普門寺飛優のひゅーまにずむ

好きなものについて不定期に語ります。

動物式テレテレパシー ~にじよん あにめーしょん2 感想週報⑨『璃奈とエマとコミュニケーション』~

密着
 (『にじよん あにめーしょん2』第9話『璃奈とエマとコミュニケーション』より/©プロジェクトラブライブ!にじよん あにめーしょん2)

 

 ヤバイ回でした。

 これは地上波で流して良いのでしょうか? 『にじよん』は怖いもの知らずなのでしょうか……。

 

ぐう有能

carat8008.hateblo.jp

 

 

1. 私スタイルコミュニケーション

 猫のはんぺんは、第3話『同好会とはんぺん』以来の登場です。動画サムネイルではエマに膝枕されており、この回の続きであることがわかります。

 はんぺんのボディランゲージを見たエマと璃奈が、なんと自分たち自身でボディランゲージを始めてしまいます。見つめあったり、頬をこすりつけたり、鼻を寄せ合ったりと、いずれもラブライブ! シリーズの公式で見たことがないレベルのスキンシップでした (「ゆうぽむ押し倒し」はやや方向性が異なります。それにしても、なぜこれほどまでにニジガクは「濃い」のでしょうか……)。

 スクールアイドルは、自己表現の求道者です。他にはない自分自身のことを伝えるために、相応しい方法を選び、追究し、時には編み出します。「言葉では伝えられないから歌で伝える」というのはよく見かけるパターンですが、その歌や踊りの中でも、挑戦を続けています。璃奈ちゃんボードはまさにその代表的な例で、苦手な表情表現を補う道具として考案されました。その後、アニメでも『スクスタ』でも、璃奈ちゃんボードがあるおかげで璃奈が少しずつ自分自身で表情表現ができるようになっていく様子が描かれています。表現することで、自分でも気が付かなかった気持ちに気づくことだってあります。そして、表現することは繋がることなのです。

 

2. あざとかわいい大爆発

 コミュニケーションはどんな形でもいい。猫やヤギと同じスタイルで気持ちを伝えてもいい。それは本当です。しかし、ちょっとした落とし穴もあります。

 ヤギの頭突きによる意思疎通を試していた璃奈とエマですが、そうとは知らない侑が見かけると、喧嘩していると思い込んでしまいました。こんな可愛い喧嘩があるでしょうか? というのはさておき、この時の侑の驚いた表情はちょうどこの回を見ていた私の表情だったので (?) 笑ってしまいました。

 部室に戻った2人は、他のメンバーにもボディランゲージを試みますが、そのせいで愛も果林もたじたじに (よく考えるとこの2人、DiverDivaメンバー2人の「相方」同士ですね)。猫やヤギのコミュニケーションには問題があって、そうだとわかっている相手にしか伝わりません。加えて、相当親密でないときちんと気持ちを伝えることは困難でしょう。恋人や家族同士のコミュニケーションでないとスキンシップが難しいのは、パーソナルスペースの問題もありますが、そもそも伝わらないという理由もあるでしょう。

 特に、璃奈がもし全員に「すりすり」していたら、大惨事になっていたと思います。1期の同じ9話『妹王決定戦』でも数々のメンバーを落としていた「かわいいの天才」が、やけに密着してくるということは、もう誘っていると思われても仕方ありません*1

 ともかく、言葉は誰にでも同じように聞こえるけれど、肝心なことは伝えられないかもしれません。反対に、今回のようなボディランゲージは、親密な相手にはより気持ちが伝わるものの、思わぬ誤解を招くことがあるかもしれません。伝えるとは、かくも難しいものです。璃奈は、それに悩み、探究し、成長してきました。「動物園」になってしまった部室からは、そんなことが学べます。

*1:そろそろハラスメントですよ