普門寺飛優のひゅーまにずむ

好きなものについて不定期に語ります。

密かに一番見たかったもの ~ラブライブ! スーパースター!! 第3期感想週報③『白色のセンター』~

スポットライトの浴び方も、実は一つではないのかも
 (『ラブライブ! スーパースター!!』第3期第3話『白色のセンター』より/©2024プロジェクトラブライブ!スーパースター!!)

 

 3期、早くも3話にして、一番見たかったものが見られてしまいました。2期では加入以外に「当番回」が無かった四季の個人回です。それも、私が考えていたことに対する最高のアンサーをいただいてしまいました。

 

前回のライブを受けて、次はLiella! の番

carat8008.hateblo.jp

 

 

 

1. 四季推しのジレンマ

 私がLiella! メンバーの中でかのんに次いで好きなのが若菜四季です。2期では、4話で親友のメイと同時加入をしてから、突飛な発明品を出したり、千砂都に振付づくりを教えてもらったりしていました。しかし、加入以外に明確な活躍回がなかったのが事実です。夏美はセンター曲がありましたし、きな子はかのんの作詞にインスピレーションを与え、メイはまたしても自分の弱さを抱え込んでしまった恋に寄り添っていました。四季にはそういった大きな見せ場がありませんでした。それを不遇と言ってしまえばそれまでですが、私は違う見方をしていたのです。

 それは、四季が「名バイプレーヤー」だということです。突飛な発言に見えても、例えば前回なら可可の発言を拾う形で出てきていたり、奇妙な発明品は、例えば夏美を止めたり、逆に一緒に悪ノリするために使っていたりすることが多いのです。実は、場を回したり誰かの背中をさりげなく押す天才なのです。加入前にはメイのためにLiella! に探りを入れ、その過程できな子の加入を促し、加入後は千砂都に学びながらダンスづくりをサポートしました。1期生と比べると2期生はひとまとまりの印象が強いですが、2期生も本来個性派揃いであることを考えると、そのまとまりに貢献しているのが四季といっても過言ではないと思います。

 そんな四季が一番輝く回を見てみたいと、前々から思っていました。しかし、今まで中心に立っていなかった四季をただ中心に立てるだけでは、あたかも1年生のときの四季が本当に目立っていなかっただけになってしまうので、それは違う気がしていました。2期のアニメは批判されても、(劇中の) 昨年1年間を生き抜いたメンバーの歩みまでは否定されてほしくありませんでした。

 

2. 一番見たかったセンター

 私が思っていた四季の魅力が100%生かされた形のセンター曲が『Special Color』でした。このような回が実現したことには感謝しかありません。

 四季の好きなクワガタは夜の虫です。太陽の下を舞う蝶とは異なり、センターのスポットライトを浴びるだけで目が眩んでしまいます。四季がセンターと聞いて意識するのは、かのんをはじめ、Liella! の1期生たちです。自信が無くても、怖くても (そのような過去を四季が知っているかは不明)、自分の夢のために、そして誰かのために歌おうと光の中に立ってきたのがかのんです。四季は、自分がそのような人間ではないと考えていました。

 それに対して千砂都が考えたのが、「目立たないセンター」だっていい、という突拍子もないアイデアでした。とはいえ、実際に行われたパフォーマンスを見ると、四季はきっちり目立っています。しかし、よく見ると他のメンバーとの関わりが多くなるようなフォーメーションとなっていました。そう、四季が一番輝く場所は、既にセンターを経験した1期生や夏美、そして誰より四季のことをずっと大切に思い続けているメイの隣なのです。

 四季のメンバーカラーは「アイスグリーンホワイト」で、白系のカラー*1です。本来の白には彩度がありません。ですが、白い光はすべての色を含んだ輝きですし、白色というのはすべての色に合う色でもあります。まさにすべての色の中心にある特別な色なのです。

 

3. かのんの理想

 千砂都の「四季をセンターにして新しいLiella! をアピールする」ことは、実はかのんが理想とする姿にLiella! が一歩近づいた証でもあるのです。

 今のような分裂状態になる前、かのんが留学することになっていたときには、8人はかのんに夢に向かって一歩を踏み出すことを、かのんは8人にLiella! を続けることを望みました。それぞれがそれぞれをスーパースターとして追いかけることで、更なる高みを目指すことができると信じていました。そして、学校内で別々の活動をすることになってからも、切磋琢磨という形でその目標は引き継がれました。

 今回の四季センターのヒントになったのは、千砂都がこっそり聞いていたかのんの発言でした。練習に来ない冬毬さえも肯定する、相変わらずの高校生離れした懐の深さです。「いろんな人がいるから素敵、いろんな色があるから綺麗」という言葉が、諦めかけた千砂都を立ち上がらせました。

 その一方で、新スクールアイドル部はLiella! のステージを見に来ていました。口では不満を言いながらチケットを取っていたのはマルガレーテでした。『Special Color』が蝶をモチーフにしていたのは、四季の昆虫好きを反映したものでありながら、1年前にマルガレーテが同じステージで歌った『Butterfly Wing』への意識もあったに違いありません。強さと輝きを見せつけるだけのステージとは全く違う、人間の魅力を引き出すパフォーマンスをしたLiella! に、新スクールアイドル部も奮い立たされたと思います。

*1:ミアのプラチナシルバーも、印刷上彩度があるが白系