『にじよん あにめーしょん』も、地上波最終話を迎えました。毎回きっかり3分、10話だけせつ菜のライブの分長くて、合計36分40秒間。可愛さ、尊さ、情熱、感動などなど、ニジガクの持てるものをいっぱいに浴びることができました。
前2話では、侑にトキメキを与えたせつ菜と、侑と一緒に成長してきた歩夢の物語が描かれました。今回は、侑にとって大事なことに触れて、いったんの締めくくりとなります。
侑も "スクールアイドル" として歩む
1. 原点、あの時、あの曲
侑はピアノを始めて1年足らずのうちに、スクールアイドルの曲をいくつも作れるようになり、同好会のステージでパフォーマンスと一緒に演奏ができるまでになりました。思えば大変なことも色々ありました。幼馴染と衝突したり、手探りで転科試験に挑んだり、課題に追われたり。徹夜で12人分のソロ曲を作ったこともありました。
そんな侑の1年間にとって一番大切な瞬間が、ピアノを始めた瞬間でした。「頑張ってよかった」ではなく、「始めてよかった」なのが、『虹ヶ咲』らしいところです。
「音楽室の使用許可は取ったんですか?」
あの時、菜々に言われた言葉を思い出します (流石に今回は言われませんでしたが)。
もはや音楽科の生徒であり、いつでも学校のピアノを使えるはずの侑が、あの時と同じように音楽室に忍び込んで明かりもつけずにピアノを弾いています。
そして弾いている曲は、いつも『CHASE!』です。歩夢のことが一番好きでも、自分で作った曲もたくさんあっても、せつ菜がトキメキを教えてくれた、あの曲です。
1期3話では、指1本で恐る恐る。
1期10話では、家で秘密の練習をしていたので、少し上達して。
そして『にじよん』12話では、もう完璧です。
何度でも戻ってきたい場所で、何度でも立ち返りたい曲を弾く侑。
でも、侑自身もあのときの侑ではありません。自分の成長だけでなく、その周りはたくさんの色に溢れていました。
今回の描写で不思議な点が、最初のシーンで空が曇っていることです。よく見えませんが、おそらく雨も降っています。これがあってこそ、ラストシーンで侑の背に虹がかかる (11話の夕日とも対照的?) のですが、それにしても最初のシーンはネガティブな心象描写でもないのに何故……と思います。確信は持てませんが、これは始めたときの少し不安な気持ちを投影しているのではないかと思います。あの頃は、せっかく大好きになったせつ菜がいなくなってしまうという危機があり、ただ推しているだけではいられない状況に置かれたから、行動を始めたという一面もあったと思います。そこからの空模様の変化は、まさに同好会で過ごした1年間の成長を走馬灯のように振り返るものでもあります。
2. 総括……まだしません!
皆様がこの文章をお読みになっているということは、既に『にじよん あにめーしょん』のBDが発売されているはずです (QU4RTZの感想記事などで時間がかかりすぎました)。実は、今回の特典映像には、新作エピソードである「13話~15話」が収録されているのです。つまり、今回は最終回でありながら、最終回ではないということになります。楠木ともりさんのせつ菜の声も、もう少しだけ聴くことができるのです。発売日は3月29日 (水) で、放送終了から5日後というアニメのBDとしてはあまりに早いものとなりましたが、これは楠木さんのボイスが入った作品を3月中に出し切らなければならないという大人の事情に関係しているのでしょうか?
まだ私は予約済みのBDが手元にないため、まだこれについて語ることはできません。13話~15話も、視聴したら感想を語りたいと思います。『にじよん』の総括は、最後まで観てからしたいと思います。これを最後まで見届けて、初めて次の空へと進むことができると思います。
続くったら、続く*1。