普門寺飛優のひゅーまにずむ

好きなものについて不定期に語ります。

3期生登場前夜の備忘録

 明日4月28日 (金)、Liella! の3期生がついにそのヴェールを脱ぎます。既存のメンバーも進級し、かのんたちは3年生に、きな子たちは2年生になります。 

 そんな中、私はこちらの記事を目にしました。

imkt00.hatenablog.com

 

 『ラブライブ! フェス』で「新プロジェクト」が始まると発表があってから『ラブライブ! スーパースター!!』をずっと知っている私たちには想像もつきませんでしたが、これから、もっと具体的に言えば明日以降Liella! を知る人にとって、Liella! に5人や9人の時代があったことは想像もつかないはずなのです。

 未来の予想を語るのはタダです。しかし、今当たり前にある「いま」は、もう2度と手に入らないものになってしまいます。

 私は、このLiella! 9人時代を振り返って、反省したいことがあります。もしかすると、2期のストーリーに思うところがある方にも、心当たりがある方がいらっしゃるかもしれません。

 それは、「この1年間、Liella! に3年目があることを当たり前だと思っていなかったか?」ということです。

 思えば一昨年、Liella! の活動が本格的に始まった頃は、「新設校」で、「全員が1年生」の「5人」のスクールアイドルだというのがLiella! のアイデンティティであるように思われていました。アニメ1期のストーリーも、5人がそれぞれの過去に向き合い、「私を叶える」という新しいテーマで、私もLiella! の紡ぐ「いま」に熱心に食らいついていました。一方で、2期生が入ったLiella! は9人になり、物語も「みんなで叶える」ほうが主軸となって、ある意味で従来通りの『ラブライブ!』に近づきました。もちろん、それはそれで面白く、2期生が1期生にはない持ち味を発揮して1期生を支える展開や、快進撃を重ねて2年目で優勝してしまう結末、リアルライブでも次々に新たな色を見せてくれるLiella! は、この先の人生でこの1年間を振り返ったときに確かに思い出に残るものであったと思います。しかし、それが通過点であることを、心の逃げ場にしていたような気が、うっすらしています。 

 制作側もそれを善しとはしていませんでした。かのんの留学騒動は、かのんたちに夢と向き合い、「私を叶える」準備があるのを示すと同時に、そのような私たちへの警鐘を兼ねていたと思います。とはいえ、ラストシーンでは3期を制作できることへの喜びで浮かれているのが滲み出てしまっていましたが……。その一方で、3期を予期していた視聴者たちはある面冷めていたのでしょう。その温度差が2期終盤の低評価の原因だったとしたら、もったいない話です。現に、常に「いま」に全力なキャストたちはこの指摘から最も遠い場所にいて、それゆえに3rdライブはあんなに面白かったのです。

 言い訳をすれば、2度目の進級を前提に、新しいLiella! を楽しみつつも、更なる変化が待っていることを期待していたのは悪いことばかりではなかったとも思います。始まりでも完成形でもない、過渡期の姿を追いかけることができたのは、この時期にLiella! を好きでいたからに他なりません。変化に対する心の準備もばっちりできましたし、それを肯定的に受け入れています。今の気持ちは、2期生発表目前の昨年の同時期とは、明らかに違うものです。

 

 最後に、これからLiella! を知る「あなた」へ、僭越ながらメッセージを送らせていただこうと思います。

 3期生の加入をもって、おそらくLiella! のメンバーは揃います。3期生があとから追加されることは無きにしもあらずですが、1期生のかのんたち、もっとクリティカルなことを言えば伊達さゆりさんたちが「卒業」し、「4期生」が加入すること (それがコンテンツとして展開されること) はあまり考えられません。しかしながら、メンバーが出揃ったあともLiella! は変化し続けます。先輩であるAqoursも、ストーリーが完結したあと、後進が成長していく中で、またコロナ禍の中で、できることを探して変化し続けてきました。ですから、「いま」が今しかないことには変わりありません。「あなた」とLiella! との間のかけがえのない瞬間が必ずここにあるということは、覚えておいていただきたいと思います。