普門寺飛優のひゅーまにずむ

好きなものについて不定期に語ります。

一直線の魔法、その正体とは ~にじよん あにめーしょん2 感想週報⑦『しずくとランジュとクレープ』~

過去のおふざけも大切にするのがニジガク流

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 今回からは再びニジガクの日常に戻ります。今回はしずくと嵐珠という意外な組み合わせです。アニメでは、まだ同好会に入る前の嵐珠が侑に突きつけた言葉が、言われていないしずくを傷つけてしまったくらいの絡みでしょうか。意外な組み合わせに見えますが、実はとても相性の良いふたりなのです。

その持ち味は、しずくに刺さる
 (『にじよん あにめーしょん2』第7話『しずくとランジュとクレープ』より/©プロジェクトラブライブ!にじよん あにめーしょん2)

 

 

1. クレープの魔法

 今回の話の前半は、オーディションに落ちたしずくが嵐珠に「クレープの魔法」にかけられるところから始まります。『サンシャイン!!』2期では沼津駅前のディッパーダンにAqoursメンバーが集まり、『スーパースター!!』ではすみれが自己主張に励んで、『蓮ノ空』では金沢にやってきたばかりの花帆が休日に金沢のクレープ巡りをしていたように、いつの時代も女の子の好物として登場するクレープは、なぜこんなにも魅力的な食べ物なのでしょうか。ただ、ここではそれはあまり気にしなくてよいかもしれません。

 嵐珠はメニューに迷うしずくにどちらも食べればいいと豪語し、クレープを買うや否や海浜公園へと連れ出しました。この強引さは嵐珠の持ち味であり最も致命的な欠点でもあります。その描写は『スクスタ』、アニメを問わず一貫しています。普通は、自分の気持ちだけに正直で、人の心も構わずに振り回すような性格では友達はできません。

 そんな嵐珠の行動が、一直線にしずくの心に響きました。

 経験は少ない分、指南書そのままに行動するという、あたかも「恋愛初心者」*1のようなことをしているところがありますが、それも懸命になっている証拠です。しずくに必要だったのは、まさにその「突き進む力」でした。

 

2. 純粋な気持ち

 しずくと嵐珠という組み合わせは、ニジガク古参勢にとっては懐かしいものでしょう。

 あの『スクスタ』20章にて、嵐珠たちによって同好会が分裂したことで混乱に陥る中、しずくだけは嵐珠たちのやり方に興味を示し、スクールアイドル部の門を叩いた上で、自らの目指すものを見つけ、スクールアイドル部がそれではないことを見極めるに至りました。

 演技に生きるしずくは、このエピソードからもわかるように柔軟に相手の視点を取り入れようとするところがあります。しかし、その半面自分の気持ちを見失ったり、正直になれなかったりすることが、しばしばありました。それゆえに、絶対にぶれない人との相性は良く、そういう人に背中を押されて立ち直る傾向にあります。その筆頭がかすみです。誰が否定しても自分が自分を信じようとするかすみの勇気は、『スクスタ』21章でも、アニメ1期8話でも、しずくの力になりました。

 嵐珠は、それ以上に自分に絶対の自信があり、自分の気持ちに従って行動する人です。普段の前向きぶりもそうですし、虹ヶ咲学園を去ろうとしたときなど、未練があるのに後ろ向きにさえ一直線に行動してしまう人でした。そんな姿を見ていれば、しずくだって素にならざるを得ないわけです。

*1:嵐珠と栞子ならその初心者が2人になってしまい、腐れ縁なのに「付き合いたて」のようになってしまうのが良さ