普門寺飛優のひゅーまにずむ

好きなものについて不定期に語ります。

Ready to pull the TRIGGER ~ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA感想週報⑨『あの日の翼』~

 トリガー・ガッツウイングvsガーゴルゴンの一戦。『TRIGGER』のラスサビ前の間奏が流れます。ガッツウイングはガーゴルゴンの石化光線を浴び、翼が石化し、遠隔操縦するシズマ会長へ送信される映像も途絶えてしまいます。シズマ会長はVRゴーグルを脱ぎ捨て、感覚だけでガーゴルゴンを狙います。

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燃える闘志湧き起こして
 (『ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA』第9話『あの日の翼』より/©円谷プロダクション/配信URL https://www.youtube.com/watch?v=r0ln2oq0iQc)

 

 その引き金を引く瞬間。

Ready to pull the trigger

 まさにその通りのラスサビが始まりました。「トリガー」という言葉が、今まで以上にかっこよく思えた瞬間です。

 

ご唱和からのPull the TRIGGER

carat8008.hateblo.jp

 

1. 『ティガ』と『トリガー』

 1話の感想で予想した通り、シズマ会長は『ティガ』の世界からの転移者でした。ティガはいろいろな世界に存在していますが、シズマ会長自身TPCに所属していたことから、私たちの知る、今配信されているあの『ウルトラマンティガ』の世界であることが間違いありません。

 『トリガー』の世界に存在するガッツウイング*1は、表向き政府が開発したという偽情報はさておき、TPUが極秘に開発したという情報も、本当ではありませんでした。この機体はTPCで製造され、シズマ会長が乗ってきた機体でした。

 シズマ会長がこの世界に来たのは30年前のこと。自分の世界でティガが活躍した後の時代からやってきて、別の時空に戸惑いながらこの世界の女性、ユリカに助けられてTPUを設立し、ユリカと結婚しました。そうして生まれたのがユナです。『ティガ』のラストは2010年の出来事となっていますから、同じ年代に転移したとすれば『トリガー』は2040年頃の出来事になります。もっとも、2020年であることが明言されている『Z』の世界からハルキが来たりしていますし、現代の地球から時空間転移を繰り返して5000年前の地球に来たオーブの例もある*2ので、この推測はあまり役に立ちません。ただ、長らく近未来を舞台にしてきたウルトラシリーズだけに、少し胸がときめくものがありますね。そういえばシズマ会長のVRゴーグルは現在使われているものと似たデザインでした。近未来的なデザインのヒマリのゴーグルといい対比になっていると思います。ただ、後述の『ナースデッセイ号開発秘話』でのエピソードを踏まえると、ガッツウイングが改造されたのはごく最近のようです。

 

2. ガッツウイングに込められた「NEW GENERATION」

 シズマ会長が乗ってきたガッツウイングは、『トリガー』の世界で遠隔操作可能に改造されました。これをプロトタイプとして、GUTS-SELECTが操るガッツファルコンが開発されます。ちなみに、この改造は技術部に出向していたマルゥルがシズマ会長に直々に頼み込んで決まったそうです。故郷とは違うとはいえ、こちらも同じ地球で、シズマ会長にとってはかけがえのない存在です。自分の機体がその未来へ繋がっていくことは嬉しかったことでしょう。

 ガッツウイングの実戦での活躍は、劇場版『ティガ』以来21年ぶり、ということになるはずです。しかし、無人化によってその戦いはだいぶ違うものとなっています。VRゴーグルをかけて戦うシズマ会長に、ガッツウイングの現役時代とは違うかっこよさを感じた方も多いと思います。そこに流れてくるのは大胆に編曲された『ティガ』のBGM『トリガー』のティガ要素を象徴するような音楽です。同じ見た目の機体ながら、確実に時代が進んでいること、一方で守りたい気持ちが変わらないことを感じます。

 ところで、実戦機であるガッツファルコンはこの回でシズマ親子の上に墜落しそうになります。無人機なので落ちても人的被害がないため、「墜落させ放題」と思っていましたが、そうでもなかったようです。結局、ケンゴがトリガーに変身し、親子を救いました。

 

3. ユザレの血筋

 ユナにユザレが宿っている理由が明らかになりました。『ティガ』のイルマ隊長と同様の、ユザレの血を引く者だったのです。ここでは、ユザレの血を引く者がユザレの力を受け継ぐことになっています。ユザレの力は、「守る」ことに特化しているように見えます。『ティガ』のユザレは「地球星警備団団長」という肩書で、こちらのユザレも「エタニティ・コア」なるものを守護しているようであることと、この能力には繋がりを感じます。ユナの母、ユリカ*3は、別の地球から転移してきたミツクニ (のちの会長) を保護し、遺跡の探索などからこちらの地球を守ろうと頑張るミツクニを支え続けてきました。能力だけでなく、大切なものを守ることが彼女たちの使命として課されているように思います。

 ユナは、その想いを受け継ぎ、今回いよいよユザレの力を自分の意志で使うことに成功します。アキトが自分の秘密を知っていたことにも気づいてしまいますが、特に険悪にはならず、お互い信頼し合っているのが伝わってきます。ケンゴの言っていた「アキトならユナのこと笑顔にしてあげられる」というのも、まさにその通りでした。

 闇の存在であるヒュドラムとダーゴンも、ユナの覚醒を目にします。しかし、ヒュドラムはユザレを追う者で、一方のダーゴンは今やユナに動かされる者になっています。さて、この温度差が、闇の巨人たちをどのように動かしていくのでしょうか。次回以降にも目が離せません。

 

 余談ですが、今回ウルトラマンのことをほとんど何も書いていないことに気づいてしまいました。

*1:正確にはガッツウイング1号だが、この世界には1号の1機しかいないのでそう呼ばれていない

*2:そもそも光の国のある宇宙は現代から1万年ほど時が進んでいるが、ウルトラマンたちは別宇宙の現代の地球に度々やってきている

*3:ユザレの末裔にはみな「ユ」が入っているのだろうか。わかりやすい仕掛けがありがたい