普門寺飛優のひゅーまにずむ

好きなものについて不定期に語ります。

ラブライブ! 聖地の個人的な思い出 ~μ's編 (東京)~

 本業に一段落がつきました。できないことも多いですが、人生で最後の春休みを、可能な範囲で謳歌したいと思います。

 ところで、ラブライブ! スーパースター!!』がついに本格始動しました。舞台が渋谷区から港区、表参道周辺ということで、『サンシャイン!!』はもちろん、同じ東京でも観光地だった『虹ヶ咲』と打って変わって、今までで一番都会的な舞台なのではないかと感じます。もっとも、何が都会かは人によって感じ方が違うでしょうが。

 まだアニメも始まっておらず、聖地巡礼にも行っていませんが、東京にずっと在住している私は、もちろんこのエリアに行ったことがあります。そればかりでなく、今までを振り返ると、ラブライブ! シリーズの各タイトルが始まる前のそれぞれの聖地にも、少しずつかかわりがあったことがわかってきました。

 そこで、今までのシリーズ聖地の思い出について語ることにしたいと思います。基本的に「ラブライブ! と関係なく訪問した」思い出を優先しますが、今までの聖地巡礼の簡単な振り返りも兼ねることにします。今回は第1弾のμ’s編です。

 もしかすると今後、本格的な聖地巡礼記のようなものも掲載するかもしれません。

 

目次 

 

  1. 神田明神

 ラブライブ! シリーズの聖地の中で私が最も好きな場所です。ラブライブ! を抜きにしても、ここは聖地です。 

 平将門公を祭神とするこの神社を私が最初に訪れたのは、2010年の8月でした。まさにラブライブ! がスタートしたばかりの時期です。当時ラブライブ! どころかアニメ・ゲームにもほとんど興味がなく、当然アイドルにも興味は皆無で、神社側も一切関知していなかったのもあり、以後頻繁にここを訪れるようになることは当時の私は予想していませんでした。それどころか神社巡りすらも趣味の対象外で、偶然学校の社会科の先生に連れて来られなければ、ここを訪問することはありませんでした。

 次の訪問は2013年2月でした。このときは無印1期の放送真っ最中。当然、聖地巡礼に来ていたラブライバーも少なくなかったでしょうけれども、残念ながら私はラブライブ! を関知していませんでした。再三告白する通りアイドルに一切興味がなかったのです。このときはある長旅へ出発したところだったので、安全祈願のために参拝しました。この頃には社殿の右側あたりにスカイツリーが聳え立つようになっていました。以後、これは神田明神の印象的な光景になりました。

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神田明神から見える東京スカイツリー (2013. 2. 3)

 ラブライブ! 好きになってからは頻繁に訪れていました。一番行ったのは『サンシャイン!!』TVアニメの頃と思います。2017年と2020年には初詣に訪れ、他の年も新年の頃に立ち寄りました。元旦に行くときはだいたい朝4時くらいに到着するのですが、人の少ないその時間帯でも拝むまで20分ほど待つことになります。冷たい空気と人込みに包まれながら、新年の願掛けに行く時間が今では恋しいほどです。

 2018年に神田明神にEDOCCOと呼ばれる文化交流館が完成しました。2029年に創建1300年を迎えるのを前にホールやショップを備えた施設として設置されました。社殿とは地下道で結ばれているそうです。ショップや茶屋は休日には観光客で賑わっていました。館内は覗いただけですが、時々出店で出している甘酒やお汁粉をいただくことはありました。また、ここの名物として『神社声援 (ジンジャエール)』も知られています。

 

  1. 秋葉原

 括りは大きいですが、μ’sの活動の舞台の多くが秋葉原に位置しています。 

 オタクの街として知られた秋葉原ですが、実は私が秋葉原に遊びに行く頻度はそれほど高くありませんでした。昔の思い出といえば、神田・万世橋にあった交通博物館を何度か訪れたことです。2004年頃まで何度か行っていたようです。読んだことはありませんが、実はここもμ’sのSIDで登場したことがあるそうです。

 μ’sAqoursがスクールアイドルと出会ったのが、UTX高校こと秋葉原UDXUDXビジョンです。私は2020年の2月、ここで、まさに今年の4月からお世話になる方々と出会いました。6月にそれが決まった時は、自分がラブライブ!の人生を生きている = I live LoveLive daysだと、密かに思ったものです。

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秋葉原UDXディスプレイ (2020. 2. 9)

 秋葉原ラブライブ! 関連の催しものといえば、2019年のスクフェス感謝祭に立ち寄りました。ベルサール秋葉原の1階のオープンスペースで展示物を観覧したり、ガチャを回したりしていました。ステージは時間的に観ることができず、雰囲気だけでしたが、ちょうど『スクスタ』の始動直前だったこともあり、盛り上がりを見せていました。 

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スクフェス感謝祭のにぎわい (2019. 9. 22)
  1. 竹むら

 これは完全なる聖地巡礼ですが、一度訪問しています。私はμ’sだと高坂穂乃果推しなので、行っておかねばならない場所の1つです。ここが高坂家である『穂むら』なのです。

 一緒に行った友人から某特撮作品の聖地でもあると聞きましたが、『ラブライブ!』では内装は異なるものになっています。1930年の建築で、東京都選定の歴史的建造物となっています。

 ここの名物は『ほむまん』。……ではなく、『揚げまんじゅう』と『あわぜんざい』です。池波正太郎もここの汁粉を愛好していたとのことです。 

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竹むら (2017. 10. 12)
  1. 東京駅・行幸通り

 私は鉄道旅行が好きなので東京駅の雰囲気はもともと好きでした。1914年に開業した東京の中央駅であり、皇族のご乗用でも起点となる象徴的な駅です。丸の内側の赤レンガ駅舎は開業当初からのもので、重要文化財に指定されています。駅の中央と両翼に位置するドーム屋根も開業当初からの姿ですが、1945年5月の空襲で崩壊し、1947年以来長年ドームの無い仮復旧された姿で営業していました。戦後、赤レンガ駅舎を解体し、代わりに駅ビルを建設する計画が何度も立ち上がりますが、最終的に赤レンガ駅舎を復原することに決まり、2012年に完成しました。実は私は仮復旧状態の駅舎の実物をきちんと見たことはないのですが、書籍や映像で何度も見た姿で、十分に親しみがあります。

 ただし東京駅舎自体はアニメには一瞬しか登場しません。例として、第1期第10話でドームの内側の改札口が映ります。一方で、シリーズ全体でも最も印象的ともいえる場面に、当駅と皇居を結ぶ行幸通りが登場します。

 ご存知、Snow halation』のMV*1です。

 行幸通りの73 mもある幅員の中央部分は、普段は歩道として、皇族や来賓が利用するときは専用の車道や馬車道として用いられます。MVでは、ここでμ’sがダンスしている姿が見られます。周辺の風景は編集されており、特に駅舎は一切登場しなくなっています。

 ライブでの色変え*2による再現で有名なイルミネーションは、この場所で毎年年末に行われている東京ミチテラスがモデルと思われます。1999年から2005年まで開催されていたイルミネーションイベント東京ミレナリオが、東京駅舎の復原完成に伴って2012年に再開されたものです。ただし、『Snow halation』のシングル版が2010年、TVアニメ版が2014年なので、シングルでは『ミレナリオ』を、アニメでは『ミチテラス』をモデルにしているというほうが正確です。

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東京ミチテラス (2018. 12. 26)
  1. 根府川駅

 「東京」からは少し離れますが、アニメ第2期第11話でμ’sが解散を決めるシーンに登場します。ちなみに有名な話ですが、このシーンに登場する海岸は小田原市の反対の端にある国府津に位置し、駅とは全く別のところですが、『サンシャイン!!』でも東京から沼津に帰る途中で全く同じ海岸と駅が登場することから、μ’s東海道線に乗って海岸に行ったことには間違いありません。ラブライブ! の世界にはそういう場所が存在するというだけの話です*3

 東海道線の中でも最も海に近い駅の一つで、北側を崖に、南側を海に完全に挟まれています。2017年9月までは、支線を除く東海道本線 (東京―神戸間) で唯一の無人駅でした。風光明媚なオーシャンビューの駅として知られ、鉄道ファンからの人気も高い場所です。豪華列車『TRAIN SUITE 四季島』が立ち寄ったこともあります。

 2018年に聖地巡礼を兼ねて下車しました。天気はあまり良くない日でしたが、ホームから少しの間海を眺めていました。無人駅なので、乗車駅証明書を取って電車に乗りました。 

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根府川駅駅舎 (2018. 3. 3)

 駅の雰囲気が良いことも確かですが、この駅が聖地になった理由の一つは、私の想像ですが、この駅が無人駅だったことにもあると思います。あの時あの瞬間、あの駅にいたのはμ’sの9人だけでした。9人だけのμ’sで、その中の誰が欠けても、誰を追加してもμ’sではない。そんなμ’sを守るために、μ’sは解散を決めたのです。海岸の最寄り駅の国府津では、そうはいかなかったでしょう。 

 ところで、そのシーンにも一瞬だけ映りますが、この駅にはこのような碑が建てられています。根府川駅の開業から1年も経っていない1923年9月1日、大正関東地震によってこの駅のある斜面が駅と、入線してきた列車ごと崩壊し、100名以上が犠牲になりました。この碑はその慰霊碑です。この時に沈没した機関車のナンバープレートが鉄道博物館に保管されているそうですが、私は見たことがありません。何故この碑がアニメに映るのか意味を考察してみたことがありますが、結論が出ませんでした。「そこに偶々あっただけ」という可能性が高いと思います。

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ラブライブ!』第2期第11話で震災慰霊碑が映るシーン

 

 東海道線根府川まで下った勢いで、次回の聖地紹介はAqours編としたいと思います。

 今回紹介したのは私の思い出に残った場所だけで、ラブライブ! シリーズに登場する場所は魅力的な場所ばかりですので、またの機会に紹介できたらと思います。

*1:アニメ第2期第9話も同様

*2:μ’s FINAL LoveLive』以前はUO

*3:音ノ木坂学院が既にそうで、モデルになった建物は現地に存在しない

2020年は推し作品の当たり年!~『アニガサキ』と『ウルトラマンZ』~

 読者の皆様、2020年、お疲れ様でした。

 何とは言いませんが世界が大きく変わってしまい、2020年は混乱のさなかにありました。日常生活ももちろんのこと、人と会うこと、旅行、イベント、ありとあらゆるものが気軽にできなくなり、昨年まで旅行やライブを楽しんでいた私には辛い一年でした。もっとも、生活、経済面に何の影響もなかったのは幸運であったと思います。

 ところが、その2020年は『当たり年』でした。

 お前は何を言っているんだと言われそうですが、以前から好きだったコンテンツが大ヒットし、直接は会えなくてもTwitterなどで、たくさんのファンと一緒に盛り上がることができたのです。

 Pixivでクロスオーバーを書くほど好きなもの。一つは『ラブライブ!シリーズ』。そしてもう一つは『ウルトラシリーズ』です。

 ラブライブ!にはまったのは5年前。Aqoursが本格的に活動を始めており、μ'sに終わりが囁かれていた、そんな時期でした。劇中時間で1年というごくわずかの時間に様々なことが起こり、魅力的なキャラクターたちが思い悩み、ぶつかり合いながら成長していく姿に魅了されて早5年が経ちました。シリーズも当時からさらに2作増え、元号も跨ぎ、より大きな作品群へと育っていきました。

 ウルトラマンは”本来の視聴者層”だった子供の頃から好きでした。劇場版ダイナ~コスモスくらいまでがちょうどターゲット世代でした。暫く興味が離れていましたが、4年前にYouTubeでオーブに出会いました。昔のウルトラマンしか知らなかった私には斬新すぎる人物設定、ウルトラマンが暴走するという衝撃的な展開やライバルとの確執劇にまさに"Un coup de foudre"になってしまい、以後オタクとしてウルトラマンやキャラクターたちを推すようになっていました。

 ここでは1年の (主に下半期ですが) 総括として、ヒットを振り返り、「大好きを叫ぶ」場としたいと思います。偶然とはいえ、両者には共通点とも思える点が見受けられます。『ニジガク』や『Z』は登場させる予定がありませんが、クロスオーバー作品を書いているので、将来の創作に向けて「ネタ帳」的な要素も持たせる予定です。

 以下、できるだけ内容には深く触れずに語ろうかと思いますが、両作品のネタバレを含みますので、ネタバレを受けたくない方は作品を完走してからお読みになることをお勧めします。

 

1. 作品紹介

1. 1. 『ラブライブ! 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会

 TVアニメ『ラブライブ! 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』(以下、アニガサキ) は、ラブライブ! シリーズの同名のプロジェクト (以下、ニジガク) の当初予定されていなかったアニメ化であり、シリーズ第3作にあたります。東京・お台場にある巨大私立校、虹ヶ咲学園を舞台に、(現時点では)*1 9人のスクールアイドルがソロアイドルとして活動をする作品です。10月4日に放送が開始され、先日12月26日に全13話が完結しました。

 

1. 2. 『ウルトラマンZ』

 特撮TVドラマ『ウルトラマンZ』は、ウルトラシリーズの最新作であり、TVシリーズ第24作にあたります*2。5年前の『X』以来の主人公が所属する防衛隊が復活し、防衛隊「ストレイジ」の保有する特空機 (巨大ロボット) とゼロの自称弟子・ウルトラマンゼットが活躍します。6月20日に放送が開始され、12月13日に全25話が完結しました。

 

2. 私説・ヒットの理由

2. 1. 基本に忠実~ライブとバトル~

 2作品は片や青少年以上向けのアイドルアニメ、片や子供向けの特撮ドラマと、まったくジャンルは違います*3。それでもその両方に言えるのは、基本に忠実だったということでしょう。ドラマのストーリーも大切ですが、まず何よりも重要なパートはアイドルアニメにおいてはライブ、特撮においては戦闘であることは間違いありません。それには両作品とも惜しみなく技術を投入し、最高のものを見せてくれたと思います。

 『アニガサキ』はソロアイドルである虹ヶ咲の特長を活かし、13話で計12回 (うち11曲が新曲) のライブパートが放映されました。これは過去シリーズで7~8回であったことを考えると大幅に増えたといえます。ラブライブ! の特徴であるライブ会場以外で突然始まるライブパートもフルに生かされ、個性溢れるメンバーたちが生み出す世界観をステージ*4として表現していたのも素晴らしく、どの子も魅力的に感じました。9話までは毎話、10話以降は全体の流れの中で、ストーリーで描かれたことをライブパートに落とし込むという技術も、唐突さを感じさせないものでありました。

 『Z』では、これまでウルトラシリーズにありそうでなかった防衛隊の巨大ロボットが登場。往年のロボット怪獣を模ったライドメカたちは、「主役の活躍を食わず、噛ませ犬にもならない」という防衛隊の難しいラインを見事にクリアしていたと思います。アクション、カメラアングル、エフェクト、何から何まで毎度毎度息を呑みました。歴史的でなかった回はなかったのではないでしょうか。

 

2. 2. 丁寧なストーリーと描写

  そうはいっても、ストーリーが良くなければ良質な創作物としては認められないもの。両作品は、その点においても抜群に輝いていました。

 従来のラブライブ! のストーリーは、1期でグループの結成が、2期でラブライブ! (大会) への挑戦が描かれるのが基本でした。しかし『アニガサキ』ではグループ活動もラブライブ! への出場も行いません。その代わりに、各メンバーの特色を生かせるステージを模索する筋書きをメインにする個人回を中心に構成されています。1話1話が独立していながらそれはメインの流れに対して枝葉ではなく、メンバーの成長がわかるような繋がり方をしており、同好会全体としてもステップアップしていき、各回の立ち位置は非常に明確です。ばらばらの個性が、ばらばらに動くだけでなく重なり合って成長していく虹ヶ咲のコンセプトを体現した筋書きともいえます。

 『アニガサキ』は心象描写も非常に豊富です。台詞回しは当然として、またメンバー同士の位置関係が表現に使われるのは過去作でもありましたが、光の加減や道路標識などの背景の造形物、花言葉から果てはダイバーシティ東京ユニコーンガンダムに至るまで、およそ画面に映りこんでいるもので無意味なものはないほどでした。つまり、一度見るだけではそのすべてを把握することはできず、何度も見ることで何度でも発見が得られました。また、やはり描写に気づく能力は人によって違うので他人の感想を見ることも楽しさに繋がり、実況が大いに盛り上がったともいえます。

 「スルメ」力では『Z』も負けてはいません。脚本の吹原さんは残念ながら放送開始前に急逝されましたが、田口監督は本作について「最終回から逆算して話を作った」と語っています。つまり、先の回を見てから過去の回を見返すとそれまで気づかなかった伏線に気づく、というわけです。主人公の苦悩、暗躍するキャラクターたちの行動、その週にはわからなかったものでも、意味を持って浮かび上がってきます。それに、もちろん特撮ヒーローですから玩具の販促もしなければならないのですが、あまりに突飛な見た目の喋る魔剣・ベリアロクを魅力的なキャラクターに仕立て、引き立てたのは見事としか言いようがありません。

 2作品とも丁寧に作りこまれた作品で、見る人の目を釘付けにして離さない、そんな力がありました。

 

2. 3. 特色あるキャラクターの存在

 好きな作品にはやはり好きなキャラクターがいるものだと思います。箱推しであってもそれは「全員好き」ということなので変わりありません。基本的には、アイドルアニメならアイドルを、ヒーロードラマならヒーローを応援するものと思いますが、今年の両作品では異色のキャラクターが大活躍しました。

 『アニガサキ』の主人公・高咲侑はアイドルではありません。幼馴染の上原歩夢と一緒にスクールアイドル同好会に入部しますが、スクールアイドルたちをサポートしつつ、一番のファンとして応援するという「視聴者と同じ立場」にあるキャラクターです。キャストの矢野妃菜喜さんの「ヒトリダケナンテエラベナイヨー!!」という決め台詞も相まって、共感できた方も多かったのではないでしょうか。侑は「アイドルがいて、ファンがいる」ことが大事だと考えており、実際にアニメのストーリーでも侑を筆頭にしてこれまでの作品であまり描かれてこなかったファンの人生がアイドルによって変わっていく様子が描かれていきます。最後に侑が大きな一歩を踏み出すシーンに涙した方も多かったのではないかと思います。

 『Z』のストレイジ隊長・蛇倉正太の正体は、なんと4年前の『オーブ』で主人公・ガイのライバルだったジャグラスジャグラーでした。ジャグラーといえば、光に選ばれなかった男。それが、ウルトラマンのように周囲に正体を隠しながら、同時に「ウルトラマン」としてウルトラマンにできないことをいくつも成し遂げたのです。ウルトラマンは人類の守護者でありながら人類の文明に干渉することはできません。しかし、ジャグラーウルトラマンではないので、それができます。人類をウルトラマンなしで自営できるように育てながら、同時に痛い目に遭わせて正義への妄信と暴走を戒める、という企みは、今までのシリーズでも彼くらいにしかできなかったでしょう。一方で彼の一番の望みもまた大切な人々を守ることであることも、『オーブ』の時から変わりません。目的のために黒幕の手助けをしたりと、やり方は手荒でありながら、本質が光の側にあるジャグラーの生き様に惚れ直しました。ウルトラマンではないからこそ、自分なりのやり方で人類を守ろうとする、「防衛隊長」という存在の大胆な再解釈ともいえます。

 

2. 4. ファンへのおもてなし

 『アニガサキ』1話開始早々に侑と歩夢の2人が食べていた「レモン塩カスタードコッペパン」。これ、実は……。

  今年のエイプリルフールにかすみが作っていたコッペパンなのです。このコッペパンはTVアニメのパイロット版にあたる『無敵級*ビリーバー』のMVにも登場します。これや、虹ヶ咲が本格的に曲を出す前に展開されていた4コマ漫画*5など、駆け出しからニジガクを応援していた人にとって嬉しいネタが多数挟み込まれていました。ライブパートにはスクスタのカードイラストも多数登場しました。これも頑張って集めたファンにとっては感動的なものだったでしょう。愛は報われなくてもよいですが、報われると最高なのは言うまでもありません

 シリーズも長くなると、かつてその作品を愛していた人が作品を作るようになります。『Z』ではそんな制作陣の愛がこれでもかと詰め込まれました*6。ゼロの弟子で、すなわちレオの弟子の弟子で、エースに名付けられたゼット。怪獣は『Q』や『マン』の登場怪獣が多く、歴史に名を残した怪獣たちが現役で大暴れする姿を毎週のように見られました。そして『オーブ』の登場人物であり、ダイナと関係も深いジャグラーの存在もあってか、それらの作品を想起させる要素が多数ちりばめられていました。登場した怪獣の初登場や、共通点の多い回をYouTubeで再配信する企画も行われていました。直接会いづらい時代だからこそ、制作サイドとファンが作品愛を通して繋がれたような気がしました。

 

 本稿を通じて、何かを論じたかったとか、そのようなことはありません。2020年の得に下半期、「どっちも楽しかったなあ」と、余韻に浸るのにお付き合わせした次第です。

 まだまだ状況が予断を許さないので、年度内のイベント参加はおそらくオンラインで参戦可能なものに限ることになりそうです。直近ではウルトラヒーローズEXPOやAqoursのカウントダウンライブをその方法で視聴するつもりです。未来も明るいとはいえず、自在に動ける範囲も狭くなった今、2021年は「手の届く現在」をもっと大事にしていきたいと思い、2020年の締めくくりとさせていただこうと思います。年明けは本業が忙しくなりそうですが、それが済んだら可能な限り大好きを叫んでいきたいです。

*1:プロジェクト自体には三船栞子が参加して10人になっており、さらなる登場人物の追加も期待 (?) されている

*2:『Q』『ザ☆』を含み、『SEVENX』『QDF』『大怪獣バトル』『列伝』『クロニクル』系を含まない

*3:私のように両方が好きなファンはなぜか多数見かける気がする

*4:別作品の用語で「領域展開」などと呼ばれていた

*5:キャラ崩壊で知られたちょぼらうにょぽみ先生の漫画のネタも登場

*6:もっとも、これはニュージェネ以降のウルトラシリーズに共通して言える

スクスタ20章を読み解く ~理事長の娘とスクールアイドルの信念~

 初めまして。普門寺飛優(ふもんじ ひゅう)と申します。

 pixivで2次小説を書いています(1年以上更新できてない……)。

 初回の今回は、ネットを騒がせたラブライブ! スクールアイドルフェスティバル ALL STARS』(スクスタ) 第20章について感想を語りたいと思います。

 10月31日、ラブライバーを多数フォローしている私のTLは騒然となっていました。

「新キャラクターを追放しろ!」

シナリオライター、運営を首にしろ!」

「虹ヶ咲学園を廃校にしろ!」

 元々難解なゲームシステムなどで、不満の噴出することの多かったスクスタですが、それはあまりに見ていられない光景でした。

 その「元凶」であるストーリーを読んで思ったことを書き込んでいきます。初投稿でさらっと仕上げようと思っていましたが、超々長文になってしまいました。

 なお、本稿は20章のネタバレ全開です。また、内容について個人的な咀嚼と解釈を目的としておりますので、まだ20章を読んでいてネタバレを回避したい、また擁護意見など見たくもない方は今すぐお戻りください。

 また、21章以降には続きません。

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