普門寺飛優のひゅーまにずむ

好きなものについて不定期に語ります。

『スクフェス』と歩んだ7年間 ~サービス終了から新しいキセキへ~

『でかスクフェス』を楽しむファン (2019. 9. 22 スクフェス感謝祭@ベルサール秋葉原にて)

 1月31日 (火)、ラブライブ! スクールアイドルフェスティバル』(スクフェス) のサービス終了が発表されました。稼働は3月31日 (金) までで、春以降にリリースされる『スクールアイドルフェスティバル2 MIRACLE LIVE!』(スクフェス2) に置き換わる形です。このゲームがリリースされたのは2013年4月15日 (月)。シリーズの人気は今なお高いまま、ご長寿スマホゲームの幕引きとなります。

 今回は、『スクフェス』との思い出を振り返ってみたいと思います。

 

 

2016: スクフェスを始めよう!

 『スクフェス』リリース当時、私は高校生でした。全国の学校のご多分に漏れず、私の高校でも『スクフェス』は大流行しました。ところが、このゲームに興味を持つことはありませんでした。そもそもスマホを持っていなかったし、『ラブライブ!』も存在こそ関知していましたが、アイドルに興味もなく、ノータッチだったのです。

 状況が変わったのは、大学に進んだ2015年のこと。大学の友人の影響で『ラブライブ!』にはまった私は、曲を聴いたりキャラクターの情報を集めたりして過ごしていました。そんな私に『スクフェス』を薦めたのは、高校時代からの友人でした。その友人は、入試会場でも『スクフェス』をしていたほどの筋金入りのファンでした。その会話をした喫茶店のレシートから、日付が2016年2月29日 (月) だったことがわかっています。

 当時の私は、スマホゲームをする習慣がなく、インストールしても続かないことばかりでした。しかし、『スクフェス』をインストールした私は、以後7年間に渡り、合計5台の端末で「シャンシャン」することになりました。当時のスクショやツイートは残念ながら残っていませんが、少なくとも3月頭にはインストールしていたようです。今では穂乃果推しですが、最初の部員は、記憶にある限り、真姫かにこのどちらかでした。

 ところで、スクフェス』のアプリアイコンの下に書かれている略称は「スクフェス」ではありません。「ラブライブ!」です。2018年の『ぷちぐるラブライブ!』リリースまで、『ラブライブ!』のアプリがこれしかなかったことを反映しているといえばそれまでですが、まさに『ラブライブ!』ブームの牽引役となったことを考えれば、その看板にふさわしいゲームと言えるでしょう。アニメとアプリゲームを軸にしたメディアミックスの、社会現象レベルのメガヒットは前例がなく、後にも2021年の『ウマ娘 プリティーダービー』に至るまでないと言ってもよいと思います。

 

2016: μ'sとAqours

 私が『スクフェス』を始めたとき、スタート画面で流れていた曲はMOMENT RINGでした。これは、私がラブライブ!』にはまりたての頃、既にμ'sは物語に幕を閉じようとしていたことを意味します。まだまだラブライブ! といえばμ'sという時代でしたが、これから私が「ラブライバー」を続けるのであれば、追うのはAqoursであることを必然的に理解していました。

 7月、そのAqoursが『スクフェス』に待望の本格参戦を果たします。『サンシャイン!!』アニメ1期の放送開始とほぼ同時期でした。以降はAqoursモードに固定していることが多かったと思います。旅行中に停車した沼津駅で、この地域で始まったスクールアイドルの物語に想いを馳せながら勧誘 (ガチャ) を回したのも覚えています。

 ゲームシステムの面では、難易度EXPERTが通常楽曲の最高難易度となったのがこの時からです。始めて4ヶ月で、既にある程度EXPERTがクリアできるようになっていた私にはちょうどよいタイミングでした。

 一方で、主立った活動を終えたμ'sにも新展開がありました。12月の『スクールアイドルフェスティバル after school ACTIVITY』(スクフェスAC、またはアケフェス) 稼働です。『スクフェス』のアーケード版で、9個のボタンやスクールアイドルをコレクションする遊び方はそのままに、3Dモデルによるダンス映像や、筐体の操作性を生かした複雑な譜面を備えていました。2018年までの前半2年間は、μ'sのみが登場していました。私は稼働開始初日に秋葉原セガ (現・GIGO) へ遊びに行きました。音ゲー好きの間では、全国の同じゲームを「行脚」することもあるようです。私もそれに倣い、旅先の鹿児島・天文館で1クレジットプレイしました。スクウェア・エニックスメモリーカードNESiCA』を持っていれば、プレイ履歴や部員を持ち歩くことができました。2020年のサービス終了までの後半は『スクフェスAC Next Stage』としてAqoursが参戦しました。2019年11月には西武鉄道とのコラボスタンプラリーが開催されました。このスタンプも全部集めました。現在はアーケード版が稼働していない代わりに、PS4に移植され、『スクフェスAC わいわい! Home Meeting!』として受け継がれています。

スクフェスAC』リリースの横断幕

 

2017: 継続は力なり?

 ある習慣を続けるには、毎日決まった行動を繰り返すとよいと聞きます。私の『スクフェス』歴2年目には、1日1回同じ曲をプレイし続けてみることにしていました。当時、ユニット曲の中で『Love marginal』が好きだったので、これを毎日やっていました。忙しい日も、これだけは欠かさずプレイしており、300日間続けることができました。EXPERTはクリアこそできるものの、なかなかフルコンボはできないくらいの難易度で、上達にも繋がったと思います。

 一方で、ゲームを作る側の観点でいえば、続けてもらうためには絶えず新しいものを用意しなければなりません。「スクフェス発の新機軸プロジェクト」である「PERFECT DREAM PROJECT」が始まったのがこの年です。このプロジェクトが、『虹ヶ咲』としてラブライブ! シリーズの重要な一角を占め、現在も活躍中なのはご存知の通りです。

 当時の私にとっても、『スクフェス』でお馴染みの3人のスクールアイドル、そして個性的な6人の新メンバー (そして当時は影も形もなかった4人の新メンバー) の取り合わせは非常に斬新に映りました。ラブライブ! はこの頃から「シリーズ」として認識されるようになり、新しい作品が始まる度に彼女たちの新しい時代が来ることを予期させてくれました。

 

2018: 試験とスクフェス

 この年の1月1日 (月・祝) には、ある珍事が起こりました。山手線では、以前から『スクフェス』の広告を貼った車両 (山手線の略称をもじって「ヤテライブ!」と呼ばれた) が走ることがありましたが、このときは10編成が運行されており、年末年始の終夜運転で走った車両が1本を除いてすべて『スクフェス』となっていたのです。初詣や初日の出へ向かう人々に幅広くアピールしていました。

 

 1月に沼津に行ったとき、スクフェスの新機能を試しました。位置情報でプレゼントが受け取れる「おでかけプレゼント」で、伊豆・三津シーパラダイスに設定されていました。この機能は、あまり目立ちませんが『スクスタ』にも引き継がれています。

 この年の私は、大学院の入試を受けたため、夏休みの前半は受験勉強に追われていました。そんな勉強の合間に、後述する『スクフェス感謝祭』(スク感) のステージを配信で見ていました。良い息抜きとなり、試験では良い結果を残せました。

 少し時系列は遡りますが、その年の春にの一環としてリツイートスクールアイドルからのポストカードが当たるキャンペーンが開催されていました。私もダメ元でやってみたところ、穂乃果と絵里のポストカードを当てることができました。

 

2019: スクフェス感謝祭

スクフェス感謝祭2019 (2019. 9. 22 ベルサール秋葉原)

 そのスクフェス感謝祭』*1の会場を、この年だけ見に行くことができました。

 『スク感』は、2015年の開催を皮切りに、毎年何らかの形で開催されてきた『スクフェス』のリアルイベントです。初期に登場した『スクフェス』のタッチ筐体が『アケフェス』の原型になったり、9人で飛び跳ねながらプレイする『でかスクフェス』が話題を呼んだりしました。その後、『アケフェス』や『スクスタ』の登場に伴って『スクフェス』シリーズのイベントとなり、キャストのトークイベントや展示が行われました。当初の会場は、のちに『スクスタ』の聖地にもなったサンシャインシティでしたが、やがて秋葉原や沼津などのシリーズの聖地や、大阪で開催されるようにもなりました。このころは自由観覧できる展示があり、転入生SSRのイラストやAqoursメンバーが着たパーカーなどを見ることができました。

 この年の『スク感』でも目玉になっていたのが、『スクールアイドルフェスティバル ALL STARS』(スクスタ) のリリースです。元々、私が『スクフェス』を始めた直後から『スクフェス』の大幅刷新の話は出ていました。『アケフェス』で導入された3Dライブの実装などのアイデアが出ていましたが、これらは新しいアプリとして開発されることが、2017年、Aqours 2ndライブの会場で告知されました。2018年、私が大学で見た先述の『スク感』では、『スクフェス』もサービスを終了せず、「最強で最高のアイドルゲーム」である『スクスタ』と並行して、「一番楽しいリズムゲーム」として継続することが判明しました。

 そして、2年間の開発期間を経て、2019年の『スク感』直後の9月26日 (木) に、『スクスタ』がついにヴェールを脱ぎました。私は福井に出かけていましたが、すぐさまホテルでインストールしてチュートリアルを始めました。推し*2をナビゲーターに設定すると毎日少しずつ経験値を貯められる仕組みにより、今まで以上にスクールアイドルを身近に感じられるようになりました。

 

2020: おうち時間の『スクフェス

 「おうち時間」は、この年の絶対的なトレンドといえます。感染症により一時は仕事や学校などの外出すらままならず、イベントや長距離の旅行は長い間規制されていました。その中で、忙しくてできなかったことや、家でできる楽しいことをたくさん見つけようという、前向きのムーブメントでした。私にとって、『スクフェス』はその一つでした。コロナ禍により『虹ヶ咲』のコンテンツ展開は大いに足枷を嵌められたものの、『スクスタ』リリース後も『スクフェス』を楽しめたのは、皮肉にもこの時間があったからともいえます。シンプルなゲーム性で、簡単に没頭できるのが良いところでした。

 この頃のAqoursの曲までは、『スクフェス』で全曲プレイできるはずです。

 

2021 ~ 2022: 離れてもなお

 就職すると時間が減ってしまい、『スクフェス』は月1回くらいシャンシャンする程度になってしまいました。ログインだけはほとんど毎日、忘れないようにしていました。それでもなお『スクフェス』は、時々戻ってきては変わっていないことを確認する、拠り所のようになっていました。

 ただし、『スクフェス』自体には絶えずてこ入れが行われていたことを忘れてはなりません。2022年頃から、ニジガクやLiella! の楽曲も通常実装されるようになりました。これらのグループのキャストの中には、『スクフェス』を通して『ラブライブ!』が好きになった人も多く、ゲームアプリとして主力でなくなった後も、『スクフェス』は彼女たちの夢を叶えたといえます。また、『ライブ♪アリーナ』などの新機能や、『クレヨンしんちゃん』、『ペルソナ』、『コードギアス』とのコラボなど、この時期にもいくつか仕掛けがありました。

 『スクスタ』からアニメ『虹ヶ咲』を経由した変則ルートではあるものの、「スクールアイドルフェスティバル」を冠するリアルイベントが開催されたのも2021年の5月のことでした。ニジガク3rdライブは、ニジガクとしては通過点となったものの、『スクフェス』シリーズの一つの到達点であり、そのライブタイトルが称するように、新たな夢が始まる場所でもありました。

 

ニジガク3rdライブに関する記事

carat8008.hateblo.jp

 

2023: 『スクフェス』は終わらない

 こうして見ていくと、『スクフェス』は音ゲーであることは間違いないのですが、スクールアイドルをいつでもそばで感じられる存在であることが非常に重要だったと感じます。北は北海道・函館から南は鹿児島まで、全国でシャンシャンしました。同様のゲームは他作品でも続々生まれましたが、常に持ち歩いているスマホのポータブル性が生かされ、ライブや聖地巡礼などのスクールアイドルに「会いに行く」要素とはもう一つのラブライブ! シリーズの軸が生まれたと思います。おでかけプレゼント機能や、全国にプレイデータや印刷したカードを持ち歩ける『アケフェス』、スクールアイドルとの絆を集めていく『スクスタ』と、新機能や関連作品でも、その文脈が生きています。

 ということは、スクフェス2』も、多分に『スクフェス』性を引き継ぐことが期待できます。そればかりか、同ゲームはゲームシステムなども含めて『スクフェス』に生き写しとなっています。10年前のゲームシステムが生かせるとは、『スクフェス』がいかに先進的であったかが伺い知れます。さらに、今まで登場した楽曲や、これから始まる『蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ』の楽曲もプレイ可能ということで、先代を遥かに上回る拡張性を有していることもわかります。

 アプリとしては一旦幕引きとなりますが、『スクフェス』は終わりません。「あなた」の一番近くにある「大好き」は、この春、生まれ変わるのです。

*1:2020年からは『スクフェスシリーズ感謝祭』として開催

*2:主にエマを設定中