普門寺飛優のひゅーまにずむ

好きなものについて不定期に語ります。

熱さを集めた新チーム ~ウルトラマンデッカー感想週報②『決意のカナタ』~

 第2話は、カナタの訓練生時代を描いた回でした。1年間怪獣は現れず、訓練生たちは訓練に専念することができました。訓練は厳しいながら、映像を見る限り今一つ緊張感には欠ける生活を送っていたようですが、そんな中で熱い想いを持ち続けていた3人がいました。

一年前

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そこに 3びきの ディメンションカードかいじゅうが いる じゃろう!
 (『ウルトラマンデッカー』第2話『決意のカナタ』より/©円谷プロダクション/配信URL https://www.youtube.com/watch?v=DUH3aydsA8U)

 

1. デッカーとミクラス

 今回は先にウルトラマンの話から。ピンチに陥ったカナタの元に、一気に3枚のカードが現れました。普通は新フォームか新武器が登場するのですが、この3枚は「怪獣」でした。

 ミクラス・ウインダム・アギラ。ウルトラファンには言わずと知れた、『ウルトラセブン』のカプセル怪獣たちです。今回は、この3体がディメンションカードによって召喚されて登場するようです。怪獣の召喚は、『X』のサイバー怪獣や、敵方なら伏井出ケイのライザー (『ジード』)、AZジャイロ (『R/B』) などで可能でしたが、ヒーロー側のウルトラマンが変身状態で直接怪獣を召喚するのは、かなり珍しいと思います。私の知る限り初です。

 今回のミクラスは、「助っ人」感の強い動き方をしていました。デッカーが走り出せばミクラスも走り出し、デッカーが怪獣に掴みかかればミクラスも噛みつきました。そして、自慢の怪力でのしかかりの一撃を浴びせ、消えていきました。活動時間は今までのカプセル怪獣同様に短いようです。この間、デッカーの完全な武器というわけではないまでも、デッカーの戦意にシンクロして動いているように見えました。ディメンションカード怪獣がどのような存在なのかも、今後明らかになっていくのでしょうか。

 

2. 採用理由は熱い想い

 「襲来の日」から1年が経ちました。『ティガ』のように数年にわたる長い時間を描く物語はなかなか作られなくなりましたが、主人公の鍛錬など、必要に応じて時間を飛ばすのは人気漫画*1にも見られた手法ですし、子供たちにも受け入れられると思います。

 さて、この1年でリュウモン ソウマは好成績を収めていましたが、キリノ イチカは今一つ、カナタに至っては最下位でした。このままではこの2人はGUTS-SELECTメンバーに選ばれない中、さらにリュウモンも合格メンバーに入っていないという噂が流れます。そんな中行われた行軍訓練で、地震に遭ったカナタは負傷してしまいました。

 これを受けたリュウモンは、行軍を中止すると言って本部に連絡しようとしました。好成績なのに合格できないという噂の立ったリュウモンは、もしこの訓練で失敗したらGUTS-SELECTに入れないことになります。それに対し、やれるだけやりたいとカナタは抗議します。喧嘩を止めようとしたイチカの「やらずにはいられないからやる」という言葉は、リュウモンの心にも刺さるものになりました。

 そもそも、リュウモンもイチカと同じで、元は宇宙開発に携わりたいと思いながら、どうしても守りたい命があって、GUTS-SELECTを目指していると思われます。そう考えれば、危険な状態のまま向こう見ずに進もうとするカナタのことも守りたいと思うのは自然なことです。仲間の命が危険にさらされるのは、「訓練の失敗」以外の何物でもないのです。決してリュウモンは消極的なのではなく、彼なりの熱さが踏みとどまるという判断を導いたのだと思います。

 助けを求める人を前に、三者三様に強い想いを抱き、それに従って迷わずに行動した姿勢こそが、命令を破っていてもGUTS-SELECTに合格した理由です。ムラホシ校長自身が、そういう人と仕事がしたかったのでしょう。

 

3. ムラホシ校長も熱いぞ!

 そのムラホシは今回、GUTS-SELECT編成前にも拘わらず、ガッツファルコンを操り、破壊暴竜デスドラゴに挑みます。16年前、10年前、8年前の3度も現れ、人類を苦しめた怪獣です。水面すれすれを飛ぶ姿がシンプルにかっこよかったですね。

 ムラホシはパイロットの教官の長ではありますが、ガッツファルコンは有人化してまだ実戦経験のない機体です*2。そんな機体でも人々を守るために躊躇なく搭乗していました。眼鏡のおかげか、冷静で大人しそうな外見ですが、その中には若手たちにも負けない熱さが漲っています。向こう見ずにも見える訓練生3人を自分の部下として採用したわけが、この戦いににじみ出ていました。

 ムラホシ校長、改め隊長率いる新生GUTS-SELECT*3には、カイザキ サワ副隊長と、若手3人のほかに、「HANE2」というロボットがいます。HANE2はマスコットのようですが、AIで新型機ガッツホークを操縦するパイロットです。HANE2は男性の声*4で喋りますが、それと同時にモチーフとなった『ダイナ』のハネジローの鳴き声が聞こえていました。彼もまた、熱い想いの持ち主かもしれません。

*1:ウルトラマンタイタス役の声優が「400億の男」になった人気漫画

*2:テスト用コックピットだった時代にマナカ ケンゴが搭乗した実績あり

*3:ムラホシは延べ4代目、3人目の隊長となる

*4:CV: 土田大さん