普門寺飛優のひゅーまにずむ

好きなものについて不定期に語ります。

ウィーン・マルガレーテ 楽都からきた一つ星 ~ラブライブ! スーパースター!! 第2期感想週報臨時増刊号~

2期の感想はこちらから。ウィーン・マルガレーテ初登場回から

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閉ざされた心は、かのんの内なる熱いものに融かされていった
(『ラブライブ! スーパースター!!』第2期第12話『私を叶える物語』より/©2022 プロジェクトラブライブ! スーパースター!!)

 

 『ラブライブ! スーパースター!!』第2期で、見る者を驚愕させ、また物議を醸しもしたオーストリアからの留学生、ウィーン・マルガレーテ。放送中は、「なぜ中3がスクールアイドルになっているのか?」などの疑問が生じ、またその (本筋ではない) 疑問点が曖昧なままにされて、それが本筋の理解を阻んだという意見も目にしました。実際、マルガレーテにとって母国の高校に入ることが夢だったということは、そこまで枝葉ではないような気がします。つまり、その具体的な事情を追究することは、マルガレーテに対する理解を少しでも深めることに繋がると思います。

 今回は、オーストリアの学校制度と、Liella! に関するある「噂」を軸に、マルガレーテの15歳までの歩みを描き出してみたいと思います。

 

1. Österreichisches Schulsystem

 この章ではオーストリアの学校制度について説明します。

 オーストリアの学校制度の基本は「1+4+4+4」です。幼稚園の最終年次から義務教育になり、小学校に4年間、大学に進学するコースの場合は中等学校に8年間通うのが一般的です。大学に進学しない場合、中学4年間を終えてから職業教育を受けることになります。いずれにしても、中学4年間までが義務教育です。オーストリアでは学校は9月始まりなので、中等学校に入るのは、10歳になった後の9月です。

 それを踏まえた上で、14歳の春に日本でスクールアイドルデビューをしていたマルガレーテを考えると、本国では中学4年生か高校1年生ということになります。

 

2. マルガレーテは4度落ちた?

 ウィーン国立音楽学 (以下、ウィーン校) も、上記のような8年制の中等学校だと推測されます。ただし、8年制の学校でも、学校によっては高校1年生から編入される可能性がないわけではないようです。

 これは、マルガレーテが何月生まれかにもよるのですが、その事実を踏まえると、もしかするとマルガレーテは入学を複数回拒まれているかもしれないということがわかります。なぜなら、本来なら音楽一家であるウィーン家は最も正規の方法、つまりマルガレーテが10歳の時にウィーン校を受験させるはずだからです。マルガレーテはここで一度、ウィーン校に入学することができなかったことは確かです。もしマルガレーテが9月までに15歳になっていたとすると、マルガレーテがYSIFに出場した4月の時点で本国では高校1年生だったことになります。つまり前年にウィーン校に挑んだときに、翌年のラブライブ! に優勝するというミッションを課されたということになります。一方で、9月時点で14歳のままなら、マルガレーテがラブライブ! 優勝のミッションを課されたのは10歳当時ということになります。マルガレーテが日本のインターナショナルスクールに入り、日本語を学んでいたとすれば、後者の方がしっくりくるような気がします。しかし、前者だった場合、10歳の時に不合格となり、14歳の再挑戦でも不合格し、そこでラブライブ! 優勝を課され、それも不達成に終わり、さらにかのんと一緒にウィーンに戻る予定も反故になったため、ウィーン校への入学に4回失敗していることになってしまいます。

 なぜ、このようなややこしいことになってしまうかというと、インターナショナルスクール自体には「高校1年生」という概念がないからです。例えば、実際に東京に住むオーストリア人生徒が通えるインターナショナルスクールは横浜にあります。劇中では都大会に出場しているので学校も都内にあるとは思いますが、そこのカリキュラムを見ると、小学校1年生をYear 1として、Year 12まで刻んでいます。また、一般的な高校のように授業に出て単位を取るだけでは卒業できず、アビトゥアという卒業資格を得て卒業することになっています。インターナショナルスクールが高校ではなく「各種学校」であるからです。

 こうなると、何年生からラブライブ! の出場資格を得られるのか、わからなくなってしまいます。オーストリア基準でYear 9を高校1年生としてしまうと、14歳で大会に出ても問題ないことになります (劇中では高校1年生になったということは描かれているが、何歳なのか明言されていない)。一方、日本基準だとYear 10が高校1年生ですが、これが前に述べた4回入学に失敗しているパターンです。先程の横浜のインターナショナルスクールの場合、Year 10を高校1年生に比定していますが、これはドイツの学制に準拠しているためです。

 アニメ本編が「インターナショナルスクールの高校1年生」という曖昧な概念を持ちだしたことで、混乱が生じています。

 

3. マルガレーテの誕生日は? ~12星座説をヒントに~

 別のアプローチを考えてみましょう。マルガレーテの誕生日がわかれば、どちらのパターンなのか一発でわかります。

 実は、『スーパースター!!』ファンの間でまことしやかに囁かれる噂があります。それは、Liella! メンバーが黄道12星座に一人ずつ当てはめられているというものです。2期生のプロフィールが発表されたとき、その誕生日がきれいにばらけていることが注目されたのです。

 今までのLiella! たち*1の誕生日をまとめてみます。

桜小路きな子: 4月10日 = おひつじ座♈︎

澁谷かのん: 5月1日 = おうし座♉︎

若菜四季: 6月17日 = ふたご座♊︎

唐可可: 7月17日 = かに座♋︎

鬼塚夏美: 8月7日 = しし座♌︎

おとめ座♍︎

平安名すみれ: 9月28日 = てんびん座♎︎

米女メイ: 10月29日 = さそり座♏︎

葉月恋: 11月24日 = いて座♐︎

☆やぎ座♑︎

みずがめ座♒︎

嵐千砂都: 2月25日 = うお座♓︎

 ☆マークの3つの星座が、今のLiella! にいない星座です。そして、これはほぼ確実だと思いますが、3期でマルガレーテがLiella! に加入する場合、この法則が正しければ、マルガレーテの誕生日もこの3つの星座のどれかに含まれているはずです。

 その期間は、

・8月23日~9月22日

・12月22日~2月18日

です。

 そしてこのうち、「マルガレーテが15歳になってYear 10になり、ラブライブ! の出場資格を得た」パターンは、なんと8月23日~9月1日までの10日間しかありません。こういうものは確率が低いから無いとは言い切れませんが、逆に言うとラブライブ! に出場したマルガレーテが日本の高校1年生相当だった場合誕生日はこの範囲内しかあり得ませんから、8月末に誕生日がある方は、マルガレーテと同じ誕生日である確率が非常に高くなります。ということであなたはハッピーです!*2

 茶番はさておき、マルガレーテのLiella! メンバーへの追加が決まると、この辺りの背景は少しヒントが増える可能性があります。となると、結局のところ3期に期待して待つのが、最も望ましいということになりますね。

*1:2期6話などの言い回しによれば、Liella! のメンバーのことを「Liella!」と呼ぶこともある

*2:ブーーッ