普門寺飛優のひゅーまにずむ

好きなものについて不定期に語ります。

No Music, No Life (切実) BanG Dream! 12th☆LIVE DAY2: MyGO!!!!! ちいさな一瞬 全曲感想

東京ガーデンシアターのモニターに映されたMyGO!!!!! の5人

 11月4日 (土) のBanG Dream! 12th☆LIVE DAY2: MyGO!!!!! ちいさな一瞬』に行ってきました。新バンドMyGO!!!!! による、今年7月 ~ 9月に放送されたアニメ『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』後初めてのライブでした。

 『BanG Dream!』(以下『バンドリ』) については、2019年の無印アニメ2期頃から存在を知り、1期も含めてアニメ*1は視聴を終えています。前々から気になってはいたのですが、今回初めてのライブ参戦となりました。9月に『ラブライブ! スーパースター!!』Liella! 4thライブで連番した友人が、『バンドリ』初期からのバンドリーマーだったことで、今回は誘っていただけることになりました。

 

 

1. MyGO!!!!! を聴く理由

 『バンドリ』の新プロジェクトとして2022年に始動し、2023年夏に『It's MyGO!!!!!』が放送されました。留学に失敗して帰国した千早愛音が、ノートに歌詞を書いていた高松燈と出会い、バンドを結成しようとしますが、燈は活動を始めたばかりで解散してしまったCRYCHICというバンドの元メンバーであり、同じ元メンバーである椎名立希と長崎そよ、そしてどこからともなく現れた “野良猫” 要楽奈も加わって活動を始めます。それぞれの背景を持ちながら一つの目標を目指す青春物語、と思いきや、人間の影の部分が容赦なく爆発する過激な展開がネット上で話題を搔っ攫い、これまで『バンドリ』を見ていなかった人たちも続々話題にし始めた、シリーズの中でも大成功作だったアニメです。

 私は元々『バンドリ』を見ていたのもありますが、立希役はラブライブ! シリーズでももうおなじみになった林鼓子さんです。あちらでは優木せつ菜という伝説のアイドルの役を見事に引き継ぎましたが、そんな知っている役者の違う顔を見てみたいというのが、今回友人の誘いに乗った最大の理由でした。演じている役柄のパーソナリティもほとんど正反対で、それも興味を誘ったのです。

 このライブ開催の3日前にMyGO!!!!! の1stアルバム『迷跡波』が発売されました。アニメ楽曲を中心にしたアルバムで、3日後にはライブをするという極めてタイトなスケジュールでした。私も予習に最適と思って前日夜に購入して聴きこみました。

 奇しくも、会場も虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会のライブで何度か足を運んだ「勝手知ったる」東京ガーデンシアターでした。『バンドリ』のライブでは座席に料金差があり、一般席を取ったので、私にとっては初めてバルコニーに入る機会になりました。

 これまで経験したことがないほど厳重な手荷物検査を通り抜け、4回バルコニーに入ると、その規模の割にステージは近くに見えました。向きはステージ正面にあたり、これならアリーナでなくとも見やすそうだと思い、事実その感触は当たっていました。

 入場から開演まで20分程度 (これでも、40分前には列に並んでいたのですが) あり、その間の客入れ中も客席からは時折歓声が上がりました。また、UOのような明るいライトを始まる前から早速使っている観客もいて、普段よく行くライブとは比べ物にならないほど “元気” な客層が見られました。連番の友人は少々うんざりしていたようですが、「出る杭が打たれにくい」バンドリーマーの風土、そしてまだMyGO!!!!! がデビューから日が浅くファン層が育ちきっていないということを考えると、元気なのも悪くないかなと思います。

 

2. 驚きのスタート

 メンバーたちの語りの後、力強いイントロが響き、ライブが無路矢のろしから始まります。

 何よりもこの曲のインパクトは、メインボーカルのはるか上で歌っている猫の鳴くような高い高いソプラノのサブボーカルです。歌っているのは楽奈です。音源ではなく、楽奈役の青木陽菜さんが、生で歌っていました。人間のどこからこんな声が出るのか、正直分かりません。もちろん、この高さの声を出せるソプラノ歌手はいると思います。しかし、声優がキャラクターとしてこの高さで歌っているというのはなおも驚くべきことだと思います。私もライブに臨むにあたって初めて聴いて好きになりましたが、今回アニメから入って初めてMyGO!!!!! のライブに来る人が多い中で、1曲目からハートを掴みにかかるアグレッシブなセトリです。

 今回のライブではステージと客席の間が薄い幕で隔てられ、この曲ではメインボーカルとサブボーカルの歌詞が、交錯するように投影されていました。2つの歌詞はほとんど共通していながら、少しずつ異なっているのも注目ポイントです。

 ところで、この曲のタイトルの「のろし」という読み。何をどうしたらそう読めるのか、タイトルを分解してみると、「路」と「矢」はまだ分かるとして、「無」は? 実は、英語の “No” です。このようにMyGO!!!!! の楽曲には、エキセントリックで極めて難読のタイトルが多数存在しています。

 次の曲は名無声なもなきですが、ここで異変に気づきます。最初だけだと思っていたステージ前の幕が上がらず、『名無声』の歌詞を映し出していたのです。もちろんこれはこういう演出なのですが、少々予想外でした。

 曲が明けてMCに入っても、幕はそのままでした。

 『バンドリ』のライブ本編では、MCもメンバーを演じたまま行われます。これはいつもそうだとのことです。愛音が「みんなANON TOKYO (劇中で没になった愛音考案のバンド名の案) だね!」と調子に乗った発言をし、立希がそれに「東京は愛音のものじゃないから」とクールに (?) ツッコむ、劇中にありそうな掛け合いがエチュード的に展開されました。観客も、「あまり愛音を甘やかさないでください」と、エチュードに巻き込まれます。

 このMCのあとは、『バンドリ』恒例のカバー曲が続きました。今回は、Orangestar (feat. IA) さんの『Henceforth』、一二三 (feat. 初音ミク) さんの『猛独が襲う』、そして1曲空けて04 Limited Sazabys『swim』が披露されました。『Henceforth』と『猛独が襲う』はシームレスにつなげて演奏されました。以前私も少しだけプレイしていた『バンドリ! ガールズバンドパーティー』(ガルパ) でも多数のカバー曲を遊ぶことができ、その中には知っているアニソンやVOCALOID楽曲も多くありました。ただ、あいにく今回のセトリには知っている曲がありませんでした。そのため、MyGO!!!!! の曲だと思い込んで聴くことになりました。所謂「バンドリの曲だ!」というものです。(笑) 実は連番の友人も『猛独が襲う』は知らず、同じことを言っていました。とはいえ、そのつもりで聴いてみると、喪失を心に抱いたまま進んでいく『Henceforth』、人間関係の壊れやすさに苦しむ『猛独が襲う』、そしてそんな過去に溺れながらも光を目指してもがく『swim』と、どれも、MyGO!!!!! らしい選曲ではあります。

 ここまで書いて思ったのですが、『swim』はどこかで聴いたことがある気がします。どこだったかは、覚えていませんが……。

 『猛独が襲う』と『swim』に挟まれたオリジナル曲が、影色舞シルエットダンスです。そよがベースソロを振られ、そこから演奏がスタートしました。実はこれが、私がMyGO!!!!! の中で『無路矢』と並んで特に好きな曲です。アニメからMyGO!!!!! を知ったので、こういう明るい曲もあるのかと驚いたものです。セットリストの中で、良いアクセントになっていると思います。苦しさの中で、音楽には楽しみがあることを感じられ、燈を救い出してくれた音楽を称えているかのようです。MyGO!!!!! の5人は踊るようにステップしながら演奏しており、その楽しさを表現していました。

 『swim』の後は一呼吸おいて、再びオリジナル曲に戻って音一会おといちえが披露されました。これは特に捻りなく「おといちえ」と読みます。この曲をはじめ、MyGO!!!!! 楽曲には「長台詞」を組み込んだ歌がいくつもあります。ここで、歌詞を映し出していた幕が燈のノートだったことが分かります。この曲も含め、はじめは、歌詞はノートを映し出すように下から上へ流れていました。それが、ラスサビでは奥から手前へ、客席の私たちへ流れてくるように変化していました。これは、独りだった燈の言葉が、音を通して誰かの心に届くようになったことを表現しているのだと思います。バンドをに迎え入れてくれた仲間に、そしてその歌を聴いてくれる観客に、宛てた言葉へと変化していったのです。

 文字通り、この「出会い」の歌を経て、幕間の後、観客席とステージを隔てる幕はついに開くことになります。

 なお、連番の友人は幕が開いた理由を「前半の楽曲はキャストが正体を明かす前の楽曲が多かったため、それを表現しているのではないか?」と考察していました。MyGO!!!!! は当初、キャストを公表しないままライブを行っていました (声で分かってしまった人もいるようですが……)。今年4月の4thライブでアニメの制作が発表されると同時にキャストも正体を現したのですが、それまでのようにキャストと観客の間が隔てられていたのではないかということです。

 

3. 平行線

 幕間に入ると、コツ、コツ、コツと足音が聞こえてきました。ステージの幕には、一本の線と足音の度に点滅する光が映っていました。一旦、足音に合わせて手拍子が起こりましたが、燈が語りを始めたのでその手拍子は止みました。

 この幕間の演出は、抽象的で芸術的なものでした。それは、CRYCHICの解散であったり、のちにMyGO!!!!! となる燈たちのバンドが一時瓦解したことであったりに対する燈の心情を、曲線と足音と台詞だけで表現したものでした。二度とCRYCHICのメンバーだった豊川祥子と若葉睦の2人とは同じ道を歩めなくても、音楽の世界に居続けたいということ、そしてすれ違ってしまったそよや居づらくなった愛音と気持ちは同じにならなくても、迷ってでも一緒に進むことを願い、誓うまで、切実な言葉で綴られていました。

 このことこそが、燈の主人公性を形作っているのです。『It's MyGO!!!!!』に登場する人物たちは、皆自分の気持ちにも他者の気持ちにも向き合うことに怯えている人ばかりです。だから、嘘をついて見栄を張ってみたり、他者に依存してみたり、自分の信念を貫こうとしても思い通りにいかなくてどうしようもなく塞ぎ込んでしまったり、そんなことばかりです。その中で、躓いても裏切られても、誰かを悪く言ったりすることなく、自分と向き合い、まっすぐな気持ちを表現し続けるから、燈は際立っていますし、そこに心を動かされた人が集まってくるのだと思います。アニメでは、MyGO!!!!! が完全に結成された後、そよから燈に対して「燈ちゃんの歌詞は嫌いだった」とかなりはっきりした言葉が告げられています。この「嫌い」は、それほどまでにそよの心を強く揺さぶったという意味に他なりません。

 

4. 掴み取った生き方

 ついに幕が上がり、燈役・羊宮妃那さん、青木さん、立希役・林鼓子さんの3人が姿を現しました。

 ライブは、燈の独白で再開しました。青木さんが『春日影はるひかげ』のイントロを弾きかけましたが、曲が始まることはありませんでした。『It's MyGO!!!!!』を、そしてMyGO!!!!! を一躍有名にした曲ですが、流石にここで披露されるということはありません。楽奈にとっては本当の意味で燈たちの仲間になれると思ってこの曲を弾いたのだと思いますが、そよにとってはCRYCHICへの裏切り行為そのものであり、新しいバンドは一時崩壊します。それを先程の幕間と合わせ、巧みに匂わせていました。ここから独白は、その後のアニメ本編の展開で実際に燈が行ったものです。アニメの再現であり、アニメの通りに楽奈のギター、立希のドラム、愛音のギター、そしてそよのベースと、一つ一つ音が還ってきます。そよ役の小日向美香さんが現れると、会場のボルテージはいよいよ高まりました。

 これが音楽かと言われると、確かに一旦は悩みます。歌詞に旋律もなく、正式な曲名もありません。しかし、そんなことがどうでもよいくらい、この瞬間この空間では燈が世界の中心にいました。居合わせた者すべてが、燈に注目していました。そして、燈の言葉が心に響いたメンバーが一つずつ音を加えていき、それぞれの必死の訴えが一つの形になるのを私たちは追体験しました。それは、決められた形に従ったのではない、自然発生的に生まれた音楽といえます。まさしく迷いに迷った結果にしか生まれないもので、言葉から生まれて、言葉だけではできない力で心に沁みるものです。

それが行き着いた先が詩超絆うたことばです。これも超難読ですが、漢字の意味も読みの意味も実感を持って理解できるタイトルだと思います。

アニメ屈指の名場面の再現による熱狂のままに、迷路日々メロディーが披露されました。またしても読み方が「迷って」います (日々 = daysのd-y、ですね)。これが、このライブのタイトル『ちいさな一瞬』の由来でもある、表題曲です。輝かしい未来も誇れる過去もなくても、ちいさな一瞬を生きていくという曲です。そして、MyGO!!!!! の言う「迷う」ということが、まさしく「生きる」ということなのだと感じました。人は常に前だけに進み続けられるようにはできていません。時には後ろへ進むことも同じところを回ってしまうようなことも当然で、それでも 止まらないこと、つまり “GO” こそが生きることです。

 デビュー曲の迷星叫まよいうた、そして碧天伴走へきてんばんそうを歌い、ライブの本編は幕を閉じました。『音一会』で見せた、「僕」の言葉が「君へ」の言葉へと変わったのが、『碧天伴走』では完全に「君」に寄り添い、応援する歌へと昇華され、前後編それぞれのトリを飾りました。

 

5. キャストとしての想い

 メンバーがステージから去った後、ほとんど即座にアンコールの呼び声が客席を埋め尽くしていきました。この辺りはどの界隈でも共通なのでしょうか。ところで、後方から「MyGO!!!!! コール」が一瞬聞こえかけたような気がします。おそらく、林さん目当てのラブライバーと兼任の方々でしょうか。まあ、私もそうなのですが……。結局これは定着せずに、すぐに消えてしまいました。「郷に入りては」ということはあります。

 アンコールが始まる前に、映像で情報公開が入りました。やはり目玉は、次回のライブ決定のお知らせでした。前日のPoppin’Partyのライブで、Poppin’PartyとMyGO!!!!! の対バンライブの開催は発表されていましたが、この日はそれに加え、その前のタイミングでMyGO!!!!! によるZeppツアーが開催されることが発表されました。その名も『彷徨する渇望』。「ツアー」と「迷うこと」を合わせたような表題で、MyGO!!!!! らしい日本語の使い方も印象的でした。開催都市は東京 (羽田)・福岡・大阪 (難波)・名古屋*2の4つで、モニター上ではMyGO!!!!! のSDキャラが日本地図上を飛行機や新幹線に乗って移動するアニメーションが流れていました。硬派なタイトルとはギャップのある可愛いムービーでした。「大阪」が発表された瞬間後方で勝鬨が上がりました。おそらく関西からの遠征客でしょう。私は後ろを振り向き、彼らを祝福しました。

 それが終わるといよいよアンコールですが、この時点で重要な楽曲を2曲も残していました。TVアニメの主題歌をまだ1つもやっていません。先に披露されたのはEDテーマのしおりでした。これは特に何のひねりもなく「しおり」です。この曲はアコースティックナンバーですが、明転したステージには皆の期待通りのアコースティックギターや椅子が用意されていました。林さん*3が座ったのは椅子ではなく、カホンという打楽器です。これに跨がって胴体を革手袋で叩くことで音を出します。横にはシンバルもあり、これも手で叩いてくぐもった音を鳴らしていました。

 アニメでは、毎度毎度衝撃展開の引きに使われていたので、燈たちはどうなってしまうのだろうと、気が気でない状態で聴いていたものです。落ち着いて聴くと素晴らしい曲ですね。

 『栞』のあとのMCは、ようやくキャストとしてのトークでした。ここまで徹底してメンバーを演じきっていたことに改めて驚いてしまいます。このMCでは、改めて発表情報をおさらいした上で、各キャストからの挨拶がありました。MyGO!!!!! ははじめ、『バンドリ』シリーズの中での位置づけが不明だったため、林さんは「MyGO!!!!! がバンドリファミリーに入れてよかった」と言っていました。確か「一瞬を重ねて一生になる」と言っていたのは小日向さんだったでしょうか。燈の「一生バンドやる」という言葉を一番真剣に考えているのはそよなので、小日向さんがこの言葉を大切にしてくれているのは良いなと思いました。青木さんが一言でファンを感動させた挨拶が、楽奈の祖母・都築詩船の名言を拾う「やりきった」でした。キャラを大切にすると同時にファンが一番喜ぶものを的確に発する声優としての力に脱帽します。愛音役の立石凛さんもMyGO!!!!! という存在の「迷う」ということを大切に感じており、「迷える」おかげで後ろも振り返るし、仲間のことも見ながら進めると言っていました。前だけを見なくても進んでよいというのは、確かに救いなのです。そして座長の羊宮さんからは、前回5thライブのタイミング (ちょうどアニメで燈たちのバンドが崩壊していた時だった) の話も絡めつつ、そんな状況でも支えてくれたファンへの感謝の意を述べていました。

 このMCに関しては、告知も含めて「長い」という声が退場する観客の中からは聞こえていました。長いMCには慣れている界隈の人間としてはむしろ短くまとまっていて良いと思ったくらいですが、これに関しては正解はないと思います。せっかくなのでファンもバンドと一緒に「迷う」ことができたならば、バンドの成長にも貢献できるのかなと感じます。

 ライブもいよいよ大詰めです。再び、キャストの5人がMyGO!!!!! メンバーに「変身」します。ここの切り替えがはっきりしているのは『バンドリ』の特徴でしょうか。

 ラスト2曲はOPテーマ壱雫空ひとしずくと、焚音打たねびでした。『栞』を含めて3曲とも、同じシングルに収録されています。ただし、アルバム『迷跡波』には『焚音打』の収録がなく、ここで初めて聴くことになったのですが、最後まで聴き入ってしまいました。燈という名前には「火」が含まれていて (「高松」も地名ですが、「松明」に語感が似ていて (?) 明るい響きです)、その火をテーマにした曲なのはわかりました。相変わらず曲名が難読ですが (び = beatの一部だそう)、その火を一生消さないように、これからも音は続いていくのです。

 

6. 迷い、挑戦し、生きる

 今回、初めて『バンドリ』というコンテンツのライブに参加して、しかし結局私が変わらないなと思ったのは、歌唱力に惹かれてしまうということでした。バンドのライブなので、特にボーカルがほぼ1人で歌うことが多く、羊宮さんの儚さと力強さを兼ね備えた不思議な歌声に魅了されてしまいました。もちろん青木さんの飛び道具的な歌唱にも脳天を衝かれる思いでした。

 MyGO!!!!! の楽曲には、命懸けの気迫を感じます。この子たちは音楽が無ければ死んでしまうのではないかと思うことさえあります。まさに文字通り ”No music, no life” ということです。燈をはじめMyGO!!!!! メンバーが抱えていたのは「周りの人間が『おそらく』そうしているように、『まっすぐ』生きられない」ということです。それが、「迷ってでも進み続ける」ことを約束することで「一生バンドをやる」という夢を持つことができたということを振り返ると、バンドの原動力になっているのは「生」への執念なのだと思います。それも、「ありのまま生きればいい」などというお題目でそれがひとえに達成されるものではなく、本当に迷って衝突してボロボロになりながら辿り着いた答えなので、それだけの気迫が生まれるのだと思います。アニメの描写でも、燈がおよそ歌手のそれとは思えない表情で歌っていた部分があったのが印象に残っています。

 『音一会』の歌詞カードには「僕はいきたい」という文言があり、幕に映し出された歌詞ではここに「僕は行きたい」という漢字が当てられていました。しかし、迷うことは生きることであり、私はここに「僕は生きたい」がかかっているという確信を得ました。

 ファンの側も、もう『バンドリ』の新しいチャレンジを受け入れる態勢が整っているように感じました。私から見る彼らは活発で、チャレンジ精神に溢れているように感じました。『It’s MyGO!!!!!』の最終話で電撃的結成を果たしたもう1つの新バンド・Ave Mujicaの活動もいよいよ本格化しますし、さらなる新プロジェクトとしてバーチャルバンド「夢限大みゅーたいぷ」の爆誕も予告されています。今後も大いに盛り上がりそうで要注目ですね。

 

セットリスト一覧

1. 無路矢のろし

2. 名無声なもなき

MC

3. Henceforth

4. 猛独が襲う

5. 影色舞シルエットダンス

6. swim

7. 音一会おといちえ

幕間および燈の独白

8. 詩超絆うたことば

9. 迷路日々メロディー

10. 迷星叫まよいうた

11. 碧天伴走へきてんばんそう

アンコール

12. しおり

13. 壱雫空ひとしずく

MC

14. 焚音打たねび

*1:1 ~ 3期、『Morfonication』、『ガルパ☆ピコ』1 ~ 3期

*2:岐阜に住んでいたこともある友人は「名古屋が飛ばされなかった」ことに驚いていたが、「日本の3大都市は東京・名古屋・小倉」みたいになっているラブライブ! シリーズのファンとしては特段驚くところではなかった

*3:1番にはカホンのパートはない