普門寺飛優のひゅーまにずむ

好きなものについて不定期に語ります。

支離滅裂、ゆえにひとつ ~にじよん あにめーしょん2 感想週報①『同好会とビクトリーロード』~

ニジガクは、爆発だ!
(『にじよん あにめーしょん2』第1話『同好会とビクトリーロード』より
/会©2022 プロジェクトラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 ©プロジェクトラブライブ!にじよん あにめーしょん2)

 『にじよん あにめーしょん』、まさかの2期が放送開始です。

 4コマ漫画の世界観をベースに、あくまで180秒で「『虹ヶ咲』のアニメ」であることを貫いた1期から1年が経ちました。2期もその路線に期待がかかりますが、その最初に提供されたのは「混沌」そのものでした。

1期感想はここから

carat8008.hateblo.jp

ここまで

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1. 統一感ゼロで突っ走れ!

 開始0秒で『繚乱! ビクトリーロード』でおなじみの特攻服*1に身を包んだしずくが出現。流石の大女優のこと、完璧な不良に……なりきれていません。同じ服を着ているのにゆるい彼方と璃奈がいるかと思えば愛とミアはよりガチめの不良と化していました。そこに現れるは熱血教師・せつ菜。さっきまでガチの不良だったはずの愛は設定を忘れて課題のエプロンを一瞬で完成させる天才ぶりを披露します。そこに数学を教えに果林が現れます。もちろん数学なんか教えられるはずもなく、せつ菜を誘惑し始めました。窓の外からはエマと嵐珠がカチコミを仕掛けてきました。

 突然場面が切り替わり、魔王化した歩夢が学園を支配していました。さっきまで一触即発だったはずのしずくとエマ・嵐珠は一瞬で友情を築き、歩夢に立ち向かいます。

 ……と、ついついあらすじをすべて書いてしまいましたが、これを読んで1ミリも理解できなかったあなたは正常です。そこには統一感も整合性も何一つないのですから。この集団の中にいると、ある意味で一貫していることが取り柄であるかすみは終始ツッコミ役になり、そのツッコミが追い付かないという事態になります。

 そしてそのまとまりのなさこそが虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会なのだ、と話はまとめられてしまいます。いつの間にか12人全員が特攻服を着ていて、『繚乱! ビクトリーロード』がかかり、背景にロゴが現れて大爆発!

 なんなんだ、このアニメは……。

 話がこれで「まとまって」しまっています。「収拾なんてつかなくていい」という嵐珠の言葉には、これまでニジガクが貫いてきた個性という説得力があり、支離滅裂のまま爆発してもそれにニジガクらしさを確かに感じてしまうのです。

 「繚乱」は入り乱れていることを指します。よく考えればとにかくカオスに入り乱れるというコンセプトにはどこまでも忠実な回でありました。『繚乱! ビクトリーロード』の世界観を楽曲よりも短い3分でばっちり表現してしまうのが、やはりアニメ『虹ヶ咲』シリーズらしさだと思います。

 最後に、この映像が侑の脳内イメージだったことが明かされます。これだけ個性も進む方向もバラバラなニジガクメンバーが全員好きで全員を支えていれば、頭の中がこのくらい散らかっても当然ということでしょうか……。

 

2. 繚乱! ビクトリーロード

 今回題材となったのは、ニジガクを代表する楽曲『繚乱! ビクトリーロード』でした。確かにネタ曲ですが、ネタで言っているわけではありません。

 仮に、ニジガクから1曲だけ選ぶとします。最初の曲は確かに『TOKIMEKI Runners』であり、この曲はニジガクファンならどの派閥・どの時期の人でも思い入れひとしおであるはずですが、これが果たしてニジガクを代表しているといえるでしょうか? 全員がソロで全くバラバラに活動しているという実態を表現できているとはいえないと思います。どちらかというと『虹ヶ咲』の物語の根底を歌った曲であり、そのストーリーを知ってから (あるいは、知ろうとするタイミングで) 聴くべき曲という感じもします。

 ならば、「ヒトリダケナンテエラベナイヨー!」とばかりに12人のソロ曲をすべて選ぶべきでしょうか。時間があればそれがベストですが、例えばフェスイベントでそれをやるのは無理があります。

 そう考えると、『繚乱』は12人の自己紹介になっており、ラブライブ! シリーズの中でもキャラクターコンテンツの側面が強いニジガクの特徴を捉えやすいと思います。振り付けも思い思いに暴れるだけであり (サビには全員で揃える振り付けもありますが)、個性が出ます。曲も衣装もキャッチーで覚えてもらいやすいですし、ニジガクの掴みとしてこれ以上ない楽曲になっている気がしませんか (それゆえに、盲目的にやればよいというわけではない扱いの曲だとも思います)。

 と、私は勝手に思っているのですが、実際には『繚乱』はそれ以上の活躍をしています。なんと、ニジガクを飛び出し、ラブライブ! 以外の作品のキャラクターと一緒に歌った実績までできているのです。『BUSHIROAD ROCK FESTIVAL 2023』では『BanG Dream!』からMorfonicaとRAISE A SUILEN、『D4DJ』からPeaky P-key・燐舞曲ロンド・Lyrical Lily、『異次元フェス アイドルマスター☆♡ラブライブ! 歌合戦』では『サンシャイン!!』『スーパースター!!』『蓮ノ空』『デレマス』『ミリマス』『シャニマス』と全作品のキャラクターが登場してそのイベントオリジナルの歌詞を歌唱しています。ほぼライブ披露の度に歌詞の組み合わせが変化しています。

 ニジガクらしさと異様な顔の広さを兼ね備えた末恐ろしい曲です。

 

3. 虹ヶ咲学園校歌

 1期では『わちゅごなどぅー』で侑が初めて楽曲に参加した『にじよん』ですが、2期でも侑を加えたメンバーで主題歌を歌っています。それもそのはず、2期の主題歌は「校歌」だから、スクールアイドル以外も歌って当然です。ラブライブ! シリーズ14年の歴史の中で校歌が登場するのは史上初です。

 歴史30年に満たない*2学校のため、今風な部分もありつつも、意外に校歌らしい校歌だと思いました。それが、アニメではRock Ver. で使用されています。正式な校歌なのかは明言されていませんが、虹ヶ咲学園ならそれでもおかしなことはありません。シングルには、「原曲」と思われるPiano Ver. も収録されており、聴き比べが楽しみです。

*1:何度も述べているが、公式には「学ラン」

*2:東京ビッグサイトの歴史から類推