普門寺飛優のひゅーまにずむ

好きなものについて不定期に語ります。

学校経営陣という名の泥濘 ~Link! Like! ラブライブ! 活動記録第14話前半随想~

 12月17日 (日)、『アイ☆♡ラブ歌合戦』も『ヨハネライブ』*1も終わり、やや重要な用事に出かける直前、公開されてすぐの『Link! Like! ラブライブ!』活動記録第14話前半に目を通して、情緒が破壊されました。

 リアルタイムを売りにしてきたこのコンテンツが、登場人物とユーザーを同時に窮地に叩き落しました。仕事中でさえそのことばかり考えて手に付かないほどで、『蓮ノ空』のことが頭をぐるぐるして、悪い想像が止まらなくなってしまいました。

 本稿ではその最悪のシナリオを走り書きすることでまずは私自身が一旦落ち着くことを目的にしています。蓮ノ空女学院が直面する問題が、今回は2023年に大きな問題となった芸能事務所や劇団と通じているような気がしてならないのです。どれにもスターがいて、ファンがいるのは同じですが、自分たちの方には飛び火してこない対岸の火事だと思って眺めていたところです。こちらはフィクションの出来事であるとはいえ、その想像の中ではどうしても触れざるを得ませんでした。

画像は本文とは関係ありません
 (『Link! Like! ラブライブ!』活動記録第8話『あの日のこころ、明日のこころ』PART6より
/©プロジェクトラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ)

 

 まずは14話で起きた問題について簡単にまとめると、蓮ノ空女学院でインターネットの利用を禁止するという、以前から議論の俎上に上がっていた校則が、2024年度からいよいよ成立するかもしれないというものです。スクールアイドルクラブを中心に反対の声が上がるものの、12月中旬 (花帆の個人配信があった11日 (月) 以降) に、それを出し抜くように突如として「ネット禁止令」の成立・当日施行 (ただし、花帆はこのとき話をよく聞いていなかったので、なんらかの条件付きである可能性はある) が告げられました。

 蓮ノ空女学院について、14話前半まででわかっていることをいくつか挙げてみます。

・100年を超える伝統を持つ。

・山奥にあり、全寮制の学校である。

・理事会には複数の派閥があり、それぞれで意見が相違することもある。

・校風に自由は少なく、学校当局の支配が私生活にも及ぶ。

 これらを少し言い換えると、

・伝統に基づく、個人の力では変更不可能な理不尽なしきたりが横たわっている。

・閉鎖環境である。

・権力争いがあり、また意思決定が不透明なので事態に対する責任の所在が不明瞭になる可能性が高い。

・構成員は常に監視されており、おそらく相互監視の状態にもある。

 このような組織は恐らく現実の日本にもいくつもあると思います。学校もそうですし、芸能界やスポーツ界、公の組織など、

 そして、それらの組織ではかなり高い確率でパワハラが起きています。

 となると、蓮ノ空女学院でも教師から生徒に、先輩から後輩に、いじめやパワハラがあるという可能性は否定しきれないのではないでしょうか。

 幸い、(現実の) 私たちが知るスクールアイドルクラブではそのようなことは起きていませんが、どこで起きているかわからない以上、たとえば今にもえなたちの誰か (所謂ABCトリオ) が合唱部でいじめられていないとも限りません。

 まあそんなことはないと信じたいのですが、今年現実に明るみに出た出来事のことを思うと、そうとも信じられなくなってくるのです。

 1つは、ジャニーズ事務所 (現・SMILE-UP. およびSTARTO ENTERTAINMENT) による、創業者ジャニー喜多川の性加害問題への対応。また、もう1つは、宝塚歌劇団および音楽学校内での自死事件への対応など。いずれの組織も、上に挙げたような特徴と似通ったところがあります。ジャニーズの場合は、伝統というよりジャニー喜多川への個人崇拝が該当するでしょうか。ともかく、現実の事件もこれらの特徴が組織腐敗の温床であることを雄弁に語っているのです。

 ここまでは、妄想というか、こういうコミュニティではそのようなことが起きやすいという一般論なのですが、ここからがシナリオの内容と絡むところです。

 昨年も機能不全、その前は沙知の1つ上の代が (もともといないのか、やめたのかは不明だが) 不在で満足に活動していなかった状況から、蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブの活動は今年に入って本格化し、『スクールアイドルコネクト』(『スクコネ』) で週3回もの配信をするようになりました。このことで、学校は注目を浴び、学校の様子が外の人々の知るところとなりました。一般の生徒もまた、触発されて学校のことをいろいろ発信し始めているに違いありません。そうなると、これまで学院が握り潰していたものが明るみに出てしまうおそれが生じます。

 そうなれば、学校としては情報を遮断して隠蔽にかかるのはほとんど自然な流れだと思います。学業環境を守るという大義名分がありつつ、本音としては体制の保身のために、生徒による情報発信を遮断するようなことが起きるのも、このように強権的で閉鎖的な社会では起こりがちなことだと思います。なるべく外の情報に触れさせないほうが、生徒に言うことを聞かせやすいというのも当然あります。

 そこで、「ネット禁止令」だというわけです。
 そもそも、現代においてはあらゆる社会的活動に必需品となっているネットを禁止すること自体が、ほとんど人権侵害のようなものです。そんな規則を導入できるあたり、この学校は異常です。ただし、このようなことをしている学校は、残念ながら現実にも存在しているのだそうです……。
 そもそも冷静に考えて窓に鉄格子がはまっている寮は異常ではないでしょうか? 私たちも、異常なものを放置するように、慣らされていたのです。

 これから、私はどうすべきなのでしょうか。

 ネット禁止令のことは、今のところ活動記録でしか語られていません。つまり、『スクコネ』を見ている「私たち」は、この異常事態について何も知りません。しかし、今後のWith×MEETSが相次いで中止になったりすると、何かがおかしいことに気づいてしまう可能性はあります。あるいは、誰かが起こっていることを外にリークするかもしれません。どういう設定に立つかは蓮ノ空のこと好き好きクラブの皆さん次第ですが、いずれにしても何が起こっているのか、もし何かを必死に訴えてくることがあれば、しっかり聞いてあげるくらいしか、そして味方になることくらいしか、本当にできることがありません。

 さて、そうなった後で、今まで通りスクールアイドルクラブを応援し続けることはできるのでしょうか。蓮ノ空に向けられる (劇中に存在する一般人の) 批判の目から彼女たちを守ろうとすることは、体制を擁護する人のように見えるのではないでしょうか。あるいは、学校運営にとって、思う壺になってしまうかもしれません。積極的に批判したらしたで、それで傷つくのは学校に所属している彼女たちかもしれません。応援し続けることが彼女たちにとってプラスになることを、盲目的に信じることができなくなってしまいます。

 そもそも『リンクラ』はフィクションですし、ここに書いたことは、私の想像です。なので、あたかもつらつらと「無いこと」を語っているようですが、本当に残念なことに、ブラック校則も学校内パワハラも現実に存在する問題で、現在も被害に遭ってる人々が実在しています。これを機に、その現実から目を背けないことが、ラブライバーであり蓮ノ空のこと好き好きクラブの皆さんの一人である私に与えられた使命だと思います。

*1:当日はDay3だが不参加