5. 願い「初代Aqours、3人のステージ」

 次の擬似学年曲でも、叶っていなかった願いが叶いました。本編の2年前、幻と消えた“初代Aqours”の未熟DREAMERです。本編では9人のAqoursによってその夢が再び叶えられたのですが、ここではパラレルな叶い方をしました。それはまるで、成長したアーティストのAqoursからAqoursの3年生への贈り物のようでした。

 ちなみに、『スクスタ』34章にも同様のコンセプトのライブが描かれています。この章も、今までできなかったことにAqoursがチャレンジするという、キャストたちが取り組んでいたプロジェクトとリンクする内容でした。

 

6. 願い「新しいAqours、6人のステージ」

 Day2では、異なる時系列のAqoursを見ることができました。1年生と2年生の6人での『ハミングフレンド』です。ここでは、ステージを6人でいっぱいに使ってのパフォーマンスと同時に、新規描き下ろしのPVも流れていました。PVに映る6人は、浦女の制服、リボンの色も黄色と赤ではありましたが、花丸の鞄に3年生のメンバーカラーの風船が付いており、3人が旅立った後であることを想像させました。映画は3人が旅立ち、6人がスタートを切ったところで終わってしまったので、皆が見たかった夢のステージです。1年生が退場し、2年生の『空も心も晴れるから』に移ります。2期7話では9人版が流れましたが、本来は2年生のBD特典曲です。3人はトロッコに乗り、一塁側を半周しました。バラードでトロッコに乗るのもあまり多くはないかもしれません。千歌役・伊波杏樹さんたちがゆっくり大きく手を振っていたのが印象的でした。

 

7. 願い「メンバーそれぞれの個性、想い、祈り」

 さて、この後のパートは、<OCEAN> ではデュオトリオ (冬)、<SUNNY> では2曲目のソロでした。何が来るかとステージに目を凝らすと、そこにはただ一人。照明が点くと、それが伊波杏樹さんだとわかりました。新規衣装での『OKAWARI Happy life!』初披露です。6thのここまでの公演では、ステージの中央から伸びる花道がありましたが、今回はありません。伊波さんは、メインステージからセンターステージ、そしてホームベース側のステージへ、花道を走る代わりに台車に乗って移動していました。その台車は凄まじい速さで疾走していましたが、伊波さんは一切体勢を崩さず、元気いっぱいの千歌として歌い続けていました。伊波さんの身体能力の高さに驚くのは、初めて参加した3rdの『MIRACLE WAVE』以来ずっとですが、今回もやってくれました。

 続いては、梨子のソロ『Love Spiral Tower』でした。同人誌をテーマにしたと言われる曲ですが、モニターの映像は『不思議の国のアリス*6のようなファンタジックなものでした。

 発売順 = 誕生日順に、ルビィの『1STAR』、ダイヤの『MOTTO-ZUTTO be with you』と続きました。ルビィの声のままバラードを歌い上げる降幡愛さん、『Perfect SEKAI』の力強さとはまた違う、幻想的な夜の空気の中で舞う小宮有紗さんと、黒澤姉妹の魅力を連続で味わえました。『1STAR』が誰に宛てられた歌なのか発売以来ずっと考えてきましたが、このライブを通して、東京に行った姉を想う歌なのではないかというインスピレーションを得ました。以前、黒澤姉妹のソロ曲に関する記事を書きましたが、今回も姉妹のソロ曲が対応しているとすると、『MOTTO-ZUTTO be with you』の「数え切れない星」は、Aqoursメンバー全員や、他の愛しい人々を、ダイヤが家族のように愛していることを表しているのではないかと考えられます。

黒澤姉妹のソロ曲について

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 Day2では、その続きとなる果南の『RUN KAKERU RUN』からスタートしました。果南役・諏訪ななかさんのリズムの良い身のこなしが爽やかな曲とマッチしていました。

 続く『やあ! 行雲流水!?』。冒頭であれだけ魅せてくれた高槻さんに、観客の期待のボルテージが高まるのを感じます。そして証明に照らされた高槻さんは、なんとアコースティックギターを持っていました。この歌は、大きく後れを取った高槻さんに「ゆっくり、自分のペースでいい」と花丸が宛てたような歌詞ですが、それにアーティストとしての成功を夢見る高槻さんが、新しい夢への挑戦で応えていたのです。Aqoursはキャストにとって帰る場所で、ここでなら色々な挑戦ができるのだとわかりました。

 軽快なラップが曜のイメージにぴったりの『Paradise Chime』、こちらも軽快で、鞠莉のソロとしては今までにない明るい曲調の『Love is all, I sing love is all』と続きました。鞠莉役・鈴木愛奈さんは三塁側トロッコでのパフォーマンスでした。Aqoursの皆と歌える喜びを歌った歌ですが、「愛なんです!」には鈴木愛奈さん自身の名前*7が詠みこまれていると、以前ラジオで語っていました。

 さて、ソロコレクションCDは誕生日の発売なので、今年発売されているのはここまでです。この流れではあと1曲残ってしまうことが、前日から心配され、同時に待望されもしていました。会場の人々は固唾を呑むようにブレードを白に変え、ステージを見守っていました。激しい光の明滅とともに、誰も聴いたことのない曲が流れ出しました。会場が湧きあがりました。探偵をモチーフにした曲*8で、小林愛香さんは「名探偵」っぽいポーズを決めたり、とても自由な曲という印象を受けました。やりたい放題、伸び伸びと表現する素晴らしさは私たちも『虹ヶ咲』などでよく知っていますし、善子、否、”ヨハネ”が最高に楽しそうに見えました。極めつけは、大きなスクリーン一杯に漆黒の翼を伸ばしたところです。ヨハネ、完全堕天です。あまりに強い魔力を浴びたせいか、曲が終わった瞬間に座席に崩れ落ち、わけもわからず泣いていました。曲名は終演後に明かされましたが、『迷冥探偵ヨハネ』でした。

 

8. きょうのAqours: OCEAN

 幕間は′21EXTRA以来の『きょうのAqours。Day1は曜と果南が釣りをする話、Day2はダイヤと善子が古着屋で買い物をする話でした。二組とも、何やら「約束」があるようで……。映像が流れる前には、実写の海をバックに千歌の「海」に関するナレーションが流れました。海は全てのはじまり。それは <OCEAN STAGE> への回顧ともとれる発言でした。

 映像の後は、浦の星交響楽団による劇伴のコンサートの時間です。Day1では映像前にも『前回のラブライブ! サンシャイン!!』が演奏され、区切りであることが表現されましたが、Day2では省略されました。

 何度も聴いたTVアニメの劇伴に加え、今回は劇場版のサウンドトラックからも選曲されていました。沼津の、イタリアの、様々な風景を思い浮かべながら、二夜限りの音色に没入していました。

 

9. 願い「まだまだ新しいAqoursを見せたい」

 再びAqoursが現れました。暗闇の中で見えたメンバーカラーのスカートには、全く見覚えがありませんでしたが……。

 明転し、流れ出したPVは、なんと『KOKORO Magic “A to Z”』でした。カップリング曲の『Wake up, Challenger!!』は何度か聴ける機会がありましたが、こちらは未披露だったのです。これは『スクスタ』コラボシングルの楽曲です。『スクスタ』は6月22日 (水) にリリース1,000日を迎えました。また、『スクスタ』の主人公が所属する虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会のアニメは、Day1と同日の6月25日に2期の最終話を迎えました。『スクスタ』にとって、記念すべき日の初披露となりました。ところで、新規制作されたこの曲の衣装ですが、『アラビアンナイト』風のPVにマッチする衣装はあまりにも露出が多く、実体化不可能なのではないかと考えていました。しかし、実際に衣装が作られるにあたり、上半身を覆うトップスにリアレンジされると、煌びやかさが増してよりゴージャスな仕上がりに見えました。

 続いての曲は、聞き覚えがありませんでした。……否、聴いたことはありました。しかし、試聴動画で1回だけ、ですが。『GEMSTONE “DE-A-I”』は、『サンシャイン!!』BD BOXの特典曲です。『Aqours CHRONICLE』でアニメや劇場版BDなどの特典曲をすべて一般に購入・ストリーミング可能な状態にした*9矢先に発表された、新たな特典曲です。聴いてみると爽やかな疾走感があり、同時に重厚なエモがそれに乗った、今までに積み上げてきたAqoursらしさを一曲で表現したような曲でした。

 よく知らない曲が歌われたとき、自分の不勉強を恥じる以上に、ここでは不思議と前向きな気持ちでした。私も6年以上Aqoursを応援し続けてきたつもりではありますが、まだまだ私の知らないAqoursがいる、そしてこれからも未知の世界を歩む彼女たちを見せてくれるということは、明日への希望と言ってもよいのではないでしょうか。

 

10. 願い「劇場版で終わりなんて寂しい」

 MCが終わると、なんと『Next SPARKLING!!』がかかりました。アニメのAqoursにとって最後の曲で、5thライブはAqoursがこの曲を歌い切って、そのままフェードアウトするように退場して終わりました。Aqoursの本当に最後の日まで歌うことはないと思っていた曲だったので、大変驚きました。3年生は劇場版の展開の通り退場し、残りの6人でラスサビを歌い終えると、ドームが暗転し、モニターに映し出された映画のラストシーン、砂浜に打ち寄せる波だけが煌めいていました。「勝手に終わるな」とでもいうようなしんみりムードになったその時、ステージに3年生の3人が現れました。卒業したはずの3年生、否、いま、ここで輝いている3年生が歌い始めたのは『i-n-g, I TRY!!』でした。これは劇場版のBD特典曲で、これまた未披露だった曲です。『ラブライブ! サンシャイン!!』の物語は終わっていなかったのです。Aqoursは、思い出ではなかったのです。

 『劇場版ラブライブ! サンシャイン!! The School Idol Movie Over the Rainbowは、始まりの物語です。3年生は卒業し、千歌たちは3年生になるという変化の中で、新しいAqoursとしての第一歩を踏み出し、卒業生たちもそれを見届けてそれぞれに旅立ち、一方でSaint Snowから1人になった理亞も新しいスクールアイドルを始めようと足掻き始める、それぞれの新しい始まりを描く物語です。その物語がどこへ向かうのかは、描かれることはありません。もちろん私にも、皆さんの中にも、3年生になった千歌たちがどんな活躍をするのか、見てみたかった気持ちはあったと思います。その一方で、劇場版を出発点にして新しいAqoursを模索し続け、変わっていく世界の中で夢を実現しようと困難に立ち向かい続けて来たのは、伊波さんたち9人のAqoursでした。これこそが『ラブライブ! サンシャイン!!』の続編なのだと、私は信じて疑っていなかったのですが、Aqours自身がそれを証明してくれました。

 

後編に続く

*1:ニジガクのお披露目イベントを含む

*2:友人と私にとってこの近辺は馴染み深い場所だが、友人は東京を去ってからAqoursファンになった

*3:<OCEAN STAGE> だけよくわからない。東「海」地方からか

*4:劇伴の曲名はよく知らないものも多いので以後、適宜割愛

*5:今回は完全見切れ席などはなく、当日券も販売されており、実際に何人いたのかはわからないが、語呂が良いのでこういうことにする

*6:逢田さんのツイートによれば、偶々家にあったアリスの人形がモチーフになったとのこと

*7:キャストの名前が詠みこまれているシリーズ楽曲としては『Listen to my heart!!』が有名

*8:『スクスタ』に『ヨハネと花陽の事件簿』というイベントがあり、善子と探偵の組み合わせはこれが初めてではない

*9:『スリリング・ワンウェイ』や『キセキヒカル』なども、特典曲だった