普門寺飛優のひゅーまにずむ

好きなものについて不定期に語ります。

22人の、星空への助走 Liella! 5th LoveLive Tour ~Twinkle Triangle~ 東京公演DAY2感想

3つの学年それぞれの力と、それらが1つにまとまった煌めきが今回のカギ

 2月11日 (日・祝)、もはや行き慣れた武蔵野の森総合スポーツプラザへ『Liella! 5th LoveLive! ~Twinkle Triangle~』東京公演DAY2に行ってきました。11人のLiella! として2度目のライブであり、これまでのLiella! の軌跡を振り返り、そして強い曲を畳みかけるという構成のライブでした。その中では、アニメの放送がない期間にLiella! のキャストたちがどう向き合ってきたのかが見て取れました。

 

前回、4thライブも「ムサプラ」にて

carat8008.hateblo.jp

 

 

セットリスト一覧

1. Starlight Prologue

2. MIRACLE NEW STORY

MC

3. Tiny Stars

4. Welcome to 僕らのセカイ

5. バイバイしちゃえば!?

6. Blooming Dance! Dance!

7. 1.2.3!

8. Stella!

9. クレッシェンド ゆ・ら

10. ベロア

11. Dancing Raspberry

12. オルタネイト

幕間

13. FANTASTiC

14. Day1

15. ノンフィクション!!

MC

16. Jump Into the New World

17. Sing! Shine! Smile!

18. Wish Song

19. シェキラ☆☆☆

アンコール

20. WE WILL!!

21. キラーキューン☆

22. UNIVERSE!!

MC

23. 未来は風のように

Wアンコール

24. シェキラ☆☆☆

 

1. ストーリーなら現実 (ここ) にある

 今回のライブが始まる前の印象としては、何をやるのか全く予想できないというものがありました。Liella! にとってはもはやいつものことですが、前回のライブ千穐楽から、1月の福岡公演までわずか4ヶ月しか経っていませんでした。その間、ストーリーの展開も特になかったばかりか、新曲も今回のライブのために書き下ろされた『シェキラ☆☆☆』のシングルに収録された2曲しかありませんでした。つまり、ラブライブ! シリーズの基本である「何らかのストーリー展開をライブに落とし込む」ということが不可能になります。2ndライブや4thライブではアルバムが発売されていたため、新曲の数には余裕がありました。

 ただ、ラブライブ! シリーズのお決まりとしてもう一つ忘れてはならなかったのは、「ストーリーが進んでいないときは現実が進んでいる」ことでした。歴代ではAqoursがコロナ禍を乗り越え、新生6thライブツアーに漕ぎ着けるまでがそれに該当します。このような期間には、キャストが力をつけ、パフォーマンスが大きくブラッシュアップされるため、ライブもより一層見応えのあるものとなります。

 Liella! 5thライブは、そんなキャストの成長を目の当たりにするライブでした。

 それを象徴するように、1曲目は1期最終話の予選曲『Starlight Prologue』でした。この歌の披露を機に、5人だったLiella! は勝つ意味と、みんなで笑顔を分かち合うことを結び付け、Liella! の躍進の道が始まりました。2期生にとっては、憧れの楽曲であり、アニメ2期でもそれを意識した演出がありました。その始まりの曲からライブを始めることで、Liella! の歩みを振り返るとともに、これがそれからの2年以上での成長を披露する場であるという宣言にもなっています。1曲目らしからぬ選曲のような気もしますが、そもそも曲名に「Prologue」と入っているのです。

 このようなコンセプトであるからか、今回は1期・1stライブの曲からかなり多くの楽曲がセットリストに入りました。挿入歌は『Tiny Stars』『ノンフィクション!!』『Wish Song』と、4thライブで先行して11人化していた『常夏☆サンシャイン』以外すべて、、それ以外も『バイバイしちゃえば!?』『1.2.3!』『Day1』、EDテーマの『未来は風のように』、さらに一部公演のみですがOPテーマ『START!! True dreams』と、さながら「シン・1stライブ」という色の濃いライブでした。私個人としては、『Sing! Shine! Smile!』と『Wish Song』という各期で一番好きな挿入歌が連続していたので、私が思うLiella! らしさを今の11人にも見出すことができ、とても嬉しかったです。その直後の曲が『シェキラ☆☆☆』だったことも、私のよく知るLiella! とまだ誰も見たことがない未来のLiella! が繋がっていることを教えてくれました。

 これらの楽曲、また『Sing! Shine! Smile!』などの9人楽曲は、オリジナルの『Tiny Stars』以外はすべて原曲と異なる歌割りと振り付け (『バイバイしちゃえば!?』は2期生4人、『1.2.3!』は3期生2人、それ以外は11人) で披露されており、1期生にとっては一度覚えた曲を覚え直すことに、2期生以降にとっては観る側として繰り返し観てきたパフォーマンスに元々なかった要素として自分が組み込まれることとなり、完全な新曲を覚えるのとはまた違う苦労があったと思います*1。そんな中で、もちろんオリジナルも良いものなのですが、どの曲も当時を超えるものになっていたと思います。

 

2. 1→2→3

展示ブースのパネル。写真では見切れてしまっているが、1期生の両側に2期生と3期生が揃っていた

 入場前、展示ブースにあったLiella! のパネルが学年ごとに分かれていたことに、私は注目していました。Liella! は、学年ごとに少しずつ異なる雰囲気を纏っています。1期生は個々の能力が高く、それぞれの課題を自力で乗り越えて、点と点を線で結ぶようにして1つの星座になりました。2期生は、どちらかというと連帯感が強く、11人の中でもひとまとまりのイメージがあります。3期生は、どのようにそうなるのかはまだ描かれていないものの、2人しかおらず、2人とも人とあまり馴れ合うタイプには見えないながらも、2人だけにしかわからない何かがある濃密な関係に見えます。このように、誰が歌うか、誰が前面に出るかで雰囲気が変わるのを楽しめるライブになることを、パネルを見ただけで予期していました。

 ライブ前半は、先程も述べた通りLiella! のこれまでを振り返る内容になっていました。『Starlight Prologue』に始まり、2曲目の『MIRACLE NEW STORY』は、先日サービス終了が発表された『スクフェス2』のタイアップ曲でもありますが、きな子がセンターの曲として、実際にその雰囲気の変化を楽しめるものになっていたと思います。

 MCのあと、事前のアニメーション映像で予告されていた『Tiny Stars』が早速披露されました。この曲に限っては、1stライブ当時の演出を何一つ変えていないというのがポイントだと思います。変わったのは、伊達さゆりさんとLiyuuさんの実力だけ。全くごまかしが効かないステージで、見事にパフォーマンスを成功させました。伊達さんは (身長以外は) とても大きくなったなと感じました。これが2024年のクーカーです。

 「クーカー」から始まったLiella! は、5人になり、次の始まりの季節を迎えました。『Welcome to 僕らのセカイ』も、オリジナルに近いのですが、1つだけ大きく違うことがあります。「え!うそ!?」が、きな子のパートではなくなっていたのです。3rdライブではステージのどこからきな子役の鈴原希実さんが出てくるのかに公演毎に変化を付けていましたが、今回は誰が出てくるかも変化していたとのことです。千穐楽では、メイ役・薮島朱音さん、夏美役・絵森彩さん、冬毬役・坂倉花さんがひょっこり登場しました。

 曲の最後でバトンを渡された2期生がトロッコに乗って披露したのが『バイバイしちゃえば!?』です。本来1期生の曲ですが、1stライブでは後からスクールアイドルになった千砂都とすみれのデュオ曲となっており、迷いながら自分もスクールアイドルになっていくというシチュエーションは共通しています。その2期生が3期生にバトンを渡す曲が、『Welcome to 僕らのセカイ』のアンサーソングである『Blooming Dance! Dance!』でした。

 1期生から2期生、2期生からついに3期生へとバトンが渡り、結那さんと坂倉さんが歌ったのが『1.2.3!』です。『バイバイしちゃえば!?』同様、1stライブを構成したB面曲でありながら、3期生に至るLiella! の物語の中で曲名が大きな意味を持つことになりました。結那さんは、「1期生から3期生に託された曲」、つまり「1 to 3」としてこの曲を解釈したと言います。ダジャレが好きな結那さんならではの解釈ですね。

 ここまでは、年を経たことによって出てきたLiella! の深みですが、人数が増えたことによるLiella! の楽しみも、全体曲以外の形によって表されました。満を持して、というより “忘れた頃に” 披露された、アニメ1期BDの全巻購入特典曲『Stella!』『クレッシェンド ゆ・ら』は、1期生によるデュオ・トリオ曲です。実は、この2曲のメンバー構成にあるしかけがあります。『Stella!』の歌唱メンバーから千砂都を外してメイを入れるとCatChu! に、『クレッシェンド ゆ・ら』の歌唱メンバーにマルガレーテを加えるとKALEIDOSCOREになります。すると、曲の雰囲気が一変するのです。Liella! の王道的なお洒落さと壮大さを兼ね備えた曲から、メンバーを1人変えるだけで激しいロックナンバーへ。可憐でどこか懐かしいラブソングから、大人の憂いを帯びた曲へ。この見せ方を狙ってか、同じ全巻購入特典曲でも『変わらないすべて』と『Happy To Do Wa!』(表記不明) は未披露のままとされています。5yncri5e! の1期生は千砂都しかいないので、こちらの比較対象は2期生曲の『Blooming Dance! Dance!』でしょうか。アップテンポな楽しい曲調から、一気に引き締まった印象に変わります。

 私は今回、初めてCatChu! とKALEIDOSCOREのパフォーマンスを見ました。4thライブも <5yncri5e! edition>、『異次元フェス』もDAY2だったので、両方ともパフォーマンスしていたのは5yncri5e! のみでした。もしかすると、最初に5yncri5e! のパフォーマンスを見たから5yncri5e! 推しになっただけで、どのユニットを推していても不思議はない、なんなら箱推ししたいくらいの魅力がありました。

 

3. 「3次元のLiella! 」の魅力

 Liella! は、良くも悪くも「3次元」、つまりキャストの力に強みがあるグループと言われています。Liella! は「22人」。μ's時代からある言い回し (μ'sもAqoursも18人。ニジガクはそうはっきり言及されていたか定かではありませんが「27人」ということになります) ではありますが、5thライブのMCでも何人ものキャストがそう宣言していました。

 先程述べたような、キャストの成長という部分もかなりありつつ、それを間近で見られるチャンスも多いライブだったと思います。一番驚いたのは、『キラーキューン☆』(だったと思います) で、大熊和奏さんが乗ったトロッコが目の前で停止したことです。私の席はアリーナ前方のとあるブロックの「一列2番」、つまり目の前が通路という席でした。『キラーキューン☆』では、この通路を2期生と3期生のソロトロッコが往復していたのですが、どういうわけか私ブロックの前で大熊さんが止まっている時間がありました。何秒だったのかわかりませんが、私にはとても長く感じました。大熊さんはブロックの観客の姿を見渡していて、その中でこちらを向いた瞬間が何度もありました。まるでどんな人が見に来ているのかなとでも言いたげな表情で、楽しそうに見えました。目の前を通るだけならまだしも、じっと停止していると、流石に「過剰摂取」でくらくらしてきました。好きなキャストが間近に来たから嬉しいのか、間近に来たから好きになるのかも、本当のところはわかりません。確かなのは、「もうすぐ会える震えるぜ」で本当に会えたということです。

 このように、キャストに会いたいファンに大いに応えてくれるライブだったのと同時に、11人のキャストは、『スーパースター!!』の世界に生きている11人のLiella! を誰よりも大切にしている人たちです。星たちをつかまえようももがき、あるときは落ちかけた星をすくい上げ、寄り添おうとする、そして共に輝こうとする彼女たちの物語もまた『ラブライブ! スーパースター!!』であり、ゆえにLiella! は22人なのです。

 話題を呼んだのが、鈴原さんのバレンタインチョコでした。「あなた」のツンデレな後輩になりきり、ステージ上からチョコをプレゼントするパフォーマンスをしていました。この後輩は、きな子ではありません。したがって、ラブライブ! のライブとしてはこれは「禁じ手」ではあるのですが、3rdライブ頃の苦しそうなキャストたちと、今の楽しそうなキャストたちを比較すれば、私はそれを否定したいとは思えないのです。鈴原さんは、普段からSNSなど様々なところで「あざとかわいい後輩キャラ」を確立しており、それが個人としての武器になっています。それが、自己肯定感が低く、3rdライブで「惨めなMC」をした鈴原さんに、きな子と並び立つための力を与えていると考えられます。そして、これは私見なのですが、なぜ鈴原さんがきな子を「一旦置いて」おいたのかといえば、自分の力をきな子にも見てもらいたかったからだと思います。以前同じ場所で情けない姿を見せてしまった分、今度は自信を持って「鈴原希実」を見せたかったのだと考えれば、別にきな子に悪いことをしているということはないのです。ただ、薮島さんが「メイちゃんとずっと並んで歩いて行く」と言った通り、やはりその力はきな子として発揮できるのが理想型だと思うので、今の鈴原さんも発展途上であるとも言えます。

 加入から日の浅い3期生の結那さん、坂倉さんも、それぞれの形でメンバーやステージとの向き合い方を深めました。結那さんの個性といえば、やはりダジャレが真っ先に浮かびます。マルガレーテに余裕がなく高飛車な態度を取っていた頃に、そのスキルでファンと打ち解けることができた、結那さんならではの力です。それは一芸あるいはキャラ付けの観点の話ですが、結那さんの最大の美点は、マルガレーテのことを心から愛していることです。ここでいう愛とは、相手の気持ちを常に考えていることであり、常に寄り添う心を忘れないことを指します。『Sing! Shine! Smile!』を披露したLiella! に敗れたとき、マルガレーテは悔しかっただけでなく、確かにLiella! への憧れを抱いていただろうという考察をMCで語っていましたが、なかなか自分の気持ちを言葉にしたがらないマルガレーテにとっての良き代弁者であろうとする結那さんのおかげで、私たちもますますマルガレーテのことを好きになれるのだと思います。

 坂倉さんは、パフォーマンスで精一杯だった4thライブでは難しかった、冬毬を表現するということを目標にし、5thライブでもそれを達成しました。その表現力も、冬毬との向き合い方も、そして坂倉さん自身のキャラの立て方も全て、まだデビューから1年経っていないキャストとはとても思えないものになっていました。今回決まったコール&レスポンスでも、エビデンスならぬ「エビダンス」を煽り、会場を沸かせるのを大いに楽しんでいるように見えました。冬毬に比べると坂倉さんはステージ上やカメラの前で元気いっぱいな姿を見せることが多いと思います。それは後々、クールそうに見えて、実は「夏美の妹」である、血の争えない部分を表現するのに活きてくるのではないかと期待しています。

 他のキャストも、それぞれに自分の担当メンバーと向き合って今回のライブを作ってきましたが、先述した歌割りの変更が、メンバーの掘り下げに繋がる1つのきっかけになったようです。キャストの成長も、楽曲のリメイクも、過去から繋がっている「今のLiella!」を生み出した重要な要素です。私には、3rdライブの課題だった「追いつけ追い越せ」が、ついに文句の言えない形で完成されたライブだったように思えました。

 

4. 演出いろいろ

 ここからは、気になった演出などの話をとりとめも無く書いていこうと思います。

 ステージの照明類は回を追う毎に豪華になっていますね。入場した瞬間から目を引いたのはステージを取り囲むように設置された三角形のライトです。確か13個あったと思いますが、うち11個をメンバーカラーに点灯するなど、効果的に使われていました。他にも、ミラーボールやサーチライトなど、物理的にも煌びやかなライブでした。

 そんな照明効果がフルに活かされる曲の1つでもある『ノンフィクション!!』は、フォーメーションも「ギャラクシー」でした。オリジナルでは、5人が揃って右へ行ったり左へ行ったり、足並みを揃えて移動するステップがありますが、それと同時に残る6人が逆方向に移動するような動きが加えられており、人数が増えても前以上に美しくまとまっていたのには驚きました。まるで、最初から11人のフォーメーションが決まっていたかのようです。このように、11人でより綺麗に見えること、また11人でのパフォーマンスに意味を持たせることを意識して11人化させる曲を選んでいたのではないかと感じます。

 そんな中で、今回「やらなかった」曲がありました。これまでどのナンバリングライブでも欠かさなかった『私のSymphony』です。これに気づいたのは連番相手の友人で、主要曲に頼らなくてもセトリが組めるようになったこともひとつの成長だと評していました。もう一つの考え方としては、5thライブ全体がLiella! の現在地を示すことで、毎回その時その時の現在地を刻んできた『私のSymphony』の役割自体をカバーしていると見做すこともできるかなと思います。

 5thライブは、「アンコール」1つ取ってもいろいろな形があったと思います。『シェキラ☆☆☆』のあとLiella! が捌けると、その瞬間からLiella! コールが始まりました。しかし、アンコール映像が始まったことでこれまでに比べてもより短時間で打ち切られてしまいます。その映像の中でも、Liella! メンバーの音頭でLiella! コールをする演出がありました。ニジガク6thライブのアンコールラブメーターも同じですが、普通はなかなか1~2万人クラスの会場で綺麗に揃えるのが難しいアンコールの合唱が、指揮があると綺麗に揃います。これはとても気持ちのよいことで、これもLiella! からのおもてなしです。まあ、本来私たちからLiella! に気持ちを伝えるべきところでおもてなしされているということでもあるのですが……。ところが、『未来は風のように』の披露が終わってLiella! が退場したとき、再び会場からLiella! コールが起こりました。ダブルアンコールは、何故かいつも綺麗に揃う気がします。ダブルアンコールで披露されたのは『シェキラ☆☆☆』でした。ここまでくると、定番になってきた気もしますが、それでも感動するものには感動するのです。

 ところで、アンコール曲の1つUNIVERSE!!』について、気になる演出変更がありました。従来、ラストのサビに入る直前には、溜めの静寂がありましたが、今回からはここにメンバーからの「みんな大好き!」というメッセージが入るようになりました。これには、やむを得ない事情があります。2023年11月の『めざましテレビ30周年フェス』広島公演にLiella! が出演した際、このタイミングで発声した観客の声が、テロップ入りで同番組で紹介されてしまったのです。その言葉自体は愛を叫ぶものであり、私はその人を強く責めることはできません。しかし、それが地上波で流れた以上、影響されて何か叫んでやろうという人が続出し、あわや無秩序状態に陥りかけました。そのため、Liella! はナンバリングライブを期に対策に乗り出したようです。

 過去には同じような境遇で、一時的に曲そのものを披露しなくなってしまったアーティストもいます。『BanG Dream!Roseliaは、同じ理由で約2年間『LOUDER』を封印しました。こちらでは、同楽曲を演奏しないことがストーリーにも取り入れられ、公式にはそちらが理由とされています。これは、曲が大切だったゆえになされた決断だと思います。それを踏まえると、Liella! もまた、行動は対照的ではあるものの、『UNIVERSE!!』という曲を大切に思うからこそ、今回の演出変更に至ったのではないかと考えています。この曲は毎年更新されるLiella! CLUBのテーマソングであり、この機を逃せば「いま」という旬のときは過ぎてしまいます。そして、みんなで声を出せることの喜びを歌った歌だから、Liella! からみんなへ声を届けるという形で対処できるならば無理なものではないと判断されたのかもしれません。

 

5. 地固め、そして飛躍へ

 今回のライブは、新曲や新展開の披露というよりは、これまで積み上げてきたLiella! を振り返り、掘り下げ、未来へ伸びていくための地盤として再構築するものだったと思います。キャストとメンバーの関係も、楽曲の位置づけも、日々更新されていきます。そうして変わっていくものと変わらないものを再確認できたライブになったと思います。

 ライブ終演直後、ついにアニメ3期の放送予定が発表されました。3期は「Liella! の夏」ではなく、10月から。ちょうどラブライブ! 東京大会や全国大会が行われる時期に、クライマックスを迎えることになるでしょう。これまでの1期や2期は、アニメが先行し、それをキャストが追いかける形で1stライブや3rdライブが開催されました。4thライブ、そして5thライブという積み重ねのもとで表現されるアニメ3期とその先のライブは、それらとはひと味違ったものになるに違いありません。

*1:一部歌割りが抜けてしまったように聴こえたところは、本当のミスもあったかもしれないが、音響側の切替ミスのこともあるとのこと