普門寺飛優のひゅーまにずむ

好きなものについて不定期に語ります。

トリガー & デッカー 等身戦に大注目! ~ウルトラマンデッカー感想週報⑲『月面の戦士たち』~

 前回のラストで、地球を追放されてしまったウルトラマンデッカー。

ヤプールは今回も登場します

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 そんなデッカーを助けに来たのは、ウルトラマントリガーでした。こうして暗い宇宙空間で並ぶと、ティガとダイナに見紛いますね。今回のサブタイトルの「戦士たち」も、それを意識した命名に他なりません。

古来と未来が揃い踏みした
 (『ウルトラマンデッカー』第19話『月面の戦士たち』より/©円谷プロダクション/配信URL https://www.youtube.com/watch?v=v0Oiwle2vSA)

 

 

1. ウルトラマンの等身戦

 今回注目すべき点はやはりバトル、それも等身戦です。ウルトラマンの魅力といえば巨大戦ではあるのですが、逆に希少価値の高い等身戦にも、人間サイズの建物やドラム缶などの様々な物品に囲まれてアクションするという見どころがあります。ショーで見かける人間サイズのウルトラマンが、本物のように思える瞬間でもあります。そして、それを得意技の一つとするのが、前回と今回メガホンをとっている坂本浩一監督です。

 月面基地にて、カナタ、ケンゴの2人とも、襲い掛かるゾンボーグ兵と戦いながら器用に変身するところを見せてくれました。変身ポーズをアクションに取り入れながら、変身口上も早口で言って、その場で2人の姿が変わりました。役者のアクション、特撮・合成両方の技術の高さを感じます。変身中に攻撃してくる敵というのも珍しい、というより一般には「タブー」などと言われたりもしますが、それを振り払いながら戦う、臨場感溢れるシーンでした。

 なお、ゾンボーグ兵は『ダイナ』にも登場するキャラクターです。この当時は『電光超人グリッドマン』のショー用モブ戦闘員のスーツを改造したものを使っていたとのことで、映画『GRIDMAN UNIVERSE』の公開を控えた今、こうした繋がりができるのも面白いところです。

 また、今回は巨大化しなかったヤプールは、スフィアに取り憑かれそうになって大ダメージを受けていたところを等身トリガーとデッカーに撃破されてしまいました。前回アガムスが悪魔と契約した末路はどうなってしまうのか……? と思っていたら、その悪魔の方があっさりやられてしまいました。

 

2. 宇宙の人々はいま

 前回は知ることのできなかった、カナタの両親の無事が、正式にわかりました。ケンゴは、カナタの両親から動画メッセージを預かっていました。ゾンボーグ兵と戦うカナタが、ケンゴから受け取ったプロジェクタを落としたとき、両親のホログラムが浮かび上がりました。何でもスマホ1つで済む現代も十分SFチックではありますが、こういうガジェットの存在には気分が高まります。

 動画の内容に特別な話はありませんでしたが、やはり家族の無事が確かめ合えただけでも十分です。ここでカナタの両親の話が出てくるのも少し唐突だとは思いましたが、交信が遮断されている火星との間でやりとりができる機会も貴重ですしいいのかなと思います。家族には特別なドラマは必要なく、離れていても、ただ存在を慈しみ合えればよいということなのかもしれません。

 両親のメッセージを預かっていたケンゴですが、今回も人柄の良さがにじみ出ていました。無人の基地が不気味だというカナタに、一言「そうだね」と言うシーンが印象に残りました。「男なら怯えるな」などと否定をせず、後輩の言うことを肯定し、元気づけているのです。20歳そこそこで壮絶な戦いを経験し、自分の運命を知り、20代の間にも色々と人間的に成長したのでしょう。「スマイルスマイル」で見せる笑顔も、本編時にも増して魅力的になったように思います。

 

3. 劇場版決定!

 本編直後の発表会にて、ウルトラマンデッカー最終章 旅立ちの彼方へ…』の公開 (2023年2月23日 (木・祝)) が発表されました。昨年同様、円谷プロ独自配給映画であり、『TSUBURAYA IMAGINATION』でも初日から配信されます。

 新登場人物のディナスを演じるのは中村加弥乃さん。カイザキ副隊長役の宮澤佐江さん同様、「増山加弥乃」としてAKB48*1初期のメンバーだった女優です。さらに、デッカーと瓜二つの紫色のウルトラ戦士もキービジュアルに登場しています。前作では新登場人物が突然裏切ったように、今回も予測不可能な展開が待っているはずです。しかし、サブタイトルに「…」(三点リーダ) が存在することから、『ダイナ』最終回『明日ひかりへ…』を想起させる展開があるのかもしれません。武居監督曰く、「カナタが『終』、ディナスが『始まり』」というのが大ヒントだそうです。

 最終回へ突き進む『デッカー』の物語、そして待ち受ける最終章が待ち遠しくてなりません。

*1:元々興味はなかったが、私が好きなものの周辺にAKB48関連が増えつつある気がする。12月鑑賞予定の『スクールアイドルミュージカル』には現役AKBメンバーが2名出演