普門寺飛優のひゅーまにずむ

好きなものについて不定期に語ります。

早春の熱闘を振り返る ユニット甲子園2024 DAY1感想【書きかけ】

【お詫び】

 本記事は、公演から相当時間が経過してしまったこともあり、「書きかけ」を公開しています。

 時間があるときに完成に向けて努力します。完成したらX、Misskey、Blueskyで報告しますので、またお読みいただければと思います。

 

Kアリーナ横浜に贈られた花。
『サンシャイン!!』『スーパースター!!』両方のフラワースタンドがある



 

セットリスト一覧

入場行進・開会式

(1表1) ド! ド! ド!

(1表2) アイデンティティ

(1裏1) Dream Land! Dream World!

(1裏2) Blue!

(2表1) ファボタージュ

(2表2) わーいわいわい わいわいわい!

(2裏1) Believe again

(2裏2) SELF CONTROL!!

(3表1) We’ll get the next dream!!!

(3表2) メイズセカイ

(3裏1) AWOKE

(3裏2) Take it Over

MC

(4表1) 水彩世界

(4表2) Mix shake!!

(4裏1) Strawberry Trapper

(4裏2) New Romantic Sailors

(5表1) ベロア

(5表2) 不可視なブルー

(5裏1) 影遊び

(5裏2) オルタネイト

(6表1) MONSTER GIRLS

(6表2) Vroom Vroom

(6裏1) HOT PASSION!!

(6裏2) Till Sunrise

MC

(7表) ラジオ体操第一 (虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 ver.)

(7裏1) ディストーション

(7裏2) ニュートラ

(7裏3) Jellyfish

(8表1) PASTEL

(8表2) Beautiful Moonlight

(8裏1) 夜空はなんでも知ってるの?

(8裏2) 元気全開DAY! DAY! DAY!

(9表1) A Little Love

(9表2) Dancing Raspberry

(9裏1) SUPER NOVA

(9裏2) Shadow Effect

延長戦

(10表) 待ってて愛のうた (果南×エマ×千砂都・恋)

(10裏) キラーキューン☆ (曜×歩夢・せつ菜×メイ・冬毬)

(11表) 明日の空の僕たちへ (ダイヤ・鞠莉×しずく・栞子×マルガレーテ×梢)

(11裏) 全速ドリーマー (ルビィ×ミア×可可・夏美×瑠璃乃)

MC

LIVE with a smile!!

 

1. 楽しいの1回
 みらくらぱーく! vs A・ZU・NA

 大方の予想通り、『ド! ド! ド!』で熱い戦いが幕を開けました。ステージ上の息ぴったりの2人と、Kアリーナ全体を揺るがす地響きのようなコール。『ド! ド! ド!』は、大きな会場ほどそのパワーを増します。会場のボルテージは最初から1,000%になりました。2万人の観客だけでなく、その歌声は蓮ノ空の『Fes×LIVE』と同様に配信に乗って世界中に響いたことでしょう。

 「世界中を夢中に」をスローガンとするみらくらぱーく! を迎え撃ったのは、テーマパークユニットであるA・ZU・NAでした。新生A・ZU・NAのパフォーマンスを見るのは、早いもので私にとって3度目になります。『ド! ド! ド!』ほどではないにせよ、直前のみらくらぱーく! の『アイデンティティ』(Just do it!)、そしてA・ZU・NAの『Dream Land! Dream World!』(Don't worry!)*1 と、声を出すのが楽しい曲が続きました。どんなライブが来るのかとどきどきしている観客たちに声を出させ、会場を暖めるという大役を、2つのユニットは見事に果たしました。

 ところで、『アイデンティティ』と『Blue!』にはある共通点があります。『アイデンティティ』はみらくらぱーく! の伝統曲であり、卒業していったメンバーが後のスクールアイドルに残した曲です。一方で、『Blue!』はせつ菜のキャスト交代前最後のA・ZU・NAのシングル表題曲であり、楠木ともりさんが出演した最後のライブ『A・ZU・NA LAGOON』のトップを飾った曲でした。今回、林鼓子さんの加わったメンバーでは初めての披露となりました。劇中世界と現実世界の違いはありますが、この自分を肯定する応援歌と、無限に広がる世界を期待させる歌は、先輩から受け継いだ歌であり、かけがえのない歌同士の対決となりました。

 

2. 振れ幅の2回
 わいわいわい vs Saint Snow

 2回は、『サンシャイン!!』の同作対決でした。

 先にパフォーマンスしたのは『Aqours浦の星女学院RADIO!!』発の新興ユニット・わいわいわいです。1回の流れを汲む、楽しいユニットであることは間違いないのですが、持ち歌が2曲ある中で先に披露したのは意外にも『ファボタージュ』でした。このユニットはAqoursのライブなどには出ておらず、2023年の公録イベントと外部のフェスでしかお披露目していないのですが、ネットで話題になることも多い『わーいわいわい わいわいわい!』ではなくこちらを先に出すことで、実は隠し持っているスタイリッシュさを前面に押し出す結果になりました。その上で『わーいわいわい わいわいわい!』を、初公開のMV付きで披露したことで、わいわいわいの見せ方はより一層キャッチーなものになったと思います。

 対するSaint Snowは、そんな意外性とは対極を行くSaint Snowのイメージ真ん中ズバリのパフォーマンスをしてきたわけですが、私はこのユニットを初めて見たと錯覚してしまいました。Aqoursの3rd~5thライブに一度ずつ行った私は、鹿角姉妹を演じる田野アサミさんと佐藤日向さんの演技を見るのは4回目、ユニット「Saint Snow」としては3回目となります。しかし、4年以上ぶりに見るSaint Snowに、初めて見た時と全く同じ衝撃を受けてしまったのです。田野さんの美しい歌声、佐藤さんの野太い叫び、すべてが調和し、爆発していました。もはやそれは「懐かしのSaint Snow」ではなく、現役顔負け (もっとも、一度も現役を引退したことはありませんが) の急成長を見せる、ラブライブ! シリーズのトップランナーの一角と言うほかはありませんでした。

 Aqoursや後発のスクールアイドルたちの活躍は、コロナ前よりライブイベントが増えた今日この頃、コンスタントに生で観て、成長を知る機会があります。ところが、Saint Snowは直近でも3年以上、私にとっては5年近く見ていなかったユニットであり、これほどの様変わりを見せるとは思っていなかった故の衝撃でした。田野さんはこの間に結婚・出産を経験し、レッスンにもブランクが空いたはずですがそれを全く感じさせませんでした。ちょうど、私の隣にいた女性客が出産を経験し、ラブライバー歴にブランクが空いていたそうで、その点でも田野さんの凄さという感想を分かち合いました。

 「思わぬ方向」へ高い実力を活かした新興ユニットと、自らの持ち味をさらに上の次元に進化させたライバルユニット、いずれも『ラブライブ! サンシャイン!!』であり、その裾野の広さを実感します。

 

3. 戦いの3回
 AZALEA vs DOLLCHESTRA

 甲子園は熱戦の舞台です。年間を通して開かれるプロ野球のみならず、1年に2回、全国のトップクラスに位置する高校野球チームがしのぎを削ります。しかし、スポーツにおける戦いとは相手チームとの勝負のことだけではありません。逆境に打ち勝つこと。あるいは、己に打ち克つこと。高校球児も含まれるアスリートは、日夜終わりのない戦いをしています。そんな高校球児のような気高き闘志をぶつけ合ったのが、AZALEAとDOLLCHESTRAでした。

 まずはAZALEAですが、今回もダイヤ役小宮有紗さんと果南役諏訪ななかさんだけの出演になってしまいました。3人が揃って有観客出演したのは4年前の『ラブライブ! フェス』が最後で、AZALEAの歴史の半分ほどを今の状況が占めています。花丸役高槻かなこさんの適応障害の原因が公式に明かされているわけではありませんが、それが物語るのは、間違いなくAZALEAが受けてきた仕打ちの苛烈さであり、立ち向かってきた時代背景です。正直、それが高槻さんではなく小宮さんだったとしても、あるいは諏訪さんだったとしても、私には不思議に思えません。『We'll get the next dream!!!』『メイズセカイ』ともに、高槻さんが最後にAZALEAとしてステージに立ったときよりも後の曲となります。本来はそのリベンジとしてのセットリストということだったのでしょうけれど、この曲を2人で歌っていくことは、高槻さんのために2人でAZALEAを背負うという意味合いになります。それまでの当たり前にライブができる世界がコロナ禍によって崩壊し、ただただ不運にもAZALEAだけがライブ中止を繰り返し余儀なくされたことで、図らずも時代が追い付いてしまった曲が『メイズセカイ』、そんな境遇で戦うAZALEAの背中を押すために作詞家・畑亜貴さんが贈った歌が『We'll get the next dream!!!』です。

 

4. 火力の4回
 スリーズブーケ vs Guilty Kiss

【この項は書きかけです】

 対戦カードを見るだけでその強さがわかるのが4回です。蓮ノ空のユニットは基本的に三者互角だと思っていますが、『異次元フェス』で特に爪痕を残した楽曲『Holiday∞Holiday』をはじめ、歌詞も味わい深く

 

5. 痛みの5回
 KALEIDOSCORE vs CatChu!

 『スーパースター!!』の同作対決で、DAY1唯一の同一グループ内対決でした。他タイトルの個性豊かなユニットに比べると、Liella! のユニットはお洒落な雰囲気で統一感はあるものの、ライブを重ねるごとにそれぞれの個性を強めていくという、これまたLiella! らしい成長の仕方をしています。

 凄まじい盛り上がりだった4回から一転し、悲恋歌『ベロア』からKALEIDOSCOREのパフォーマンスが始まります。大人っぽい雰囲気を纏った3人が、切ない想いを情感豊かに歌い上げました。会場の雰囲気を一転させたことで、より観客たちに聴き入らせることに成功したように思います。続く『不可視なブルー』は哀しみと折り合って癒やすような歌詞で、ひとつながりの物語であると考えられます。

 対するCatChu! はロックユニットです。初めて現地で聴いた『影遊び』、5thライブでも見た『オルタネイト』、ともに熱くて若くて泥臭く、心の叫びをそのまま歌にしたような歌い方が忘れられないライブでした。私がラブライブ! に求めている重要な要素であるスポ根をそのまま歌で表現するのは、実は珍しいと思います。アイドルは泥臭く努力していても表では涼しい顔をしているものだ、なんて言われるのでしょうが、現代のスクールアイドルにおいてはこういった表出も青春らしくて良いと思います。泥と言えば、すみれ役のペイトン尚未さんは床に這いつくばり、甲子園の砂を集めるパフォーマンスを行っていました。これは、甲子園こと全国高校野球選手権に出場したチームが負けたときにやるものです。

 実は、KALEIDOSCOREもCatChu! も「負けて」おり、痛みを味わっているのです。勝ち負けを決めるわけではない『ユニット甲子園』ですが、5回の組み合わせではそのようになってしまいます。よくよく紐解いてみると、KALEIDOSCOREの場合は喪失の悲しみであり、CatChu! の場合は足りない悔しさであるとまとめられます。もし自分が深く傷つくことがあったら、どちらの歌により力をもらえるかによって、自分の中での5回の勝敗が決まるかもしれません。 (?)

 

6. 派手さの6回
 R3BIRTH vs Sunny Passion

 心に沁みるような5回から、再びR3BIRTHが会場の雰囲気を一変させました。R3BIRTHが「かました」のは、とにかく派手なパフォーマンスでした。ニジガクの各ユニットは、『ユニット甲子園』でもライブを通してキャラクター性を表現していましたが、R3BIRTHはキャラクターも情報量が多く、属性盛り盛りで、その結果ライブもハイカロリーなものになりがちです。今回も2曲だけなのにそれが発揮されていました。多言語で綴られる歌詞も、音圧も、飛び交うレーザービームも、全てが派手派手でした。

 パフォーマンスや演出が派手なR3BIRTHに対して、Sunny Passionは見た目が度肝を抜くくらい派手です。『スーパースター!!』視聴当時は、当時の最強スクールアイドルとして、自然に受け入れて閉まっていましたが、背中に巨大な羽根を背負う衣装は明らかに異質です。これほどたくさんのユニットが集まる環境において、それが初めて分かりました。想像ですが、あの羽根はかなり重いのではないでしょうか? これを背負っても踊れるほどの体力と練習量はおそらく凄まじいもので、劇中においてSunny Passionを優勝に導いたものだと思います。子どもにも親しみやすいキャッチーなビジュアルと、「パァ!」という覚えやすすぎる決め台詞をもつSunny Passionは、曲こそそれほど尖ったものではありませんが、R3BIRTHと負けず劣らず派手なスクールアイドルといえると思います。

 なお、Sunny Passionの存在は、今回が「特別なお祭り」であることを決定付けています。Sunny Passionの悠奈と摩央は、KALEIDOSCOREのマルガレーテや5yncri5e! の冬毬とは3学年違いです。

 

7. 新曲の7回
 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会×CatChu!・KALEIDOSCORE・5yncri5e!

 7回は、事前の抽選会でその内容すら明かされていなかった「シークレット」枠でした。樋田さんの場内アナウンスで、誰のパフォーマンスか知ることになる、と思っていたのですが……。

 6回終了後、実況席のMCに移ったものの、何故か矢野さんが姿を消していました。この時点で察した人は察したのですが、消えた矢野さんは「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」を告げるアナウンスを受け、ステージ上に出現しました。披露された曲は、まさかまさかの『ラジオ体操第一』。ここまで声が枯れるほど盛り上がってきた観客たちの身体をほぐす心意気……もあったのでしょうが、この披露にはそれ以上の意味があります。

 『わちゅごなどぅー』や後に発売された『虹ヶ咲学園校歌』のような侑が参加する全体曲とは異なり、『ラジオ体操第一』は侑のみに歌唱、ならぬ掛け声があります。言い換えれば、この曲はシリーズで唯一「ユニットに参加していないメンバー*2のみで構成される楽曲」なのです。もちろん、他の12人のメンバー (実際には鬼頭さん・相良さん不在の10人) もステージ上で体操していますが、完全にユニットという枠組みの外からの選曲といえるでしょう。もっとも、オリジナル曲でなかったことに対する意見は様々にありますが、「腕を大きく回す運動」では何故か本来の動きと異なり、頭上でペンライトを回す人が多発するなど、会場の人たちはこのラジオ体操も楽しんでいたのが事実です。『ラジオ体操第一』は今回のライブのシリアル封入シングルであり、今回が初披露でした。

 そんな初披露曲を、結ヶ丘女子代表が初披露どころか「未発表」の楽曲で迎え撃ちます。事前にユニットシングルの発売が発表されていた、CatChu!『ディストーション』、KALEIDOSCORE『ニュートラル』、5yncri5e!『Jellyfish』のメドレー形式でした。これまでの合同ライブなら、普段の活動の成果を持ち寄るという性格から、合同ならではの楽曲だった『LIVE with a smile!』や『異次元☆♡BIGBANG』を除けば、各グループの未発表曲*3を披露するということはありませんでした。そういう意味では、これも皆が想定していたセトリの枠組みの外からの選曲といえるでしょう。新曲はいずれも既存2曲とは大きくテイストを変えつつも、CatChu! なら可愛さの中にロック魂を、KALEIDOSCOREならピュアなテイストの中に大人っぽさを、5yncri5e! は盤石のダンス力を覗かせ、それぞれのユニットの良さが活かされたものでした。

 サプライズを十分サプライズたらしめる、意表を衝いた対決でした。

 ところで、このシークレット枠はDAY2でも衝撃的な選曲が行われていました。7回表はまさかのSaint Aqours Snowが登場し、『Awaken the power』を披露しました。Saint Aqours Snow自体2019年6月のAqours5thライブ以来、そして『Awaken the power』はさらにその前、2018年11月の4thイブで披露されて以来、5年を上回る期間ライブで聴くことができなかった曲です。それほどのものを出されては蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブも困ってしまいそうですが、こちらは103期フルメンバーが揃う前の人気曲『DEEPNESS』で対抗しました。いずれも大会としてのラブライブ! からの物語の延長線上にあり、大会での涙を新しい力で未来に繋げていくという共通点があります。DAY1が「外側」を意識しているとすれば、DAY2は物語の「内側」におけるユニットの力を表していると言えるでしょう。

 

8. 等身大の8回
 QU4RTZ vs CYaRon!

 思わぬ取り合わせが行われたのが8回でした。ハーモニーを重視するQU4RTZと元気いっぱいのCYaRon! では、どう考えても連動はしないと思っていました。

 今回ライブに出演したQU4RTZキャストはエマ役の指出毬亜さんと璃奈役の田中ちえ美さんのみでした。流石にリーダーはいるとしても、2人ではQU4RTZの強みである歌声の重厚さを発揮できません。実際、音源も使いながらのライブとなることはやむを得ませんでした。それもあってか、DAY1では割り切って、むしろ歌詞を聴かせる曲を選んでいたように思います。ニジガクの他の3ユニットは、両日同じ曲を用意していました。しかし、QU4RTZだけはこの人数の制約のためか、DAY1で『Sing & Smile!!』を封印し、DAY2でかすみ役の相良茉優さん*4が合流して初めて得意のハーモニーを響かせました。

 さて、『Beautiful Moonlight』にCYaRon!が繋いだのは、『夜空はなんでも知ってるの?』でした。なんと、対照的というか、むしろ繋がりが無さそうな2ユニットに、似たようなシチュエーションの曲があったのです。同じ夜空を見上げながら、片や人を恋しく思い、片や友達に素直に謝れなかった自分を悔いています。夜とは、ほぼ未成年の高校生にとって、孤独な時間であり、切ない気持ちを増幅する時間帯です。

 こちらのリーダーは千歌役の伊波杏樹さんです。伊波さんと言えば気迫に溢れたMCや、今や「幻の大技」となっている『MIRACLE WAVE』のバック転が語り草ですが、ここでは舞台経験に裏打ちされた表現力が、切なさを高めています。ラストの「後悔してるの」だけでも鳥肌が立ちました。素の歌唱力が高い指出さんとは、甲乙付けがたいぶつかり合いです。

 考えてみれば、AZALEAやGuilty Kissが恋や愛を歌う中で、CYaRon! にはラブソングがほとんどありません*5。始めは「孤独なほうが届きそう」などと強がっていたSaint Snowとは違い、CYaRon! は寂しさも後悔も最初から歌っています。CYaRon! は、等身大の高校生としての感情を歌うユニットなのです。実はこの点においてQU4RTZと近いところがあります。2023年のユニットライブでは幕間アニメが上映されましたが、このアニメではR3BIRTHが異世界の王国に、A・ZU・NAがテーマパークに、DiverDivaが宇宙にと、それぞれファンタジー世界が舞台になっていました。その中で唯一現実世界を舞台にし、夢と現実を行き来していたのがQU4RTZの幕間アニメでした。高い実力を無理に背伸びに使わずに、「いま」を生き生きと表現することに使うのが、2ユニットの共通点です。

 

9. 限界に挑む9回
 5yncri5e! vs DiverDiva

 残る9回は5yncri5e! とDiverDiva。両者ともかっこいい系でありながら、それほど共通するところが見えないユニットだと思っていました。

 5yncri5e! のパフォーマンスを見るのは、実は4回目になります。CatChu! とKALEIDOSCOREは2回目だったのですが、4thライブで参加したのが <5yncri5e! EDITION> だったのと、『異次元フェス』もDAY2の出演が5yncri5e! のみだったので、幸運にも一番好きなユニットを見る機会に恵まれてきました。9月→12月→2月→3月と、かなり短いスパンで同じ『Dancing Raspberry』を見ているのですが、最初から高かった完成度がさらに上がっていくのを感じます。4thライブ以来の『A Little Love』(表記?)は、ユニット名通りのシンクロはそのままに、各メンバーのソロでのアピールも光る曲です。きな子役の鈴原希実さんはあざと可愛い系の演技をしていましたが、言うまでもなくこれは鈴原さんの得意技です。今回は、それをきな子として活かすことに成功していたように思います。そう思うと、5thライブの「例のアピール」も無駄ではなかったと思うのですが……。

 奔放でセクシー、会場を飛び交うレーザービームといった演出など、表面上は5yncri5e! とDiverDivaに重なるところがありそうですが、実際のところはどうでしょうか。連続してパフォーマンスを見てみると、両者の魅力はむしろ対極にあるように思えます。DiverDivaの場合、パフォーマンスを通して表現されているのは関係性です。ライバルチーム以外では数少ない (2024年度に入り蓮ノ空のユニットが各3人となったため、現在は唯一) 2人ユニットであり、ライバル同士がステージ上でぶつかり合うユニット、と説明されますが、リアルライブでは村上奈津実さんと久保田未夢さんの関係性に基づく、擬似恋愛的な要素も色濃く反映されたパフォーマンスになっていると思います。6thライブでの『恋するMagic!!』はほとんど不意打ちでしたが、最高でした。今回はこの曲の披露はなく、定番寄りのセトリでしたが、その片鱗は味わえた気がします。

 シリーズ内最多の5人ユニットと、最少の2人ユニットの対決では、両者ともその中でソロの魅力を発揮し合う部分と、息を合わせる部分があり、これだけ違う世界観を表現していても「ユニット」なのだと感じられました。Printemps、BiBi、lily whiteの3人ずつから始まったユニット活動でしたが、もはや「3人」ということには囚われなくてもよくなっています。この2ユニットは、Liella! ははじめが5人だったこと、ニジガクはソロが基本であることを考えると、それぞれの背景を踏まえてユニットでできることの限界に挑み、可能性を拡げようとしていると思います。

 

10. 究極の延長10回・11回
 スペシャルファンシーユニット×スペシャルピュアユニット
 スペシャルエレガントユニット×スペシャルプリティーパワフルユニット

 9回のパフォーマンスまで終わった後、あちこちからアンコールを求める声が上がりました。『異次元フェス』を含め、合同ライブでアンコールがあった前例はありません。にもかかわらず、終わったそばから声が上がるということは、皆打算や推測でアンコールを叫んでいるわけではないということです。私も一緒になって声をあげたくなったのですが、どうも様子がおかしいことに気づきました。

「アンコール!」に混じって、「延長戦!」という言葉も聞こえたのです。

正直、ライブが「甲子園」ならアンコールは「延長戦」だろうと冗談半分に思っていたのですが、それが実現するのなら願ってもみないことです。私も「延長戦!」と叫ぶことにしました。それにしても、『スーパースター!!』1・2期各第4話の時は、応援しながらもみんな内心「早く終わってほしい」と思っていた「甲子園の延長戦」*6を、他でもないラブライブ! のファンが切望する日が来るとは。面白いイベントが企画されたものです。

 実況席のMCを受け、最初にコールされたのは「スペシャルファンシーユニット」。ここで観客の脳裏によぎったのは、間違いなく3ヶ月前の記憶でしょう。ラブライブ! シリーズにとっても革命だった『異次元フェス アイドルマスター☆♡ラブライブ! 歌合戦』では、複数作品から数人が選ばれてシャッフルユニットを結成し、その誰かの持ち歌や、時にはそれらのメンバーとは関係のない別タイトル・別ブランドの楽曲を歌う、ということが多々ありました。『ユニット甲子園』でも、同じようなことが見られるということです。

 『待ってて愛のうた』を歌ったのは、諏訪ななかさん、指出毬亜さん、岬なこさんと青山なぎささんでした。岬さんと青山さんといえば、3月までの『What a Wonderful Radio!!』パーソナリティでもあり、おなじみの「なこなぎ」コンビです。歌声の優しさが似合う4人でした。

 続く『キラーキューン☆』を牽引するように登場したのが、Aqoursの「ギャル」担当、斉藤朱夏さんでした。オリジナルであるLiella! メンバーを差し置いて、この曲を自分のものにしていた感じがあります (後に、自らラジオでネタにしていました)。

 次のユニットは蓮ノ空103期フルメンバーと同数の堂々6人で登場し、『明日の空の僕たちへ』を歌い上げました。小宮有紗さんと前田佳織里さんは『異次元フェス』の『Dye the sky.』と同じ組み合わせ、また小宮さんと鈴木愛奈さんは『WATER BLUE NEW WORLD』の衣装を身に纏っており、『異次元フェス』の『究極の歌合戦』に匹敵する豪華なステージであることを実感しました。花宮初奈さんは同『MY舞☆TONIGHT』のカバー、およびオフショットでの小宮さんとの邂逅にどぎまぎしていましたが、ついに同じ曲での共演が叶ってしまいました。

 最後にコールされたのは「スペシャルプリティーパワフルユニット」。プリティーでパワフル。一組で2つの属性を持つユニット? と思って、スクリーンを見ていると、表示されたメンバーはルビィ・ミア・可可・夏美・瑠璃乃と、比較的身長が小さめ*7の可愛いメンバーが揃っているイメージです。しかし、かかった曲で完全に納得しました。

 あの『全速ドリーマー』です。それも、ニジガク代表がミアなので、もはや当然ですがR3BIRTH ver. です。このダンスというかトレーニングメニューをやりきったら、それだけでパワフルと形容するほかありません。最後に思わぬものが飛んできましたが、観客の中にも一緒に身体を動かしている人がたくさんいました。よく見ると、5人の中で (キャストはさておき) 各グループ内でも体力自慢のメンバーは瑠璃乃だけです。どちらかというと根気や意地で乗り切ってきたようなメンバーが多いくらいです。その瑠璃乃も、自分より運動神経の素質が高くない先輩たちに気を遣って「充電」が消耗してしまう姿が容易に目に浮かびます。最後まで踊りきった可可は「パタリ」と倒れてしまい、会場の笑いを誘っていました。

 最後が思わぬネタ曲だったとはいえ、大ボリュームの11回・40曲が終わりました。大熱戦を締めたのは、全員合唱の『LIVE with a smile!!』でした。これが嬉しかったのは、オリジナル、つまり『CDLL』のときにいなかったメンバーが歌っていたことです。Liella! の2期生以降、Saint Snow、Sunny Passion、それに蓮ノ空メンバー全員と、今回参加したスクールアイドルのうちかなりの割合が該当します。

 

11. 勝負形式の意味

【この項は未執筆です】

 

「甲子園の土」と称するスイーツ

 

*1:ともーりー! ではない

*2:ラブライブ! The School Idol Movie』の『As Time Goes By』は「メンバー」という条件に合致しない

*3:『CDLL』において『Queendom』『I'm still…』は初披露だったが、流石に発売後だった

*4:彼方役・鬼頭明里さんは『鬼滅の刃』イベントのため両日不参加。流石にこれには「相手が悪い」と納得したラブライバーも多そう

*5:『コドク・テレポート』はラブソングか? 解釈が割れそう

*6:1期は実に3時間以上、2期は1時間以上放送が遅延した

*7:キャストはさておき