普門寺飛優のひゅーまにずむ

好きなものについて不定期に語ります。

背中を押すもの ~にじよん あにめーしょん2 感想週報⑩『ミアと侑とスクールコンサート』~

今回にも前回の要素が?

carat8008.hateblo.jp

そのトキメキ、次は誰に届くだろうか
 (『にじよん あにめーしょん2』第10話『ミアと侑とスクールコンサート』より/©プロジェクトラブライブ!にじよん あにめーしょん2)

 『アニガサキ』2期では、シリーズ唯一のスクールアイドルではない主人公である侑が「スクールアイドル」になるまでが描かれました。今回は、そんなスクールアイドルとしての侑のお話です。

 

1. スクールアイドル・高咲侑

 ニジガクのスクールアイドルはソロスクールアイドルです。1人であることで自分自身の世界観をより深められたり、グループではできないことも様々にできたりと、それがニジガクの強みになってきました。とはいえ、たった1人でステージに立つことの大変さも、ずっと強調され続けてきたものです。アニメ2期ではその限界も見え始め、ソロも大切にしながらソロではない形を模索する展開も描かれました。それはキャストたちも同じことで、東京ドームや大阪ドーム (京セラドーム大阪) のような大きな会場や、フェスイベントでは他のアーティストのファンたちを前に、たった1人でパフォーマンスをする姿は、ファンたちのみならずラブライブ! シリーズの他のキャストからも尊敬を集めてきました。どんな思いでソロライブをするのか、9人でも大変なステージをどのように作り上げるのかは、ニジガクが様々な形でずっと向き合ってきたテーマです。

 10話では、侑もついにそれと向き合うときが来ました。確かに、音楽科の成果発表のコンサートという場は、ライブとイコールではないかもしれません。しかし、経験の少なさもあり、侑は緊張で震えてしまいます。完璧なパフォーマンスを見せたミアだってこのステージを軽視はしていないはずですが、慣れの範疇でなんとかなるものでした。今回はピアノのソロでしたが、そんなミアも、歌うことに関してはトラウマを克服してようやく1人で立てるようになったのです。

 これまで、侑はみんなを応援することで、1人でステージに立つというメンバーたちの背中を押してきました。侑もみんなの影響を受け、未経験で音楽の世界に飛び込むという挑戦をしました。そんな無謀な挑戦をそばで見守り、支えたのが、世界的作曲家でもあるミアでした。今度は、ミアに背中を押されて、侑がステージに立ちます。音楽の世界に飛び込んだ侑のように、また別の誰かの挑戦の背中を押すことを夢見て。

 自分の気持ちを自分の形で、自分の力で伝えるのがスクールアイドルです。様々な考え方がありますが、『虹ヶ咲』に関して言えば、皆その定義に当てはまっています。アニメ2期13話をはじめ、ずっと言われてきた「侑もスクールアイドル」という言葉が、本当の意味で結実した回でした。

 

2. にじよん10話とライブ

 10話では、侑が普段と逆にニジガクメンバーたちに見守られながら『虹色Passions!』を披露しました。実は、『にじよん あにめーしょん』1期10話も、EDテーマの代わりに楽曲の披露で終わっていました。そう、『かすみとせつ菜とドッキリ』のラストは、せつ菜のソロライブでした。この時の『CHASE!』は、アニメ内における楠木ともりさんのせつ菜のラスト歌唱でもありました。

 侑がスクールアイドルにときめくきっかけとなった、そしてせつ菜がスクールアイドルを辞めずに済むきっかけともなった、アニメ1期1話の鮮烈な出会いを思い出せば、そこが対になっていることも納得がいきます。せつ菜は今回台詞がありませんが、思いを馳せずにはいられませんでした。

 ところで、ミアが侑に額同士を近づけて勇気づけていたのは、もしかしたら前回の内容を踏まえたものだったのでしょうか。動物式のコミュニケーションが結局同好会内に広まっていたら、なんだか微笑ましいですね。

 『にじよん』1期10~12話は、心が温まる感動回が続きました。2期もそうなのかな? と思っていると、11話の予告は『同好会とビクトリーロード その3』とのこと。どうやらまだまだ「爆発」は止まらないようです。