みんなかわいいのがニジガク
本日で『虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 UNIT LIVE! ~A・ZU・NA LAGOON~』のすべての当落が出揃いました。皆様、お席はご用意されましたでしょうか。
A・ZU・NAといえばテーマパークユニットですが、歩夢の「ホラーハウス」とは何なのか、デビューシングルの時から謎だったと思います。
今回は、その「ホラー」をテーマにして、可愛さあり、シュールな笑いありの、混沌が繰り広げられます。
1. 混沌の同好会! 真の力関係は?
13人でホラー映画を観るニジガクメンバーたち。こういうシーンあるあるですが、怖がりだと思っていなかったキャラが大変怖がったり、弱そうなキャラが意外と強かったりすることで、通常の力関係がめちゃくちゃになってしまいます。
表現に興味津々のしずく、むしろ熱くなるせつ菜、冷静な歩夢。この3人はいたって予想通りです。そもそもA・ZU・NAが研究のためにホラー映画を観ようと言い出したのが、今回の発端です。
ミアが3年生だぞと威張って、一番怖がるという即落ち2コマも読めています。侑もどれだけ怖くても、歩夢の前では強がるキャラだと思います*1。面白いのは、むしろここからだと思います。
いつもみんなのお姉さんで、むしろ母性さえ溢れているエマが、全年齢対象のホラー映画を大層怖がっていたのです。最初はその様子に驚いてしまったのですが、むしろこれはおかしなことではないことに気づきました。エマは、暗闇と寒さと孤独におびえていたときにスクールアイドルに救われたのです。スクールアイドルへの情熱も、誰にでも優しい包容力も、その恐怖が根源にあります。それが呼び覚まされてしまったのです。普段幼子のような嵐珠がエマを抱きしめるのも素敵ですね。嵐珠は豪胆ですし、女の子がお母さんごっこを通して母性を養っていくのを想起させます。
怖がる栞子を撫でるのは愛でした。これは、対象が雷なら立場が逆転してしまうのですが……。「自分より怖がる人がいると安心できる」と、本質を突いたことを言う果林もまた、余裕そうに見えて姿勢や声が強張っているように感じました。この一瞬でそう思わせてしまう久保田未夢さんの演技力は流石だと思います。私自身はというと、高校生の頃に遠足で入ったお化け屋敷で、意図してか意図せずか、ギャーギャー騒いで恐怖をエンターテインメントに昇華してしまった同じ班の女子のことを思い出していました。
爆睡する彼方。実はこれには、『スクスタ』に全く同じシーンがあります。ホラー映画の最中に眠ってしまうことで、希との度胸対決を制するシーンです。眠る彼方や顔を隠す璃奈に突っ込みを入れるかすみが平気そうなのも面白いですね。ここで「可愛い」ぶっても見ている人がいません。かすみは素が出ると、逆にしぶとく強くなってしまうのです。
2. お 団 子 が 本 体
さて、皆様お待ちかねのホラーシーンです。
突如として誰もいない学園に取り残されたミア。同好会の仲間がどこにいるのかと探し回り、歩夢に出会います。しかし……。
詳しくは本編を観ていただきたいのですが、まさかの「お団子 (シニヨン) が本体」ネタを公式が回収してしまいました。その前のシーンでは大量の璃奈ちゃんボードが壁に現れ、目が動いている様子も見られます。怖いです。怖いですよね? 否、制作サイドのしたり顔が目に浮かんでしまいます。彼ら彼女らが本気で面白がって創ると、こうなってしまうのです。
暗い学園で、1期10話の校内合宿を思い出してしまった方もいるかもしれません。ミアが歩夢を目撃した場所は、ちょうど歩夢が侑とせつ菜の "逢瀬" (?) を目撃してしまった場所でした。あのお団子は、そのときの歩夢の生霊だとか、そうでないとか……。ちなみにその頃ミアはまだ留学してきていないので、そうだとすればとんだとばっちりです。
今回思わぬ形でホラーの主役となった歩夢のお団子ですが、開始数秒のシーンで歩夢のお団子がアップになる描写 (トップ画像) があります。こうして視聴者に印象付けることで、後々の伏線を張っているのです。
それにしても、目の前でショッキングな死に方をした仲間を揺さぶるミアはアメリカのホラーのワンシーンのようで、「アソボ……アソボ……」と不気味な声で囁く歩夢のお団子は、日本のホラーを象徴するようです。恥ずかしながら私はホラー映画を観ないのでこの分野には疎いのですが、ホラー風のジョークでありながらいろいろなモチーフを織り込んでいるなと感じました。
ちなみに、歩夢のシュールで、少しサイコホラー (?) かもしれない様々なシーンは、『にじよん』とは異なるちょぼらうにょぽみさん作の4コマ漫画でいろいろ読めます。ぜひこちらも合わせてお楽しみください。
*1:『スクスタ』の「あなた」は、もっと素直にリアクションすると思う