初回、まさかアニメ化すると思っていなかった『繚乱! ビクトリーロード』に始まり、2話は「菜々」、今回3話は「はんぺん」と、毎回思わぬワードか人物名がサブタイトルに入っています。このまま最終話まで引っ張るのでしょうか。
ななぽむに意表を突かれた
はんぺんの名前の由来は言うまでもなく食物のはんぺん*1ですが、皆様はどんな食べ方がお好きでしょうか。おでんの具もよいですが、焼きはんぺんも良いものです。はんぺんを4つ切りにして、バター醤油でいただくのですが、香ばしさと柔らかさが思い出されるようです。
閑話休題、今回は同好会を「4つに分けた」話です。といっても、ユニットの話ではありません。(ユニット甲子園の記事は準備中です。しばしお待ちください!) ニジガクメンバーの出身媒体のことです。
1. スクスタとドタバタ
最初にはんぺんと一緒に登場したのが、ミア・栞子・嵐珠。この3人はR3BIRTHとして考えるのが一般的ですが、後のメンバー構成を考えれば「スクスタ組」の3人であることがわかります。『スクスタ』に追加メンバーとして登場した、メタ的にも『虹ヶ咲』のドタバタの象徴のような3人です。構ってちゃんの嵐珠ははんぺんとの距離感も測りかねて驚かれてしまい、それに申し訳なさを感じながら、結局嵐珠は猫と一緒になって構ってもらおうとします。3人の日常も、いつもドタバタです。
2. スクフェスと癒し
比較的新参のメンバーの次は、しずく、彼方、エマという、キャラクターとしては10年以上の歴史がある3人が登場します。
嵐珠がはんぺんと一緒に猫側についたなら、犬に例えられるのが彼方です。1期でも彼方としずくのエピソードがありましたね。
オフィ彼方さん
猫のように手の付けがたい可愛さも、犬のようにお世話されてくれる可愛さも、みなそれぞれに需要があります。
そしてそんなあらゆる「可愛い」を寄せ付けるのがエマの「マイナスイオン」です。
「スクフェス組」が活躍する4コマ漫画には、まだエマ推しになる前だった私も当時から好きだったシーンがあります。
これの#23『うたのれんしゅう』
存在に、声に、また浄化されそうになります。
3. 電撃! 仲間でライバル
突然の「せつにゃ」で始まるのが、「電撃組」のパートです。
この3人は血の気の多いメンバー揃いで、『スクスタ』が始まる前から、仲間でライバルという関係で火花を散らしてきました。大きな夢に向かっていつも暴走しているせつ菜、クールを装いつつ負けん気を隠し切れない果林、そんな2人をライバル視しつつも時に振り回されているかすみという、当時から人気の高かった3人です。
かすみがおもちゃにされるオチなのは、皮肉にもはんぺんがまさしくこの3人を「わかって」いる証拠です。おまけショットで果林も黒猫の耳を生やしており、とにかく個人のアピールが強いパートなのでした。
4. 侑とファミ通
最後だけ、「ファミ通組」に混じって「アニガサキ出身」の侑が登場します。まあ、『ファミ通』の漫画は全体的におかしかったのであまり参考にできるものが少ない……と思いきや『アニガサキ』でも『にじよん』でも度々引用されている気がしますが、そのおかしさが今となっては侑に対する関係性に集約されているので、侑はここに登場するしかありません。とはいえ、侑より身長が6 cmも高い歩夢が後ろにぴったり隠れるのは無理ではないかと思いますが……。
璃奈と愛はその後もずっと仲良しとして描かれてきましたが、「幼馴染」の登場以降歩夢は「ファミ通組」の中でも少し離れて描写されがちでした。歩夢がはんぺんを追けてきた侑を追けてきて璃奈と愛に出会うのは、その点で芸術点と呼べるかもしれません。
5. 4つの場所を結んで
ここまで、はんぺんは特に目的なく行動してきました。気ままに学園中を歩き、誰かの膝に乗っては、誰かの猫じゃらしを追うという、案外誰とでも仲良くできるところが明らかになりました。「お散歩役員」と言いながら特定の仕事はなく、こうして学園内を歩き回りながら、3,000人を超える生徒と時に遊んでは、生徒たちの共通言語になっています。時には、先程の歩夢と璃奈・愛のように生徒同士を会わせることもあります。3+1つの「分室」にとどまらず、この学園のあらゆる場所のあらゆる人々を結びつける存在なのかもしれません。虹ヶ咲は自由によって集まり、結ばれた学園であり、それが「役員」である猫のお散歩に象徴されているのです。
6. 懐古と未来
今回、古参のニジガクファンにとっては分室活動を思い出す懐かしい回だったと同時に、もう1つ懐かしさを感じるポイントがありました。各パートの間に、「にじよん」というタイトルコールとアイキャッチが入ったことです。これはアニメ化以前のボイス付きコミックだったころの『にじよん』にあったものです。
今日、映画『虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 完結編 第1章』の予告編が公開されました。ファンの反響としては、これまでと少し違う画風で戸惑っている人が多いように見えました。そんな中に投下されたのが、昔を思い出す『にじよん』でした。猫が気ままに歩くように、一貫性なく (一貫性がないのにやむを得ない部分は多々あるのですが) 変化を続ける『虹ヶ咲』の初期の頃を思い出しました。
実はこの中にも映画のビジュアルディレクターを務めるけろりらさん*2の作画が使われていたそうです。懐古の中にも、未来あり、ですね。