普門寺飛優のひゅーまにずむ

好きなものについて不定期に語ります。

煌めきと出会う曲がり角 ~ラブライブ! スーパースター!! 第2期感想週報①『ようこそLiella! へ!』~

 7月17日は唐可可の誕生日でした。おめでとうございます。それと同時に、「北海道みんなの日」、通称「道みんの日」でもあるそうです。

 この日、前人未到の「2年目」に突入し、放送を開始した『ラブライブ! スーパースター!!』の2期は、その北海道から1人の少女がやってくるところから始まります。ちょうど私は北海道に出かけていて、放送時間は帰りの飛行機の中だったのですが、帰ってから早速録画を観ました。

「先輩」を知らない新2年生の末路
(『ラブライブ! スーパースター!!』第2期第1話『ようこそLiella! へ!』より/
©2022 プロジェクトラブライブ! スーパースター!!/配信URL:https://www.youtube.com/watch?v=Z7vsMxLv03k)

 

第1期感想週報はこちらから

carat8008.hateblo.jp

 

 

1. 1期の1年間を踏まえて

 今回やはり目立ったのが、1期、とくにその1話を踏まえた演出です。 冒頭、かのんはやる気を漲らせ、大急ぎで食パンを口に突っ込み、マンマルが眠っているのも構わず家を飛び出していきますが、これは1期1話でかのんが望みの学科に入れず、やる気ゼロ状態だったのと対比になっています。

 話は飛びますが、かのんの家の喫茶店で新入生の桜小路きな子と向き合っているシーンは、1期1話の可可とのシーンを連想させますし、終盤できな子が校舎の方を振り向くシーンも、桜が舞っていて、1期1話の終盤でかのんが可可と向き合うシーンと似ています。

 また、新曲『Welcome to 僕らのセカイ』も、今までのLiella! にはない曲でありつつも、リズムの取り方など、1期の曲を下地にしている感覚です。衣装も『Starlight Prologue』を春服にしたような感じです。今まで、1年以上活動したスクールアイドルの姿を見ることはできませんでした。強いて言えば、それはA-RISEでありSunny Passionだったわけですが、1年間かけて成長してきたLiella! だからこそできるパフォーマンスを目の当たりにすることができたのです。

 それは、きっと来るリアルライブでも追体験できると信じています。OPの『WE WILL!!』にも、千砂都の歌声を聴かせるために演奏がカットされている部分があります。1st・2ndライブで披露された千砂都役・岬なこさんの透明感ある歌声が、今から楽しみです。

 劇的な出会いから始まったストーリーが一巡し、再び出会いから始まろうとしています。

 

2. 浮足と暴走

 そんな立派になった2年生 (1期生) たちですが、2年生は先輩としては1年生です。10代の中高生にとって、学年が上がるというのは大イベントですし、1歳しか違わない新入生はとても可愛く見えるものです。そのような懐かしさを感じるリアルを、『スーパースター!!』はコミカルに盛り込んでくれました。特に結ヶ丘にとっては初めての先輩・後輩で、先輩がどうしていたかを知らずに2年生になるわけですから、その感動も人一倍であるはずです。「先輩」と呼ばれるだけであそこまで舞い上がってしまうかのんには思わず笑いがこぼれました。それだけでなく、きな子を家まで呼んだ上で熱烈にスクールアイドルに勧誘していました。「人生が変わった」などと、聞く人が聞けば宗教勧誘かと思うくらい大仰な台詞ですが、こういうことを平気で言えてしまうのが生来のかのんです。1期はそれを取り戻す1年間でした。

 浮き足立っていたのは、かのんだけではありません。Liella! の練習場所の屋上に迷い込んだきな子に、5人とも自分がいち早く話しかけようと争奪戦の様相に陥ります。ただ、5人の気持ちがはやっていたのは、単に後輩が可愛いから、だけではないと思います。

 Liella! は前年、ラブライブ! 都大会突破を逃し、リベンジを誓って努力してきました。ところが、この3ヶ月で確固たる成長を自覚できてはいませんでした。そんな中、ラブライブ! で優勝を果たしたSunny Passionが、最強のライバルとしてLiella! を指名します。このことによってLiella! は一層有名になる反面、これはLiella! にとっては重いプレッシャーとなりました。もちろんSunny Passionは純粋に実力を讃えていたのですが、結果的に喧嘩を売ったも同然です。なんとしてでも優勝すべく、やれることはすべてやろうと、春休みからいささか暴走気味だったのです。

 そんな中で、きな子との出会いを通して新入生勧誘を決めたLiella! でしたが、これが難航します。まだ何も知らない新人と、才能と努力両方において並々ならぬ5人の実力差というのは、おそらくキャストの皆様も実感しているところだと思いますが、例えばメイの心にも「見るのとやるのは違う」という諦めのような感情があると思います。

 それでも、まっすぐな勧誘がきな子の心を動かしました。Liella! は、パフォーマンスを見せるという手段を選びました。「言葉では伝えきれないから歌で伝える」というのは、まさに「音楽で心と心を結ぶ」という恋の母・葉月花の想い、すなわちこの学校の存在理由です。Liella! は、今や学校の体現者スクールアイドルです。

 

3. 個性爆発2期生たち

 今回初登場となった2期生たちは、皆強烈なインパクトを残していきましたね。

 男勝りな口調が印象的だった米女メイは、なんとLiella! の大ファンだったことが判明しました。しかし、自らLiella! に接触しに行くことはなく、どこか神聖視しているような、あるいは恥ずかしがっているような、そんな距離の置き方でした。それに対し、わずかなシーンで自由人っぷりを見せつけたのが若菜四季です。脚神経をブロックして強制的に二人三脚する謎の発明品? を使い、きな子を屋上へ連行していました。頭脳だけでなく運動能力も高そうで、今後も四季には何度も驚かされそうです。台詞もきな子との接触も多かったのが、「株式会社オニナッツ 代表取締役社長*1の鬼塚夏美です。派手な動きや喋りの反面、「LTube」での動画配信事業を通して、15歳にして人生の痛みを知っているような言動も見せていました。Liella! に入ってからは、他のメンバーより少し大人として、1年生を支えるポジションになる可能性もあります。

 ところで、動画撮影中にきな子に絡んでいった夏美は、「気が散ったので撮り直し」だと言っていましたが、ここのきな子は映りこんですらいません。気が散ったというよりは、浮かない顔をしたきな子に気づき、自主的に撮影を中断したのです。その相談中に四季が現れ、先述の通りきな子を連れ去ったのですが、四季はきな子を屋上までは連れて行っていません。途中の踊り場できな子を放り出し、そのまま送り出しています。きな子は勢いで止まれなくなったという体で、その先の、曲がり角のある階段を、自主的に上っていっています。自分の意志で上らなければ角は曲がれません。

 「君の願いは君の力で叶う」『スーパースター!!』の物語は、2期生にとっても、もう始まっています。

*1:本当に会社を設立しているのか、自称なのかは不明