Aqours10周年まで あと36日 (2025. 5. 25)
Aqoursの全盛期はいつか? という問いを、「Aqoursが最も輝いている時期はいつか」と捉えれば、それは「今」ということになります。様々なことを乗り越え、新しい企画を成功させて、昨日より今日、今日より明日で成長し続けているからです。しかし、「世間が最もAqoursに注目していた時期」と捉えるなら、それはAqoursが初めての東京ドーム公演や紅白出演、『ラブライブ! サンシャイン!!』の劇場版公開を果たした、2018~2019年だったということに異論はないと思います。
今回は、そんな「華の4年目」ともいえる1年間を振り返りたいと思います。困難もありましたが、雨の後に虹がかかるような1年でした。
本文内では、特に記載のない限り6月30日から12月31日までの日付は2018年、1月1日から6月29日までは2019年を指します。
~2016
2016~2017
2017~2018
Aqoursと私の略年表 (2018. 6. 30~2019. 6. 29)
| 年月 (日) | Aqoursの歩み | 普門寺 (筆者) の歩み |
|---|---|---|
| 2018. 6. 30 | 『ホップ・ステップ・ワーイ!』リリース | |
| 2018. 7. 7・8 | 『Aqours 3rd LoveLive! Tour ~WONDERFUL STORIES~』福岡公演開催 | 参加せず |
| 2018. 8. 1 | 4thライブテーマソング『Thank you, FRIENDS!!』リリース | |
| 2018. 9. 9 |
『Aqours クラブ活動 LIVE & FAN MEETING 2018 ユニット対抗全国ツアー』札幌公演でスタート予定。 |
参加せず |
| 2018. 11. 17・18 | 『Aqours 4th LoveLive! ~Sailing to the Sunshine~』開催 |
Day1: LV Day2: 現地参加 |
| 2018. 11. 24 | セブンネット限定映画前売券付きCD3種発売 | |
| 2018. 12. 6 |
『ラブライブ! スクールアイドルフェスティバル ~after school ACTIVITY~ Next Stage』サービス開始。Aqours本格参戦 当日、「重篤な不具合」発生につきしばらくの間制限付きのサービス提供となった |
|
| 2018. 12. 31 |
『第69回NHK紅白歌合戦』出演 |
|
| 2019. 1. 4 | 劇場版『ラブライブ! サンシャイン!! The School Idol Movie Over the Rainbow』公開 | 舞台挨拶LVを含め3回鑑賞 |
| 2019. 5. 31 | 『ぷちぐるラブライブ!』サービス終了 | |
| 2019. 6. 8・9 | 『Aqours 5th LoveLive! ~Next SPARKLING!!~』開催 |
Day1: LV Day2: 現地参加 |
1. 受難の始まり
初代Aqoursのすれ違いを原因とした解散に始まり、東京で0票最下位だったこと、廃校問題など、劇中のAqoursは様々な試練に見舞われます。現実のAqoursの道のりも、同じくらいかそれ以上の試練の連続でした。
2017年には、聖地であるあわしまマリンパークが台風被害を受け、また別の台風によって『未来の僕らは知ってるよ』リリースイベントが1公演中止になるという影響がありました。
Aqours3周年直前に始まった3rdライブツアーは、私が行った埼玉こそ何事もなく終了したものの、他の2会場が大変でした。2都市目の大阪公演翌日にあたる6月18日 (月) に大阪府北部地震が発生し、Aqoursキャストが宿泊していた大阪市内も大きな揺れに襲われました。幸いキャストたちは無事でしたが、後泊していた観客が一時帰宅困難になるなど影響が出ました。千穐楽の福岡公演直前には、のちに西日本豪雨と称されるようになる集中豪雨があり、中国・九州地方の交通機関が麻痺しました。この結果、福岡公演が行われたマリンメッセ福岡に辿り着けないファンが多数発生しました。
追い打ちをかけるように9月6日 (木) に起きた北海道胆振東部地震により、9日 (日) に予定されていた『Aqours クラブ活動 LIVE & FAN MEETING 2018 ユニット対抗全国ツアー』札幌公演 (Guilty Kissが出演予定) はシリーズ史上初めて中止となってしまいました。会場のニトリ文化ホール (さっぽろ芸術文化の館) は元々30日 (日) で閉館が決まっていたため、延期することもできず、翌1月26・27日 (土・日) に遠く離れた旭川で振替公演が開催されました。27日の旭川の最低気温は-13.2℃と、現在までに開催されたライブの中でも特に過酷な環境だったと思います。
2. キセキの東京ドーム

困難に直面することも多い時期でしたが、夢の舞台は無事に開催されました。
11月17・18日 (土・日)、『Aqours 4th LoveLive! ~Sailing to the Sunshine~』のタイトルで、東京ドームでの公演が実現しました。私は、両日のチケットを狙っていたものの、初日はライブビューイングで、2日目は現地へ赴くことになりました。ちなみにこのDay2のチケットが、私が初めて自分で当てたラブライブ! シリーズのチケットです。
この特別なライブには、様々な人が集まっていました。『ラブライブ!』を好きになったきっかけである大学同期のコピーユニットのメンバー。『ラブライブ!』を知った頃にファンになり、SNSで交流していた同人作家。どういうわけかラブライバーであることを互いに知って数年ぶりに再会した小学生の頃の友達。皆、Aqoursの晴れ舞台を観に集まっていました。
私は映像を通してでしたが、Day1で会場に入った人々を出迎えたのは、アリーナに鎮座するオーケストラピットでした。「浦の星交響楽団」の登場は、事前に何の予告もないサプライズでした。指揮を執ったのは、TVアニメの劇伴作曲を務めた加藤達也さんです。
このライブでは、いくつもの「奇跡」が起きました。例えば、『想いよひとつになれ』は梨子がライブに参加できず、遠くの演奏会場でピアノを弾きつつ想いはひとつと確かめ合った曲です。リアルライブではピアノ演奏のアクシデントもあり、その誓いがキャストの間でも本物になりました。4thライブで再び披露されたこの曲では、なんと逢田梨香子さんがピアノから手を離しても音楽が鳴り続け、9人でのダンスパフォーマンスが実現しました。また、Saint Snowは冬のラブライブ! 予選大会で敗北し、決勝大会の東京ドーム (劇中ではアキバドーム) でAqoursと相対することができませんでした。しかし、4thライブにはゲストとして登場してAqoursと同時に東京ドームに立ち、コラボ楽曲である『Awaken the power』まで披露しました。このときのAqoursの衣装は『WATER BLUE NEW WORLD』であり、叶わなかった決勝が形を変えて実現したとも言えます。
浦の星交響楽団とのコラボ楽曲は、加藤さん作曲の『キセキヒカル』でした。『起こそうキセキを!』をボーカル化した楽曲で、演奏と歌の融合が、Aqoursが全く新しい世界へ進むことを予感させました。ここ東京ドームが聖地である『WATER BLUE NEW WORLD』も、決勝の再現ではなく新たな演出で披露されました。その演出とは、「Aqours Ship」という巨大な船を象った移動ステージに乗ってのパフォーマンスです。5万人の観客が作るペンライトの青い光の海をゆくAqoursの船は、Aqoursというスクールアイドルの歴史を代表する光景だと思います。
ダブルアンコールがよく見られるようになった最近のライブとは異なり、このライブではダブルアンコールは予定されていなかったはずですが、鳴り止まないAqoursコールに応え、9人は感謝を伝えにステージに帰ってきました。Aqoursの9人は、再び東京ドームに戻ってくることを私たちと約束しました。最後に千歌役・伊波杏樹さんがイヤモニを外してドーム内全部に響き渡る声で感謝の言葉を叫んでいたのが、今でも印象に残っています。
μ'sにとって区切りの場所だった東京ドームを超え、Aqoursは誰も見たことのない道を進んでいくのだということを意識させられたライブでした。
3. Next Stage

2016年12月にμ'sだけで始まった『スクフェスAC』が装い新たに、Aqoursの本格登場に合わせて『ラブライブ! スクールアイドルフェスティバル after school ACTIVITY Next Stage』として生まれ変わりました。すごろくのように駒を進める新機能も加わり、ゲームセンターでもAqoursと一緒に楽しむことができるようになりました。
ところが、このゲームは思わぬハプニングで幕を開けました。リリース初日の12月6日 (木) (『スクフェスAC』2周年の節目でもある) 早々、Aqoursメンバーの衣装が表示されない事態に見舞われたのです。スマホ版『スクフェス』にはない、メンバーの3Dモデルが歌って踊るという機能が、衣装を着ていない素体の3Dモデルがダンスしている状態になり、「全裸バグ」「重篤な不具合」などと呼ばれました。すぐにサービスは停止され、その後セーブ機能などが制限された状態で再稼働しました。本復旧までは1ヶ月ほどかかったかと記憶しています。
せっかくのAqoursの登場だったにもかかわらず、しばらくセーブができない期間があり、ちょうど大学の卒業論文と『サンシャイン!!』劇場版公開が重なった忙しい時期にあたったのもあって、決してAqoursが恥ずかしい姿になったことに抗議したつもりはないのですが、その後ゲームセンターへの足が遠のいてしまったことが惜しまれます。
その後同ゲームにはSaint Snowも加わりました。2021年にサービス終了するまで約3年間稼働し、2020年にはPS4に移植されたことで、2024年以降は唯一プレイ可能な『スクフェス』シリーズのゲームとなっています。一波乱あったゲームですが、巡り合わせというものはわからないものです。
4. ぷちぐるラブライブ!
ゲームと言えば、前年からになりますが、Aqoursが登場する作品がもう1つありました。2018年4月24日にリリースされた『ぷちぐるラブライブ!』は、ラブライブ! シリーズ初のパズルゲームでした。「寝そべりぬいぐるみ」(=ぷちぐる) を積み、繋げて消すという内容こそ他コンテンツでも見られるものではありましたが、かわいくて人気の寝そべりとインストアレンジされた楽曲が楽しめる、ラブライブ! シリーズの新たな楽しみでした。
ゲーム自体は1年あまりでサービス終了してしまったものの (シリーズ史上初のサ終ゲーでした)、『ぷちぐる』はたくさんのレガシーを遺していきました。最も主要なものは、アプリ内で行われたサンリオコラボです。このときはガチャからサンリオキャラクターのぷちぐるも登場しました。このガチャがネットでも人気の、ハローキティのポップコーン販売機の形をしていたのがユーモラスでした。また、μ's・Aqoursのメンバー一人ずつが別々のサンリオキャラクターを担当しており、グッズ展開もなされていました。このグッズ展開が『ぷちぐる』サ終後も続き、『ぷちぐる』に登場しなかった虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会・Liella! (3期生まで)・蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ (現在のところ、104期生まで) でもコラボが展開されました。Liella! はサンリオピューロランドでもイベントを開催するなど、『ぷちぐる』から生まれた関係が現在でも続いています。
変わったところだと、2024年の『蓮ノ空』のエイプリルフールが、ブラウザ上で『ぷちぐる』とほぼ同じゲーム (機能は限定的) が遊べる『ぷちぐるラブライブ! feat. 蓮ノ空』でした。このゲームはエイプリルフール後も公開が続いており、本家より長期間遊べた「ぷちぐる」となっています。
5. 紅白出演
東京ドーム公演を終え、勢いに乗ったAqoursには、年末にも素晴らしいステージが用意されていました。『第69回NHK紅白歌合戦』です。
『紅白』といえば、3年前の第66回にμ'sが紅組で出場し、FINALを目前にして全国のたくさんの視聴者に青春の輝きを見せつけました。実はその時は見ていなかったのですが、このときはNHKでラブライブ! を見ることが叶いました。ただし、μ'sと違って出場ではなく、ジャパンカルチャー特集企画として、刀剣男士とセットでの出演でした。
紅白を一家で見たことで、両親にもAqoursを紹介することができました。残念ながらAqoursを好きになってもらうことはできなかったものの、知ってもらえる機会があるのは良かったと思います。
6. Over the Rainbow

2017年、2018年の元日は神田明神に初詣に行っていましたが、この年は前年に親族の不幸があり、松の内が明けてから行くことにしました。そのため、2019年最初のラブライバーとしての活動が1月4日 (金) 公開の劇場版『ラブライブ! サンシャイン!! The School Idol Movie Over the Rainbow』となりました。
初日の朝に地元館で封切回を鑑賞し、大学に行って戻ってきた後夕方の舞台挨拶ライブビューイング回を鑑賞しました。 (逢田さんが自分の名前を言おうとしたのに「ありがとうございます」と感謝の言葉を述べてしまった回です)
この映画には本編開始前に週替わりのフォトセッションがあり、その間だけスクリーンを撮影することが許可されていました。ちょうど卒業論文提出締め切り直前にダイヤのフォトセッションが来てしまいましたが、Aqoursを応援する者として卒論のために推しを諦めるのもおかしいと思い、急ピッチで卒論を仕上げてフォトセッションを撮って映画を観、そのまま大学に行って卒論を提出してきました。フォトセッションのMCだった果南の「ハグ、始め!」*1の合図に合わせ、これまでの人生で一番くらいスマホのカメラで連写しました。その一瞬に心血を注いだのです。頑張った分、特別な瞬間になったと思っています。

映画は、「10人目の物語」だったと思います。統合になる浦の星との融和が難しいことに気を揉む曜の従姉妹・月 (予告では正体が明かされず、中性的な見た目だったため話題を呼びました)。再出発の一歩目で躓く理亞。娘の鞠莉が自分で選んだ道を理解できなかった母親。立場もバラバラなAqoursを取り巻く人々が、Aqoursの頑張る姿を見て再び歩き始めます。そして、3年生が卒業し、所属する学校も新たに6人になったAqoursも、そのような人々との交流を経て新しい一歩を踏み出すのです。こうしてAqoursとともに進む人たちが、4thライブのキーワードでもあった「Aqoursの10人目」です。
もう1つ、この映画はアニメーションによる沼津の記録映画という側面もありました。冒頭から沼津の美しい景色が描かれ、OP『僕らの走ってきた道は…』では沼津の人々がAqoursと一緒に踊るMVが流れました。当時あった建物には2025年現在既にないものも多く、再開発や社会の変化、自然現象によっても景色が変わっていく沼津のあの頃を切り取った映画にもなっていました。
この頃は、Aqoursが沼津で積み重ねたものもかなり大きくなっていました。2016年の時点で既に始まっていた伊豆箱根鉄道のラッピング電車や『のっぽ』とのコラボ、地域のイベントへの参加を経て2017年には『燦々ぬまづ大使』に任命されています。こちらは、5期10年連続で務めることが決まっており、6期12年務めた俳優の故・三國連太郎さんに次ぐ2番目の続投記録を誇っています。2017年から始まった『沼津まちあるきスタンプ』は現在、100箇所以上に設置されています。2016年と2017年には『沼津夏まつり・狩野川花火大会』にAqoursキャストが登場しました。2018年と2019年は悪天候、2020年と2021年はコロナ禍で祭りが中止になったり、Aqoursキャストの登場が取りやめになったりしたものの、2022年以降は毎年の恒例となりました。そうした積み重ねが、映像作品にも反映された映画といえます。
そして、劇場版が残した「新しいAqours」というキーワードも、期待に満ち溢れたものでした。私はこれを、アニメが完結して、キャストたちが主役になって引っ張る新しい展開と解釈しました。Aqoursは終わらない。そのことがどれほど私を勇気づけたでしょうか。
7. ココスコラボ

劇場版と時を同じくして、Aqoursとファミリーレストランチェーン・COCO'Sとのコラボが始まりました。
全国各地、もちろん都内にもたくさん店舗はありますが、店舗ごとに1人のメンバーとコラボしており、ダイヤとコラボしている最寄りの店舗は埼玉県戸田市の上戸田店*2でした。忙しい時期ではありましたが、時間を見つけて戸田へ足を伸ばしました。
食べたメニューは、ルビィのコラボメニューだったポテトと、ダイヤのわらび餅でした。他にも何度か都内の店舗に通い、クリアファイルを集めました。
8. 5thライブ
3度目のライブ参戦となった『Aqours 5th LoveLive! ~Next SPARKLING!!~』に向けては、一番Aqoursに熱中していた時期でもあり、来る日も来る日もこのライブを楽しみにしていました。しかしそれと同時に、物語が完結し、この先の予定が何も決まっていないことへの不安もありました。
チケットは6月9日 (日) のDay2を当て、Day1はライブビューイングに行くことにしました。しかしライブビューイングも満席続きで、ようやく取れたのはTOHOシネマズららぽーと船橋でした (この場所に隣接してのちに建設されたLaLa arena TOKYO-BAYでは、今年6月にLiella! の『ちゅーとりえらいぶ!』が開催されます)。遠い (メットライフドームと大差ないですが……) と思いつつ向かうと、そこには私がラブライブ! にはまったきっかけとなったコピーサークルの元メンバーの姿がありました。このときには別団体に移籍していましたが、SNSでやりとりをしていて少し話もできました (ちなみに伊波さんと同じ花陽推しでした)。
Day2には、1年前に初めてAqoursのパフォーマンスを見たメットライフドーム (西武ドーム、現・ベルーナドーム) に向かいました。今回は、前年に一緒に沼津に行った友人との連番でした。あの日と同じ肌寒い雨模様の1日でした。
内容は劇場版準拠のライブでした。今回はアンコールも含めて、劇場版の物語が再現されていました。AqoursとSaint Snowのライブ対決の後、『Believe Again』と『Brightest Melody』のシングルに収録されていた劇場版未使用の楽曲、Saint Aqours Snowによる『Over The Next Rainbow』が披露されました。公式戦で一度も対決の機会が無かったにもかかわらず、不思議な縁があり、かけがえのない絆が生まれた2つのグループの別れを予感させる曲です。聖良役・田野アサミさんのフェイクがあまりにも切なくて涙が溢れ出しました。
アンコールではそれぞれのユニットの卒業ソングが披露されて、いよいよ物語が終わりに向かいつつあることを実感しました。トップバッターAZALEAの『卒業ですね』は、制服衣装も相まって切なくてたまりませんでした。そして、劇場版と同じくライブ表題曲『Next SPARKLING!!』が終わると、Aqoursは水平線の向こうに去ってしまい、最後の挨拶もなく波音だけが残されていました。「Aqours! サーンシャイン!!」というかけ声でライブは幕を閉じました。これまで行ったライブの中で、余韻の力を最も重視していたライブだったと思います。
劇場版と違うのは、既に新しいAqoursの青写真が示されていたことです。この時発表されたニューシングルのタイトルは『未体験HORIZON』。Aqoursの新しい夜明け、第2章の始まりを予感させるものでした。
この世界のAqoursは、東京ドームでの4thライブを経験したAqoursです。劇中で描かれただけでない無限の可能性の存在を示し、来るべきストーリーの完結と、その先にも未来が続いていることを確信させました。ここから先は、そんな9人だからこそ踏み出せた道です。その9人を、クリエイターも、スタッフも、沼津の人々も、そして私たちファンも一丸となって見守りました。Aqoursは9人、ないしメンバーとキャストを合わせた18人であり、「10人目」というものは本当はいません。しかしながら、Aqoursの歩みにおいて、それもとりわけこの時期において注目された「10人目」という概念は、やはり4thライブと不可分であり、Aqoursの可能性を未来に繋げた大切な概念だったと思っています。それを象徴していたのが、月であり、鞠莉の母であり、Saint Snowであり、静真や旧・浦の星の生徒だったのです。
私たちも、あの日メットライフドームの客席にかけた虹の一員でした。同会場特有の時間がかかる規制退場において、退場していくブロックに互いに拍手を贈り合っていたのも思い出に残っています。あのとき、「10人目」として互いを讃えていたのは間違いないと思います。
誰も見たことのない新しい物語が動き出す次の時代。しかし、世界とAqoursをどん底に叩き落とす暗雲もまた、立ち上ろうとしていました。