3月15日 (金)・16日 (土) に金沢へ行ってきました。金沢は蓮ノ空女学院のスクールアイドルたちが暮らす街ですが、『蓮ノ空』のコンテンツが始まってから行くのは今回が初めてでした。そのため、今回訪れたのは『蓮ノ空』巡礼としては最も基本的なスポットということになりました。
時期は、沙知の卒業を控え、蓮華祭が近づく頃でした。そして、16日には『リンクラ』でも描かれた北陸新幹線の延伸開業がありました。まさに金沢の変わりゆく瞬間を目に焼き付ける、またとないチャンスでした。
- 1. サンダーバード号・金沢駅
- 2. 金沢ゲーマーズ
- 3. 北鉄金沢バス
- 4. 卯辰山公園
- 5. ひがし茶屋街・主計町茶屋街
- 6. 北陸新幹線延伸
- 7. 金沢城
- 8. 近江町市場
- 9. 健民スポレクプラザ
- (番外) 敦賀駅
- おわりに
1. サンダーバード号・金沢駅
新幹線開業前日は、北陸新幹線……ではなく、あえて西側から特急『サンダーバード』で金沢へやってきました。1997年3月 (蓮ノ空76期) からこの3月まで、大阪方面から金沢への主要な交通手段として利用されてきました。小鈴も入学試験を受けに来た頃は、特急列車で来たと思われます。
金沢まで走るのはこの日が最終日でした。16日以降、大阪・名古屋方面からは敦賀で乗り換えになりました。手間は増えましたが所要時間は短縮しています。
金沢駅の象徴は、東側の兼六園口に聳え立つ鼓門です。13.7 mの高さを誇る門は、能楽の鼓をモチーフにしており、金沢が文化・芸術都市であることを意識させます。その背後には地上と地下にイベントスペースを有する『もてなしドーム』もあります。
米トラベル+レジャー誌が世界の美しい駅舎を14駅選んだランキングに、金沢駅舎は日本で唯一、6位にランクインしました。あの東京駅よりも世界に誇る駅舎といえるのです。
この日は、近くの大学で卒業式が開かれていたらしく、晴れ着姿の学生たちが歩いていました。自然と沙知の卒業にも思いを馳せてしまいました。
『蓮ノ空』では、103期7月度・104期1stタームのFes×LIVEの会場となっているほか、『リンクラ』活動記録にも登場します (14話・梢と花帆が寮母と遭遇するシーンなど)。
2. 金沢ゲーマーズ
ラブライブ! シリーズのどのメイン舞台にも存在するゲーマーズのタイアップ店舗は、兼六園口駅前の金沢フォーラスにあります。もともとは期間限定出店の『蓮ノ空ゲーマーズ』というブース名でしたが、3月に半常設化され、店名も変わったばかりでした。これに合わせ、『蓮ノ空』以外のグッズも販売されるようになっており、蓮ノ空を一躍有名にした『異次元フェス』のテーマソング『異次元☆♡BIGBANG』なども流れていました。
実はこれまで蓮ノ空のグッズを、ライブグッズくらいしか持っていなかったため、ここで梢のグッズを2点ほど買って、いざ金沢観光へ出発です。
3. 北鉄金沢バス
金沢市内には地下鉄も路面電車*1もありません。したがって、移動するには基本的にバスを使うことになります。金沢には北鉄金沢バスと西日本JRバスがあり、方面も本数も多いのは北鉄金沢バスです。
ところが、北鉄金沢バスには注意点があります。SuicaやPASMO、ICOCAなどの全国共通の交通系ICカードが原則使えないのです。乗る際は、小銭を用意して乗ることになります。車内でも1,000円札の両替はできますが、最初に卯辰山へ向かうのに乗ったときには故障していました。ちなみに、金沢在住の方や、金沢へ何度も通うなら、専用のICカード小林愛香『ICa』もあります。
例外は市中心部を走る『城下まち金沢周遊バス』で、こちらでは各種ICカードが使えます。
4. 卯辰山公園
蓮ノ空女学院があるとされている卯辰山へは、北鉄金沢バスがありますが、執筆 (2024年7月) 時点で、1日3往復しか運行されていません。そんな貴重なバスは、近江町市場から香林坊という金沢の中心市街地を通り、金沢城の周りを半周して、卯辰山へと上っていきます。
「望湖台」というバス停で降りました。『蓮ノ空』のティザービジュアルの見晴台とは反対側に、望湖台という別の見晴台もあります。こちらには寄りませんでしたが、「望湖台」という地名とは裏腹に、近隣に湖はありません。かつてはあったのかもしれませんが、詳しい事実は確認できませんでした。『蓮ノ空』では、この地名から逆算して「蓮ノ湖」という蓮の咲く湖、そしてそのほとりに建つ学校を想定しているのでしょう。
この山の上には、かつてレジャー施設がありました。遊園地や動物園があり、親子連れで賑わっていたそうです。今は木々に囲まれ、その面影はありません。
その跡地と思われる園地を歩いて行くと、有名な見晴台に出ました。この景色は、『バーチャルスクールアイドル』として『蓮ノ空』のプロジェクトが発表された直後には「発見」されていたそうです。学校や寮があるのはこの公園の別のどこかだと思われますが、こここそ、『サンシャイン!!』における三津海水浴場や、『スーパースター!!』の神宮前交差点に相当する、『蓮ノ空』の「始まりの場所」といえます。
見晴台から見下ろす金沢の景色は、まさに「空の上」といった様子で、とても綺麗なものでした……と言いたいところなのですが、この日は非常に風が強く、撮影用に手に持ったアクリルチャームも飛ばされそうで、あまり景色に集中できなかったのが残念なところです。ただ、天気は良かったです。
一休みと思い、東京から持参した『たべっ子どうぶつ』(言うまでもなく、綴理の好物であり、沙知が102期生たちにあげていた思い出の菓子「まねっこドーブツ」のモデル) を開けました。ところが、1、2個食べたところで上空に何羽ものトビが出現しました。食べ物を取られるだけならよいものの、ここで負傷するわけにはいきません。市民や『蓮ノ空』にも迷惑がかかりますし、何より大切なのは新幹線の開業日である翌日です。おやつは諦めました。
山からは退散することにしました。バスはないので、歩いて下山することになります。仮に、延々バスの通る道路を歩いて下りると、遠回りになる上、車通りも多少あるのですが、遊歩道を歩いて下りることができます。沿道にはカフェ1軒があり、さらに下ると卯辰山三社と呼ばれる神社があります。豊国神社を中心に、卯辰神社・愛宕神社がひとつの敷地にあります。木々に囲まれたやや暗い厳かな場所でした。ここに手を合わせ、さらに下ると花菖蒲園があり、一旦車道に出ます。バス通りを横断し、二手に分かれた坂道のうち右側を進むと、人家が現れ始めます。
5. ひがし茶屋街・主計町茶屋街
そのエリアから1本右の道に入ったところがひがし茶屋街です。『蓮ノ空』以前に、金沢の有名観光地のひとつです。1820年に形成された花街で、外の道からは見えない廓の街路に沿って、料亭が並びます。建物の表を覆う格子は木虫籠と呼ばれ、目隠しになっています。現在も芸妓がいて大人の社交場になっているだけでなく、美しい街並みが国内外から観光客を呼び寄せています。
この付近には、もう1つ茶屋街があります。浅野川の川岸に沿って立ち並ぶのは
いずれも『蓮ノ空』に登場していますが、登場していない構図であっても、どの風景に脳内で蓮ノ空メンバーを配置しても華やかで絵になるところです。ちなみに、犀川の向こう側、野町駅方面には「にし茶屋街」もあり、こちらは『せーので! はすのそら』の金沢ロケ回に登場します。『忍者武器ミュージアム』があるのがここです。
ここから尾張町に出て、バスで金沢駅へ戻りました。閉館後で立ち寄れませんでしたが、尾張町には『金沢蓄音機館』があります。蓮ノ休日の2人が訪問しており、建物に取り付けられた蓄音機のロゴマークは梢のアイコンのモデルとも言われています。
6. 北陸新幹線延伸
3月16日、いよいよ北陸新幹線は金沢を通り越し、敦賀への延伸を果たしました。金沢へ通じたのは2015年3月 (蓮ノ空94期) で、9年間新幹線の終着駅だったことになります。
開業日が発表されたのは秋頃でしたが、その後でホテルを予約すると高くなったり売り切れたりするおそれがあると思い、夏にはホテルを予約していました。それも、金沢から少し離れた富山で、です。5,000円足らずで、ビジネスホテルかと思いきやウェルカムドリンクや広いエントランス、チャペルやバンケットまで備えたシティホテルで驚きました。
16日は早速「敦賀行き」の新幹線『つるぎ』で金沢へと戻りました。この区間は新しい区間ではなく、乗客はほとんどいませんでした。『異次元フェス』のグループ別キービジュアルでも描かれた車内の様子も撮り放題でした。
金沢に着くと、加賀友禅を着た女性たちが横断幕を持ってお出迎えに並んでいました。既に敦賀からの一番列車は到着していて、駅構内も賑わい始めていました。
この日の観光が終わって金沢駅に戻ると、鼓門の下では加賀鳶はしご登りの披露が行われていました。また、コンコースでは東京五輪のレスリングで金メダルを獲得した石川県出身の姉妹、金城梨紗子選手と恒村友香子選手がトークイベントを開いていました。なお、戻ってくる直前にマスコットキャラクター『ひゃくまんさん』も姿を現したそうですが、見逃してしまいました。『ひゃくまんさん』は『蓮ノ空』にも登場します。当日はブルーインパルスの展示飛行も行われました。これには福井駅前で遭遇しました。飛行機は見逃してしまいましたが、青空に残る五条の飛行機雲を目に焼き付けることはできました。ラブライブ! シリーズでいうと、『START!! True dreams』のMVによく似た飛行機雲が出てきたと思います。
『リンクラ』活動記録104期2話では、1年生と2年生のメンバーが延伸した新幹線に乗って福井・敦賀へと出掛けるシーンがあります (3年生は同時に修学旅行で東京へ出発)。金沢駅の実際の発車メロディが使われていたことでも話題になりました。
7. 金沢城
再び、バスで街に繰り出しました。
金沢随一の観光名所、兼六園の前を通りかかります。ただ、今回訪れたのは兼六園ではなく、その隣の金沢城です。
佐久間盛政が築城し、1583年から前田氏の居城となりました。その前身は、加賀一向一揆の尾山御坊でした。明治維新後は陸軍に引き継がれ、第二次世界大戦まで軍事拠点として機能していました。戦後は、城内に金沢大学が置かれ、1995年 (蓮ノ空75期) に角間に移転するまで、世界的にも珍しい大学のある城として知られていました。
1月1日 (月・祝) に発生した能登半島地震により、石垣などが崩れてしまいましたが、この当時には既に早朝や夜間 (指定日のみ) の城内開放を再開していました。
『蓮ノ空』では、103期11月度Fes×LIVEの会場になりました。ここでは『ツバサ・ラ・リベルテ』が披露されました。ライブ当日、演出とほぼ同時に現実の金沢城でも降っていた雨が止んだことは、今でも語り草となっています。このときのステージ装飾は、2ndライブのステージ装飾のモデルともなりました。
ライブと同じ夜景も見てみたかった気がしますが、朝の人が少ない城内の風景を写真に収めました。当日は、新幹線の空撮に来たと思われる報道ヘリコプターも上空を飛んでいました。ライブ会場になっていた三の丸を見たあとは、本丸の櫓跡に上ってその景色を見下ろしました。
8. 近江町市場
金沢市の台所・近江町市場は金沢城からも歩いてすぐのところにあります。
歴史を紐解けば、近江町市場は金沢城築城より前からあった古い町です。近江商人が移住したことで現在の名前になったと言われ、江戸時代から近代にかけて金沢のあちこちにあった市場がここに集積してきました。卸売市場は西念町に移転し、現在は市民や観光客が生鮮食品を求める商店街として賑わっています。2009年 (蓮ノ空89期) には再開発が完了し、近江町いちば館ができました。
『蓮ノ空』では綴理とさやかが店の手伝いによく訪れる場所で、「れいかさん」という年上の女性に見守られながら働くシーンがありました。綴理の好物であるおでんが食べられる名店『いっぷくや』に、開店前から待機して入店しました。イートインのある屋台形式で、名物の金沢おでんを楽しめます。開店前にいた客は私くらいでしたが、開店するとほどなくして次から次へと訪れる人がいました。
金沢おでんには、独特の種がいくつかあります。物珍しさに、赤巻、車麩、ふかし、と耳慣れない物を注文しました。また、ユニークなものとしてゆで卵を魚のすり身で包んだ「ばくだん」*3というものもありました。ところが、あまりに美味しそうで席に着いたらすぐ食べ始めてしまい、写真を撮影することを忘れてしまったので、残念ながらその様子を皆様に紹介することはできません。
同じブースには北陸の地酒を扱う屋台もありました。福井県に新幹線ができたことを記念して、福井県の『九頭龍』をいただきました。また、ここのお酒を『いっぷくや』へ持っていくと、おでんの出汁を入れてもらうことができます。綴理たちにも、20歳を過ぎてもここのおでんを愛していてほしいものです。
近江町市場からの帰りに乗ったバスは、『城下町金沢周遊バス』でした。これまでに紹介したひがし茶屋街や金沢城・兼六園、にし茶屋街、片町・香林坊の中心市街地、そして近江町市場を巡って金沢駅へ戻る循環バスで、土日祝日にはその逆回りも運行されます。観光客に特化したバスで、通常のバスとは逆に『ICa』は使用できず、SuicaやICOCAを利用することができます。
9. 健民スポレクプラザ
これで金沢の観光地巡りは終わりなのですが、もう1つだけ聖地に行きました。さやかのスケートリンクがある健民スポレクプラザです。
石川県のスポーツ施設や公園などの公共施設では、度々「健民」という表記を目にします。『健民運動推進本部』があり、美しい郷土づくりと健やかで生きがいを持てる豊かな暮らしの実現を目指し県民一人ひとりができることから実践しようという運動を推進しています。
健民スポレクプラザは、金沢の一つ隣の西金沢駅の近くにあります。この区間は、新幹線の開業に合わせてJR北陸本線からIRいしかわ鉄道線になりました*4。新会社としての開業初日ということもあって混み合う電車に数分間だけ揺られました。
健民スポレクプラザには、3月まで『蓮ノ空』に好意的な職員の方が勤めており、スタンドパネルの設置や、館内への『蓮ノ空』に関する掲示が行われていました。受付で頼めば、館内を撮影することも可能です。ただし、利用者の顔が写らないように注意が必要です。
受付で「推し」を聞かれました。ここは社交辞令で「さやか」と答えるべきところかもしれませんが、オタクとして推しは偽れませんでした。本当のことを言うと、苦笑されてしまいました (笑)。スケートリンクでは、実際に子どもたちが練習をしていました。活動記録で完全再現されている、靴を履き替えるスペースは、人がいなければ同じ構図で撮影可能です。
(番外) 敦賀駅
新幹線開業前日と当日に、新たな終着駅である敦賀駅にも立ち寄りました。敦賀駅自体は活動記録には映りませんが、小鈴の地元であり、1年生と2年生が降り立った場所でもあります。
これまであった在来線の駅の東側に、高さ37 mもある建築物が聳え立ちました。これが新幹線の敦賀駅です。その下には、大阪・京都・名古屋方面への特急列車が発着し、短時間で乗り換えができるようになっています。
前日に駅前を見たときは、新幹線の開業に合わせて新しい交流施設ができていたほか、既に展示などの催し物も開かれていました。開業当日は時間がなく、乗り換えることしかできませんでしたが、こちらでも様々なイベントが開催されたと聞いています。
敦賀駅から、この日開業したばかりの新幹線『かがやき』で東京まで帰りました。敦賀から東京まではわずか3時間10分です。21時から予約していた『劇場版ラブライブ! The School Idol Movie』4DX上映にも間に合いました。
敦賀は、戦前は日本と大陸を結ぶ国際航路の出発地点としての役割を果たしていました。ウラジオストクへの定期航路があり、ウラジオストクではシベリア鉄道に接続していました。大戦中、ヨーロッパから脱出するユダヤ人難民を迎えた港でもありました。
今回私は乗り換えしかできませんでしたが、この地を守ってきた氣比神宮や、港や鉄道の歴史を記録した資料館などの見所があるようです。
おわりに
今回は、『蓮ノ空』のコンテンツが始まってから初めての金沢旅行になりました。従って、一度では回りきれなかった場所がたくさんあります。特に、博物館・美術館系は完全に手つかずです。有名な21世紀美術館をはじめ、最近の活動記録に登場した金沢くらしの博物館、目の前までは行った金沢蓄音機館など、見たいところはたくさんあります。石川県立図書館や、少し離れて徳光海岸など、綺麗な場所にも事欠きません。「またしても」ラブライブ! シリーズは素敵な場所を選んでくれたなと思います。
花帆たち103期生の高校生活は、現実の時間と同じわずか3年間です。その間に再訪が叶うかはわかりませんが、いつ金沢に行っても、蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブと同じ時間を過ごしたことを思い出せると思います。
お知らせ
今回の北陸旅行の全行程を『週刊てつくず』で公開しております。
こちらも8/12 (月・祝) まで連載しますので、併せてお読みいただければ幸いです。
北陸新幹線開業速報
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