Aqours10周年まで あと32日 (2025. 5. 29)
2019年はAqoursが4周年を迎えると同時に、ラブライブ!シリーズが9周年を迎えた、記念すべき年でした。『スクスタ』がリリースされ、ニジガクが1stライブを成功させると、μ'sが4年ぶりに表舞台に姿を現し、ラブライブ! シリーズ初の合同ライブ『ラブライブ! フェス』が満を持して開催されました。Aqoursにとっても、メンバー構成や地元・沼津との関係はそのままに、次々に新展開を打ち出す新体制1年目の重要な年になりました。
しかし、その盛り上がりはいつまでもは続きませんでした。Aqours5年目の後半、Aqoursを、否、世界をかつてない困難が襲います。「新型コロナウイルス」ことSARS-CoV-2のパンデミックです。Aqoursがこれから走るべき道は、わずかな期間に崩れ落ちていきました。
本文内では、特に記載のない限り6月30日から12月31日までの日付は2019年、1月1日から6月29日までは2020年を指します。
~2016
2016~2017
2017~2018
2018~2019
Aqoursと私の略年表 (2019. 6. 30~2020. 6. 29)
| 年月 (日) | Aqoursの歩み | 普門寺 (筆者) の歩み |
|---|---|---|
| 2019. 6. 30 | 『Jump up HIGH!!』リリース | |
| 2019. 7. 5・6 | 『Aqours World LoveLive! in LA ~BRAND NEW WAVE~』開催 | |
| 2019. 7. 20 | 伊豆箱根鉄道駿豆線および沼津への聖地巡礼を実施 (始動以来5回目) | |
| 2019. 8. 28・29 | 函館へ聖地巡礼。『サンシャイン!!』聖地への宿泊は初 | |
| 2019. 9. 25 |
4thシングル『未体験HORIZON』リリース |
|
| 2019. 9. 26 |
『ラブライブ! スクールアイドルフェスティバル ALL STARS』リリース。 コラボシングル『KOKORO Magic A to Z』は10月30日 (水) 発売 |
福井にてインストール |
| 2019. 11. 27 | ユニット3rdシングル、順次発売 | |
| 2020. 2. 8・9 |
『UNIT LIVE ADVENTURE 2020』スタート 『Guilty Kiss First LOVELIVE! ~New Romantic Sailors~』開催 |
DAY1に現地参加 |
| 2020. 2. 22・23 |
『CYaRon! First LOVELIVE! ~Braveheart Coaster~』開催 |
参加せず |
| 2020. 3. 7・8 | 『AZALEA First LOVELIVE! ~Amazing Travel DNA~』開催予定日。6月3・4日 (土・日) に一旦延期となる | |
| 2020. 4. 1 | エイプリルフール動画『シャゼリア☆キッス』公開 | |
| 2020. 5. 8・9 |
『PERFECT WORLD』開催予定日。 緊急事態宣言中のため中止されたが、物販のみ行われ、『シャゼリア☆キッス☆ダダンダーン』発売 |
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| 2020. 6. 3・4 | 『AZALEA First LOVELIVE! ~Amazing Travel DNA~』振替開催予定日。中止 |
1. 沼津と伊豆箱根鉄道

7月20日 (土)、私は三島から伊豆箱根鉄道の特急『踊り子』に乗っていました。この日の夕方は伊豆箱根鉄道で友人たちと団体列車に乗って車内での宴会に参加することになっていました。
この当時、伊豆箱根鉄道では2本のラッピング電車が走っていました。1本は、同名のシングルリリースに合わせて2017年から現在に至るまで運行されている『HAPPY PARTY TRAIN』で、もう1本は劇場版公開目前の2018年から2021年まで運行されていた『Over the Rainbow』号です。後者は2020年3月までの予定でしたが、2021年9月まで1年半も期間が延長されました。コロナ禍で来られなかったファンたちのためでしょうか。
修善寺から三島方面に戻り、原木駅から田京駅まで『Over the Rainbow』号に乗りました。短い乗車時間で、車内のドアに貼られた映画のワンシーンなど、全て写真に収めました。『Over the Rainbow』は、1つ先の大仁で『HAPPY PARTY TRAIN』と行き違うダイヤでした。そこで田京で降りて三島行きの『HAPPY PARTY TRAIN』を待ちました。行き違う駅で乗り換えようとすると、ドアが開く前に相手の列車が発車してしまうかもしれないからです。
『HAPPY PARTY TRAIN』は全面が紺色にラッピングされ、Aqoursメンバーが大きく描かれているだけでなく、車体を斜めに走るレーザービームのようなストライプが目を引く車両です。鉄道車両に初めて斜めストライプを施したのが当時の『踊り子』車両と言われていますが、これほど派手なものはラッピング抜きにしても、他の車両でも見たことがありません。この車両には、窓に被るようにラッピングされており、車内からは薄いフィルムで描かれたメンバー越しに景色を見るという不思議な体験をしました。
その後、東海道線で一駅移動して沼津にも行きました。プラサヴェルデに展示されていた2ndライブにおける『HAPPY PARTY TRAIN』披露用のSLの大道具や、沼津駅高架化計画の模型を見学しました。また、駅の北側にある静真高校のモデル、沼津中央高校も見に行きました。

その後のイベント列車は、今も思い出に残るものになりました。
2. 未体験HORIZON
Aqoursの新たな時代を拓く4thシングル、『未体験HORIZON』が発売されました。私はこのシングルを、たまたま訪問していた福井のアニメイトで購入しました。
この曲の歌詞を暫く読み込んでいて気づいたのですが、これは『恋になりたいAQUARIUM』のアンサーソングです。「なんで水の中でも息ができるの?」の答えが「僕らは夢で息してる」です。「さっき飲んだ熱いお茶」かと思っていた (静岡なので……) 胸を灼くような熱いものは、ずっと大事に持っていた夢だったのです。
前半のAqoursは、この答えを求めて走っていたと言えると思います。『恋になりたいAQUARIUM』で予感を胸に抱き、『HAPPY PARTY TRAIN』で旅に出たAqoursたちは、『SKY JOURNEY』で「誰か」と出会います。その「誰か」は、未来のAqours自身だと後にわかりました。はっきりと答えてくれなかった未来のAqoursを見て、現在のAqoursはそれが未来の自分たちだと薄々感じ取りました。そして、『未来の僕らは知ってるよ』と信じて突き進んだ先に、自分たちだけの輝きを見つけました。ここまでを振り返って自分たちの生を支え、推進力となったのは「夢」だと総括しました。
Aqoursがこのシングルで歌ったカップリング曲に、『Deep Resonance』があります。『Shadowverse』とのコラボ楽曲であり、疾走感に満ちたかっこいい曲です。しかし、歌詞はこれまでのAqoursの曲と一線を画しています。
「希望はここから生まれ ここで消えるのか」
「痛みが 嘆きが 君の夢を貪る」
バトルものの曲であるというのはありますが、困難や絶望があまりにも直接的に描写されているのです。Aqoursが乗り越えた逆境を思えば、それでも光明を見出せるということを、ここまでAqoursを応援してきた人ならば信じることができるのです。そしてこのことが、後期Aqoursが辿る運命と見事にリンクしてきます。
明るい応援歌『Dance with Minotaurus』*1も合わせて、Aqoursの新境地を拓いたシングルでした。ちなみに、Aqoursのナンバリングシングルとしてはこれが最後になりますが、これ以降ナンバリング以外で様々なシングルをリリースすることになります。
3. スクスタの始まり
9月26日 (木)、期待されていた『ラブライブ! スクールアイドルフェスティバル ALL STARS』がいよいよリリースされました。このゲームに関しては、2023年のサービス終了時に振り返りの記事を書きましたので、そちらも合わせてお読みください。
『スクスタ』といえば虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 (ニジガク) が主人公というイメージがあまりにも強いですが、Aqoursも万全の体制でこの画期的アプリのリリースに臨んでいます。『KOKORO Magic “A to Z”』というコラボシングルをリリースし、Aqours初の3DCGによるMVを付属させました。この3Dのダンスは、『アケフェス』が先ではありますが、定着したのは『スクスタ』からと言ってよいと思います。これ以降のAqoursのライブでも、バックモニターの映像にしばしば用いられるようになりました。11月にはTVアニメのYouTube配信も行われました。
ストーリー面では、どうしてもAqoursだけ「あなた」の住む東京から距離がありますが、度々東京に来たり、逆に「あなた」たちニジガクメンバーが沼津へ向かったりして、盛んに交流していました。特に、ニジガクの名バラード『永遠の一瞬』は、メンバー全員で沼津に行った帰りに誕生します。
「茜空はすぐに消えるけれど 忘れられないほど綺麗だから 今この時間のことを 人は永遠って呼ぶのかな、たぶん」
決して忘れることがなければ、一瞬は永遠になるというのです。これは『ラブライブ! サンシャイン!!』を見た感想を歌詞にしたものだと言っても、あながち間違いではないのではないでしょうか……?
キズナエピソードには、美少女ゲームの文脈を踏まえた、Aqoursメンバーが「デレる」シーンも多数存在します。『サンシャイン!!』にはあまりそのような展開は多くないため、Aqoursファンの中には『スクスタ』の続編の要素を持つ『にじちず』のAqours版が欲しい方もいるのではないでしょうか。
4. 普門寺飛優
さて、少し私の個人的な話を挟みます。
この年の11月7日 (木) に、「普門寺飛優」というペンネームを名乗り始めました。元は『ラブライブ! サンシャイン!!』を題材にした二次創作を行うために作った名前でした。この名前自体はラブライブ! シリーズとは何の関係もありません。
この頃、『スクフェスACNS』とのコラボ企画で西武鉄道のスタンプラリーが行われていました。11月3日 (日・祝) にこれも回り、秋の川越と合わせて楽しみました。

5. ラブライブ!フェス
2年ぶりの神田明神への初詣で年が明けました。

シリーズ9周年最大の目玉、『LoveLive! Series 9th Anniversary ラブライブ! フェス』は、1月18・19日 (土・日) に開催されました。4年ぶりにμ'sが出演するライブとあって、チケット争奪戦は激しく、現地参加することは叶いませんでした。雰囲気だけでもと思い、18日のLV会場に向かう前に会場のさいたまスーパーアリーナへ立ち寄りました。大変な活気を楽しみ、ギリギリまで居すぎて、映画館に入ったときには既に配信映像が映し出され始めていました。
ライブでは、Aqoursがシリーズのリーダーとして活躍する姿を見ることができました。開幕楽曲は両日とも新曲の『未体験HORIZON』で、まるで新時代の幕開けのファンファーレのようでした。当時駆け出しだったニジガクのパフォーマンスに次いで、『HAKODATE UNIT CARNIVAL』の延長戦ともいえるユニット対抗ライブのパートがありました。現在のところ、AZALEAが3人揃ってパフォーマンスを行ったのはこのライブが最新となっています。
後半のAqoursとμ'sのパートは劇的でした。私が見たDAY1ではAqoursのパフォーマンスがμ'sを「喚ぶ」という大役を任され、DAY2では逆にμ'sからAqoursへ「受け継がれる」という順となっていました。DAY1は1stライブ、DAY2は2nd・3rdライブから厳選されたセットリストでした。4thライブのAqours Shipも再登場し、4thライブと同じく『MIRAI TICKET』『WATER BLUE NEW WORLD』が披露されました。ワンマンライブとは異なり、「μ'sのFINALと入れ替わりくらいに現れた新人たち」という認識で止まっているファンも少なくなかったであろう中、この瞬間のAqoursの熱さを全力でぶつける機会だったのだろうと思います。両日ともセトリに入った、ある意味このライブを象徴する曲が『届かない星だとしても』です。Aqours初期に私がはまっていた、あの曲です。μ'sを想って書かれた曲で、届かないと思っていた星に手が届き、文字通りμ'sと並び立つ日が来たのです。
この頃はまだ、異なる作品のスクールアイドル同士が一緒に歌う楽曲はありませんでした。劇場版『ラブライブ! The School Idol Movie』の「スクールアイドルみんなの歌」こと『SUNNY DAY SONG』が披露されるのではないかという話もありましたが、こちらはこの時実現しなかったばかりか、その後も実現しないままAqours Finaleライブを迎えることになります。
6. ユニットライブ

その『ラブライブ! フェス』から1ヶ月も経たないうちに、Aqoursは新しい挑戦に踏み切ります。それが『UNIT LIVE ADVENTURE 2020』です。2018年にはユニット毎のファンミーティングは行われていましたが、ラブライブ! シリーズでは初となるユニット毎のフルライブです。Guilty Kissが『New Romantic Sailors』、CYaRon! が『Braveheart Coaster』、AZALEAが『Amazing Travel DNA』と、それぞれ3rdシングルのタイトルを冠して企画されました。また、これまた史上初の追加公演として、3ユニット合同の『PERFECT WORLD』も予定されていました。
私は、2月8日 (土) の『New Romantic Sailors』DAY1の現地に足を運びました。会場は、この頃ラブライブ! シリーズの公演機会が増えた武蔵野の森総合スポーツプラザ (現・京王アリーナTOKYO) でした。
開幕曲の『New Romantic Sailors』は、それまでのかっこいいGuilty Kissのイメージを塗り替える爆湧き曲です。「必殺技」の披露や「組体操」など、普通の曲にあまりない見せ場が多い曲です。既に、『バンダイナムコエンターテインメントフェスティバル』(会場: 東京ドーム) で先行披露されており、ラブライバー以外にも驚きを持って迎えられていました。このライブでは、両日2回ずつ披露されました。
当時リリースされていたGuilty Kiss楽曲をすべて披露しただけでなく、Aqoursの楽曲も3人ver. にアレンジされて使用していました。『MY舞☆TONIGHT』や『Daydream Warrior』→『スリリング・ワンウェイ』のような熱い曲を中心に、なんと『WATER BLUE NEW WORLD』まで歌いこなしていました。ギルキスらしく高火力で、このライブのコズミックで壮大なイメージとも合い、このライブが新しい始まりであることをも物語っていました。
余談ですが、この時の連番相手とFinaleライブに行く予定です。
7. コロナ禍の始まり
この年の年明け、不穏な報道が徐々に増えていきました。「中国で原因不明の肺炎患者が増えている」。少しすると「肺炎の原因は新型コロナウイルスである」と。
私の古い記憶には、重症急性呼吸器症候群 (SARS) がありました。2003年頃に中国で流行していた感染症ですが、小学校の入学式早々上海の学校へ転校するはずだったクラスメイトの出国が中止になり、その後数ヶ月を一緒に過ごしたのを覚えています。ただし、その当時は全世界的なパンデミックにはならなかったので、それほど大きな問題になるとは考えていませんでした。とはいえ中国と日本は近く、交流も多いため、1月中には日本国内でも感染者が発生するようになりました。
新型コロナウイルスの正体は、まさにそのSARSを引き起こしたのとよく似たウイルス (SARS-CoV-2) でした。初めて報告された年の西暦を取り、後に「CoVID-19」と呼ばれるようになる感染症は、国内でも予想以上の勢いで広まっていきました。
ターニングポイントは2度あったと記憶しています。『ラブライブ! サンシャイン!!』のプロジェクト5周年当日である2月26日 (水)、政府は今後1~2週間の大規模イベント自粛を要請しました。その2週間に該当してしまったのが、AZALEA 1st LOVELIVE! 『Amazing Travel DNA』(3月7・8日開催予定) でした。同公演は、ひとまず6月に延期されます。この当時は、まだあれほどの長期戦を覚悟していない人がほとんどだったと思います。2009年の新型インフルエンザ流行でも、1年くらいで正常化していたからです。長くてもそれだけあれば、それまで通りの生活が戻ってくると思っていました。
しかし、この当時はまだ序章に過ぎなかったのです。感染拡大は止まることなく、3月30日 (月) にはザ・ドリフターズの志村けんさん (ラブライブ! シリーズで言うと宮下愛の家である、門前仲町の『三久』さんを行きつけにしていた) が亡くなるという事態になり、日本全体がこれは一大事だと意識しました。そして、4月7日 (火) には新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言が出されました。その期間に当たる『PERFECT WORLD』も中止、解除直後の6月に予定されていた『Amazing Travel DNA』の振替公演も中止になりました。ライブが延期も含めて中止に追い込まれるのはシリーズ史上初のことでしたが、その後も同様の事態が続くことになりました。
特に1度目の緊急事態宣言期間だった4月・5月は、私のいた大学院も閉鎖され、日常が止まった生活を余儀なくされました。それはAqoursにとっても同じことで、ライブはおろか、収録やレッスンなども中止になるか、大幅に制限されていたようです。2016年4月から休むことなく続いてきた『Aqours浦の星女学院RADIO!!!』も、2ヶ月間休止となりました。6月3・10日の配信回は、緊急事態宣言明け直後でしたが、なんとパーソナリティ (わいわいわい) の自宅からリモートで収録されたものが配信され、翌週17日から正式に再開となりました。この期間は、これまでにAqoursが開催したライブがYouTubeで無料配信され、私たちはそれを観て乗り切っていました。その配信により、これまで意識していなかった一面を改めて捉えることにも繋がりました。
そんな日常が崩れ去っていく中、4月1日 (水) には恒例のエイプリルフール動画が公開されました。その名も『シャゼリア☆キッス』。このための新曲『シャゼリア☆キッス☆ダダンダーン』も制作されていました。シリーズ史上初のエイプリルフール楽曲 (2025年現在これと『虹ヶ咲』の『にじいろ☆ルミエール』しかない) であり、歌っているのはAqoursではなく「シャゼリア☆キッス」ということになっています。『プリキュア』シリーズや『セーラームーン』のような美少女バトルもの……と思いきや、キャラデザは『聖闘士星矢』、世界観やナレーションは『北斗の拳』風、さらに「ロケットパンチ」まで飛び出すカオスぶりです。ナレーションの千葉繁さんは、シリーズで初めて出演した男性声優でした。
このエイプリルフール、おそらくコロナ禍が始まる前に制作されていたものではあるのですが、世界はこれを単なる与太として笑い飛ばすことができない状況になっていました。負けても立ち上がる勇ましい歌詞に、パワフルで明るい歌声に、このときどれほど勇気づけられたことでしょうか。ジョークのヒーローは、絶望から私を救う本物の救世主であるように思えました。
おそらく本来は『PERFECT WORLD』に向けて制作された楽曲で、同ライブの通販でCDやグッズも販売されていました。
Aqoursにとって長い冬の時代は、翌年も続きます。
*1:通称「ミノ」。牛肉の部位のようで覚えやすいという声もあるが、語源的には「ミノ」が「人」で「タウロス」が「牛」である