普門寺飛優のひゅーまにずむ

好きなものについて不定期に語ります。

スクールアイドル歴史秘話 解説編

この頃の倍以上の歴史が紡がれた
 (『ラブライブ! サンシャイン!!』第1期第10話『シャイ煮はじめました』より
/©2016プロジェクトラブライブ!サンシャイン!!)

 

 皆様、ハッピーエイプリルフール! (?)

 今年のラブライブ! シリーズのエイプリルフール企画も面白いものが盛りだくさんでしたね。『オニフェッショナル 仕事の流儀』は、まさかの30分実写 “モキュメンタリー” で、おふざけでありながらも各社員のキャラクターや、諦めない気持ちが人の心を動かしていく様にLiella! らしさが感じられる、1日限定公開にしておくにはあまりにももったいない熱量を持った作品でした。

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 さて、4月1日 (土) に投稿した記事は、「ラブライブ! シリーズの世界の住人になりきって書いたロールプレイ記事」です。この記事では、それぞれの設定の元ネタ紹介や、種明かしをしていこうと思います。

以前ロールプレイでライブ感想を書いた記事

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1. きっかけ

 昨年の『スクールアイドルミュージカル』によって、スクールアイドルの歴史の空白がひとつ埋まりました。このころから、スクールアイドルの通史が書いてみたいと思っていたのですが、NHKで放送された『タローマンヒストリア』が大変面白く、ならば私もスクールアイドルが本当に存在する体で書いてみようかなと思いました。企画は、2022年中から動かしていました。

 実際、優木せつ菜役の交代、『スクフェス』の新アプリへの交代、『蓮ノ空』の始動と、ラブライブ! シリーズは新しい時代へと切り替わりつつあります。その区切りにこのような記事が書けて私の中では満足感があります。

 余談ですが、『ゲームの歴史』が間違いだらけで話題になったことがありましたね。奇しくもタイムリーな記事になってしまいました……。

 

2. 2つの記念館

 今回の記事の舞台としたのは、浦の星女学院の校舎です。浦の星女学院の校舎が資料館として使われることは、AqoursEXライブ (2021) で判明しています。

 一方、ラブライブ! シリーズには歴としたスクールアイドルの博物館が出てきます。『虹ヶ咲』2期5話の、史実の野球殿堂博物館に相当する場所です。沼津の資料館が何に使われるのかはわかりませんが、郷土と学校の資料館だと思います。ただ、学校の理事長として施設を提供した鞠莉ならば、そこにAqoursの生きた証を残したいだろうと思いました。そこに実際のスクールアイドル担当としてダイヤが入る……という筋書きです。当初、本文の筆者がスクールアイドル記念館でダイヤと出会う、というストーリーも考えていましたが、ドラマチック過ぎるので没です。

ドームシティも聖地

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 ちなみに、ダイヤが沼津市の職員になっているのは『幻日のヨハネ』からの逆輸入です。

 

3. 私とAqours

 現実世界の私がAqoursから推し始めたのは、ある意味では事実です。『ラブライブ!』に興味を持った頃、既にμ'sはFINALライブを控えていました。一応、一昨日にサービスを終了した初代『スクフェス』も、始めたときはまだμ'sしかいないころであり、形式上はμ's世代であるはずなのですが、思い入れの度合いが全く違います。

 

4. 基本の年代設定

 昨日の記事には、すべてのスクールアイドルが同じ世界の住人として登場しています。

 現在を2023年として、μ's、Aqours、ニジガク、Liella! に関しては、それぞれの1stライブが開催された年度を、活躍していた時代としました。TVアニメ中に描かれるカレンダーなどとは矛盾するところも出てきますが、Aqoursがμ'sの5年後に活躍していることや、Liella! の活動がリアルタイム性を重視していることなどを考え合わせると、結成年やTVアニメ1期の放送年では都合が悪くなってしまいます。そこで、統一した基準として1stライブを利用することにしたのです。

 神宮音楽学校の閉校に関しては、適当に恋が花の28歳の時の子と想像して設定しました。この設定を考えたことによって副次的な産物がありました。それは、虹ヶ咲学園の開校年 (=史実の東京ビッグサイト開業年) が1996年で、ちょうどそれと重なったことです。当時の神宮の先生方には、ちょうどよい転職先が見つかりました。

 そして、もう一つの肝心である「スクールアイドルが始まった年」、つまりルリカとアンズが出会った年は、描写からゼロ年代ごろだと思われます。そこで、アイドルの歴史が動いた年として、『スクールアイドルミュージカル』にも出演者が複数いるAKB48の発足年、2005年を採用しました。

 同作が「スクールアイドルの始まり」であることに関しては、同作の感想記事に詳しく書いています。ただし、女子高生が何かを追い求めて歌って踊るということについては、それまでにもあったことだと考え、「スクールアイドル」を名乗ったことがスクールアイドルの始まりである、と解釈しました。

スクールアイドルミュージカル

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5. 2011: μ'sの時代

 史実では、前年末に『Snow halation』が発売され、まだ誰も知らなかった『ラブライブ!』が、少しずつ注目されるようになってきます。

 劇中では、9人で最高の時間を過ごすことを追い求め続けたμ'sがラブライブ! 優勝という偉業を成し遂げ、スクールアイドルの素晴らしさを後世に伝える存在になります。5年も経ってなお、ファンをして「伝説、聖域、聖典、宇宙にも等しい生命の源」とまで言わしめる存在であり、初めてのスクールアイドルであった現実世界とは異なり、μ'sが現代に繋がるスクールアイドル像を確立したということを強調することにしました。ただ、当のダイヤは当該発言から7年経ってだいぶ大人になっているので、もう少し落ち着いた表現にしてみました。

 

6. 2016: Aqoursの時代

 若いスクールアイドルへの期待と、μ'sファンの様々な複雑な思いが交錯する中、『ラブライブ! サンシャイン!!』が始まった、現実の私にとっても懐かしい時代です。史実のAqoursは「現役」なので、それを意識した章にしました。

 現在の活躍を記述した曜・ルビィ・善子は、現在のAqoursを代表する存在として、言うまでもなく『わいわいわい』ことラジオパーソナリティです。また、善子のところにアニメの話を書いたのは、この記事の世界でそのようなアニメがあるわけではありませんが、『幻日のヨハネ』を意識しています。

 

7. 2019: ニジガクの時代

 ラブライブ! シリーズの歴史を1つにまとめるにあたり、最大の問題は「年2回開催だったラブライブ! が、年1回開催になっている」ことでした。ラブライブ! の世界の中で、スクールアイドルが衰退したりしたことはなく、むしろ世界的にスクールアイドルが知られて海外からの留学生も次々にやってくるようになっている中での、大会方式の変更です。ただ、年2回開催の世界線、あるいは年2回の時代では、丁度時期が被る第1回スクールアイドルフェスティバルのようなイベントにスクールアイドルが集まることは難しかったのではないでしょうか。つまり、この決定がスクールアイドルの可能性を広げたことになり、運営側がそれを意図したというふうに考えることにしました。ただ、人の考えることはあまり変わらないので、スクールアイドルフェスティバルに出場した学校が注目され、ラブライブ! に勝ちやすくなるのも、また事実なのかなとも思います。

 ちなみに、年代設定のところの話に戻りますが、史実で東京ガーデンシアターがオープンしたのは2020年で、この年代設定では間に合っていません。とはいえ、最初から最後まで嘘の文章なので、そのあたりには目をつぶっていただきたいと思います。

 

8. 2021: Liella! の時代

 今回の記事の世界にはコロナ禍がありませんラブライブ! シリーズは、コロナ禍そのものを描かずに、オンラインライブや人と人が直接会うことなど、この世の中の混乱の中で生まれた風習や、それが浮かび上がらせた大切なことを色々な形で描いてきました。ただ、1つだけ例外があり、『LoveLive! Days』の『μ’s/Aqours Nowadays』では、その時期その時期を舞台にしたμ’sAqoursの歩みが描かれており、それに従って登校が中止されたり、皆がマスクを着けていたりする様子が描写されています。

 コロナ禍がないということは、東京2020オリンピックは予定通り2020年に開催されたということです。『スクスタ』でも臨海部に五輪が与えた影響が描かれていますが、五輪の存在はスクールアイドルにとっても時代の変化をもたらすものになったと思います。現在石川県知事 (奇しくも『蓮ノ空』の舞台) となった当時の馳浩文部科学大臣は、実は『μ’s FINAL LoveLive!』に参加しており、オリンピックに取り入れたいという発言をしたそうです。記事中で、曜を五輪選手にしたのは、もしかしたらやりすぎだったかもしれません。

五輪の影響が色々あった聖地巡礼

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 葉月花の時代とμ’s以降で最も大きく違うのは、発信力です。その始まりを平成中期に規定したことからもわかるように、インターネットを通じて発信できることがスクールアイドル文化を成り立たせています。配信でのアピール力が上がったことは、Liella! を隔日に優勝に一歩近づけたと思います。

 

9. 2023: これからのラブライブ!

 この項には、今まさに展開速度も作品数もカンブリア爆発的に増えているラブライブ! のこれからを、すべて詰め込んでみました。

 英国の話は、『虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 NEXT SKY』の3年後の後日談にあたります。もちろん、このOVAは未公開なので、まったく異なる答えに着地するかもしれず、それに関しては100%妄想であることを認めざるを得ません。

 また、『蓮ノ空』に関しても、作品の展開前となります。ただ、これはデビューライブが今年であることから、記事の世界でもまだ活躍が始まっていないことになります。クラブ自体に歴史があるので、基本情報を紹介するにとどめました。