普門寺飛優のひゅーまにずむ

好きなものについて不定期に語ります。

友情は、爆発だ! 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 UNIT LIVE! ~R3BIRTH R3VOLUTION~ 全曲感想

東京ガーデンシアターに、MONSTER GIRLSがやってきた!

 べらぼうな連中が東京ガーデンシアターに帰ってきました。

 ニジガク初のユニットワンマンライブの第一公演は、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 UNIT LIVE! ~R3BIRTH R3VOLUTION~』でした。このDay2に現地参加してきました。

 元々R3BIRTHに対して抱いていたイメージは、個人のレベルが高い個性派集団というものでした。しかし、今回そのイメージが変わった、あるいは、そのイメージは失わないまま、新たなR3BIRTHのイメージが誕生しました。

 なお、本記事で「暴れた」と書いているのは、7割が比喩表現なのでそのつもりでご一読ください。

 

0. ライブの前に

 まずは前日、R3BIRTHファンに愛好されている飲料を仕入れました。『MONSTER GIRLS』にちなんで、Monster Energy*1です。通常のMonster Energyに加え、「ULTRA」「パイプラインパンチ」の3色を揃え、こんなことをしてみました。

MONSTER (ENERGY) GIRLS

 ローソンで3本を購入すると、ネックストラップがもらえました。現在、スノーボード平野歩夢選手を応援するキャンペーンが開催中のようです。

後に、ネックストラップはミア仕様になった

 歩夢といえば、ニジガクにも「歩夢」がいますね……?

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 この3本は、前日と当日に分けて飲みきりました。

 当日の昼は、イオン東雲店のフードコートにあるマクドナルドでビッグマックにしました。今まで5thライブやミアの誕生日にも様々なハンバーガーを食べていましたが、一番気軽に食べられるビッグマックをまだ食べていませんでした。奇しくも値上げ前日で、長蛇の列ができていました。

ミアの好物ハンバーガー。値上げ前日のビッグマック

 

1. 東京ガーデンシアター

 私にとって、初めての東京ガーデンシアターでした。私の席はアリーナ前方で、ステージから12列目というかなり近い位置でした。

 入場したとき、ちょうど5thライブメモリアルBDの告知映像が流れていました。メイキング映像と称し、練習や舞台裏の風景が映像化されていましたが、ニジガクキャストの背負っていた想いを想像し、涙が出そうになりました。無論、まだライブは始まっていません。製品版はもっと分量が多いし、これがいつでもいつまでも観られるという意味の宣伝なのでしょうが、無料でここまで見せて良いのか……というような映像でした。

5thライブの感想

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 場内の注意事項が流れた後、開演直前のBGMがかかりました。Off Vocalの『全速ドリーマー』でした。既にあの独特の振り付けを踊っている人も散見され、会場のボルテージはぐんぐん上がっていきました。

 

2. 開幕から燃やし尽くす!

 ファンミーティング (『R3BIRTH First Delight』。以下、単に「ファンミ」はこのことを指す)の時と同じく、R3BIRTHの3人が舞台裏から開幕の音頭を取りました。

 オープニング映像から、重低音が響き渡ります。東京ガーデンシアターは、特に音にこだわった会場と言われています。

 R3BIRTHの3人が、存在感を漲らせながらステージに現れました。1曲目は、『Vroom Vroom』です。激しく揺さぶるようなサウンドと、それでいて王道な歌詞が特徴的な、今回のテーマ曲です。比較的ステージを広く使っていた5th <Next TOKIMEKI> 公演に比べると、ステージは広いのに3人は密集してダンスを踊っていました。中には、絡み合うようなフォーメーションもありました。

 今回、新たなR3BIRTHの持ち味として認識したのが、そのことからもわかる「連帯感」です。R3BIRTHは、ニジガクの追加メンバー同士で後から結成されたユニットなのは周知の通りです。その担当キャストも、初期に決まってはいたようですが、活動開始が遅かった分、先輩よりも同期と仲良くしやすい、相談しやすいといった感覚があったのでしょうか。あるいは、キャストの3人が生年月日が1996年2月 - 8月に集中していて、ラブライブ! シリーズで最も年齢差の小さいユニットになっているということも関係するかもしれません。生まれ育った国や環境が違っても、同い年同士通じ合うものがあるのでしょうか。

 もうひとつ、気づいたことがあります。3人のダンス力、特に嵐珠役・元明菜さんの実力が以前に比べ、格段に向上していたのです。この成長幅には、お披露目から1~2年で大西亜玖璃さんや相良茉優さんが見せた成長を思い出します。それも、法元さんの場合ただうまくなっただけではなく、自分自身の強み、言い換えれば「適性」を最大限に生かしたパフォーマンスになっていたと思います。私が思う法元さんの適性とは、「パワー」です。腹の底から出て聴く人全てに突き刺さる声量、一撃一撃にインパクトのあるダンス、何をしてもスケールの大きい嵐珠を全身で体現したかのような気迫。今回はそれらに洗練されたパフォーマンス力が加わり、もはや無敵に見えました。

 サビではステージに炎が吹き上がりました。この近さだと、熱さをはっきりと感じられました。

 さて、R3BIRTHがライブを行うにあたって気になっていたのは、持ち歌の少なさです。ユニット曲はこれまでに特典曲を含めて4曲 (うち未披露の新曲が3曲)、ソロ曲も3人合わせて10曲しかありません。これをどのように構成するのかと思っていると、早速『Look at me now』がかかりました。わずか2曲目から特典曲のお出ましです。バックモニターはスマホの動画撮影画面に変わり、SNSを歌う3人のパフォーマンスを全世界に配信していました。R3BIRTHは、キャストも法元さんの『あきなさんち』をはじめとして、インターネットを駆使し、新しいファンダムを全世界で形成しているという印象もあります。

 畳みかけるように3曲目は『バブルオーバー!』でした。最初で新曲を使い切ってしまったのです。「出し惜しみしない」のは嵐珠個人の性格にも通ずるところがありますが、R3BIRTHらしさだと思います。

 この曲では、椅子を使ったパフォーマンスが行われました。椅子取りゲームのように周りを廻ったかと思えば、ミア (役の内田秀さん。以下同様) はそれを踏んだり飛び越えたり、嵐珠は重そうな椅子を奪い取って振り回したり、アクロバティックなダンスを繰り広げていました。栞子はといえば顎を乗せて恍惚の表情を浮かべていました。

 この曲は、ラブソングです。そもそもR3BIRTHがラブソングを歌うこと自体に意外性がありましたが、ラブライブ! シリーズのミニユニットが伝統的に歌ってきたものでもあります。ラブソングということは、椅子取りゲームのように1人の恋人の座を奪い合っていることは、想像できます。……と思っていたところ、その「相手」が「あなた」であることが、MCで明言されてしまいました。活動初期のメンバーほど、曲の解釈を直接的にMCで語りがちではりますが、このような爆弾発言が放り込まれるとは思わず、少し困惑しました。MCでは、3人の思う曲の魅力を、それぞれ色々話してくれました。

 

3. 虹を背負って

 曲を使い切ってしまい、ここからどう続くのかと思っていると、次に披露されたのは『Just Believe!!!』『TOKIMEKI Runners』の2曲でした。『Just Believe!!!』は、2ndライブ以降の栞子役・小泉萌香さんがいるライブでは必ず、そして『TOKIMEKI Runners』はナンバリングにとどまらず、様々なニジガクの場面で披露されてきた曲です。それを、ニジガクの一員として、今度は3人が背負いました。『虹ヶ咲』の物語において、今までの自分たちと異なるものを一員として受け入れることは、重要なテーマでした。そうして受け入れられた3人が、それに応えるパフォーマンスをしたのです。「好きなことが鍵だよね」という歌詞を歌ったのが嵐珠なのがエモかったです。好きになったことをやりたくて日本に来た嵐珠の影響を受けて、色々な人や嵐珠自身の心の扉が開いて、そうして生まれたのがR3BIRTHだからです。

 最初のパートが終わり、幕間アニメが始まりました。今回の設定は、R3BIRTHの3人がそれぞれ国を治める女王で、ニジガクの他3ユニットのメンバーたちはエルフでした。ファンミでは観客たちが「妖精さん」と呼ばれていたのを拾っています。3人の女王様も、ゴージャスな3人のイメージにぴったりですね。3つの国は、トキメキキャニオンのトキメキエネルギーの消耗 (って何……?) を受けて滅亡の危機に瀕していました。それを、R3BIRTHが「トキメキゴーレム」というロボットに乗ってなんとかする、という筋書きです。冗談だらけの設定ですが、ここでもR3BIRTHがニジガクを背負うという役回りが示されました。

 ラブライブ! シリーズアニメを制作しているサンライズは元々ロボットアニメをたくさん世に出していたので、ロボットが出てくるのも納得です。そういえば、シリーズ初のユニットライブだったGuilty Kissの1stライブでも、幕間が『ガンダム』などのネタでてんこ盛りでした……。

 

4. 「ソロのニジガク」面目躍如

 「ドキドキ、ドキドキ」という可愛らしい囁きとともに、ステージが明転しました。ステージ上には、法元さんただ1人。『夜明珠』です。

 私は、法元さんのセクシーさを見せつけるような『夜明珠』は大好きなのですが、それと同時にこのパフォーマンスがここで見られたことに感動していました。

 アニメ2期13話では、「ニジガクの1stライブ」と称して、12人が2曲目のソロを立て続けに披露します。そこで披露された3曲が、ソロパート前半の3曲です。私もやりたいことは形にしてしまおうと、劇中世界のファンになりきってエア感想を書きましたが、ついにこの光景を本当に見ることが叶いました。時々モニターの映像が、演者の後ろからのカメラアングルになると、アニメOPで歩夢を後ろから映したカットと同じ光景になりました。自分がそこにいられることに、改めて感激してしまいました。自分でも後ろを振り向いてみると、天井のすぐそばまで無数の光が煌めいていました。

 FIRST LIVE with You なりきり全曲感想

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 なお、5th <Colorful Dreams! Colorful Smiles!> 公演では、同様に2曲目のソロを披露しましたが、今回はその時とは違い、全曲Fullで披露されました。

 4thでも一度見ることが叶いましたが、東京ガーデンシアターにて生で見る『夜明珠』は、動きが洗練されたことで、妖艶さに拍車がかかり、もはや私に嵐珠と法元さんのことしか考えなくさせてくれました。

 次は栞子の『翠いカナリアです。小泉さんの伸びやかな表現力が、背景の空の清々しさと相まって、美しく映えていました。

 そしてR3BIRTHメンバーの中では一番好きなソロ曲、ミアの『Toy Doll』にバトンタッチしました。まるで声の出せない客席を挑発するかのような煽り方は相変わらずでした。歌唱力にさらに磨きがかかったパフォーマンスの天才こと内田さんに、会場は熱狂していました。

 それが終わると、今度は衣装を着替えた法元さんが再び現れました。ここからはアニメ挿入歌ソロに映ります。人気BGMの代わりに、法元さんが自分で「露一手给你们看看」と宣言し、『Eutopia』に入りました。嵐珠の精神面の成長を法元さんの実力の成長が象徴しているように見えました。

 栞子の『EMOTION』では、背景にアニメの映像は流れていましたが、アニメを見なくても小泉さんの表情や所作、声からすべてが表現されていました。表情だけでなく、動きの硬さも声色も、栞子の心が解けていくのに合わせて変化していくのがよくわかりました。アニメPVのない2番サビでは、背景か原作のステージに現れる固有演出と同じになり (確か他のメンバーもそうでした)、アニメのライブが再現されていました。

 洋楽アーティストのようなお洒落なアニメPVをもつミアの『stars we chase』では、カメラワークがアニメPVの再現に本気を出していました。観客は動けず、演者の位置によって向きが決まってしまいますが、歌を聴くのにベストな角度というものが、シーンごとにあるのかもしれません。

 それぞれのスクールアイドル、それぞれのキャストにしかない能力を生かして、三者三様にアニメを再現していました。

 

5. 全速で遊べ! なんでもありの全員パート

 さて、一旦暗転した後、再び会場に重低音が鳴り響きました。インストのパートで盛り上がるのはAqoursのユニットライブからの伝統ですが、R3BIRTHのライブではこれにダンスパフォーマンスが付きます。ファンミでも同様のパフォーマンスが見られました。東京ガーデンシアターの音響は凄まじく、このままやられると身体が爆発するのでは? と本能的に恐怖を感じるくらいです。それはつまり、そのスリルがそのまま興奮になるということです。

 キャストは小泉さん、法元さん、内田さんの順に登場しました。それぞれのダンス中、曲はメンバーに対応して、日本的、中国的、アメリカ的なサウンドに変化しました。それだけでなく、パフォーマーが交代するとき、2人がダンスバトルのように技を見せ合い、あるいはペアになってダンスをしていました。このときは、音楽も2つのモチーフが混ざり合っていました。小泉さんは優雅に、法元さんは力強く、内田さんはアクティブに踊りました。内田さんはステージ上でロンダートまで披露していました。ラブライブ! シリーズのステージでこの技を見せたのはAqours3rdライブの伊波杏樹さん*2以来、実に5年ぶりだと思います。

 3人が揃うと、曲も一層深みを増したサウンドになり、どこからともなく “特攻服”*3 と長い警棒のようなブレードが投入され……。

 待ってました。『繚乱!ビクトリーロード』です。

 12人曲ですが、3人でもキャストも観客も大暴れです。5thライブで初披露されたこの曲のことは、「12人揃わないと歌えない楽曲」だと思っていました。しかし、『ブシロード15周年ライブ』で小泉さんと、歩夢役・大西亜玖璃さん、しずく役・前田佳織里さんによって披露され、人数に合わせて自在に曲の長さを変えて歌える自由な曲であることが判明しました。今回は、「後半」*4からR3BIRTHの3人分がピックアップされています。5thでは下からスモークが噴射されていましたが、今回は3人が自ら噴射銃を手に持って展開していました。皆さんややトリガーハッピーにも見えましたね。スクールアイドルのライブとは思えない治安です (笑)。3人でもこれほどのインパクトを残すのか、と驚嘆していると、それにとどまらず、3人はなんと聴いたことのない歌詞を歌い出しました。今回のライブ用に、『繚乱』の作詞者チバニャンさんが書き下ろした歌詞です。

 こんなところで、R3BIRTHが始動の遅さにもかかわらずこれほど成長したことを実感するとは思いませんでした。R3BIRTHがニジガクに存在していてくれてよかったと思い、目に涙を滲ませながら、しかし心は暴れるのを止められませんでした。ライブ前の自分にこの曲で感動することを伝えても、信じてもらえなかったでしょう。

 次の『ミラクルSTAY TUNE!』では、モニターにスクスタMVが映し出されました。この映像は未実装で、このライブで初公開となりました。ステージにいる3人と映像の12人を見比べると、まるで「離れていても」ほかの9人が支えてくれているようでした。この曲の多くを占めるラップパートを3人で歌うのはハードなようですが、ファンミでも成功させていましたし、今回もさらにうまくこなしていました。間奏ではメンバーたちが「ラジオ」をやるコーナーがありますが、今回は有明ガーデンの様々なスポットを紹介し、よいプロモーションとなっていました。毎度毎度驚くのが、それがきっちり間奏の尺に収まり、「ミラクルSTAY TUNE!」の掛け声は原曲と完全に揃うところです。もちろん何度も練習してぴたりと合わせているはずですが、自然に会話しているように見えれば見えるほどすごいものです。

 次はアップテンポなナンバー、『Level Oops! Adventures』です。一旦捌けて再登場した3人に、私は、そして初見で会場にいた観客の多くもおそらくですが、目を疑いました。何やら変な乗り物に乗っていたのです。二度見すると、それは遊園地の空きスペースなどに置いてある、「コインを入れて」何分間か動く、動物の乗り物でした。もはや観客の理解を置き去りにするレベルです。後のMCによれば、嵐珠が乗ってきたパンダは嵐嵐、栞子の熊*5は盐盐、ミアのウサギは「おりぼよ」という名前だそうです。「おりぼよ」が何なのか、よく聞けばOlive Oilでした。確かに仮名にしたらそう聞こえるという納得よりも、ウサギの名前とは思えない単語が出てきたことへの困惑を隠せませんでした。とはいえ、ラブライブ! シリーズの動物の名前は、犬の「しいたけ」、猫の「はんぺん」、ヤギの「クロミツ」など、食べ物の名前が多いので、ウサギが「オリーブオイル」でもさほど変ではないかもしれませんが……。

パンダの乗り物 (イメージ)

 曲の最後の方でさらなる珍事が起こりました。ミアが (内田さんですが、あえてこう書きます) 歌うのを放棄し、おりぼよさえも放棄して、エアバイクに乗って暴走を始めるました。栞子は戸惑い、ミアを止めようと慌てふためきます。支離滅裂です。

 その乗り物を置いたまま、次のお待ちかねが始まりました。冒頭でも流れていた『全速ドリーマー』です。本来は、R3BIRTH参戦前のアニメEDテーマB面曲なのですが、ファンミでR3BIRTHがカバーした時に唐突に「筋トレ」を始め、話題をかっさらいました。4thにて本来のトロッコ曲として12人で披露したときも、一部のファンが筋トレをしていました。オリジナルメンバーが1人もいないにもかかわらず、R3BIRTHの印象が強くなってしまっているこの曲ですが、法元さんは『あきなさんち』で、まずは9人・12人の同曲を大切にしてほしいと語っていました。それはそうと、ライブでは全力・「全速」です。

 今回は、それに飽き足らず、さらに進化していました。モニターにカウンターが現れ、振り付けに合わせて画面にリズムアイコンが出現したのです。身体の屈伸に合わせた上下と動きを表す数種類の図形で構成された譜面を見れば、振りを覚えていない人もだいたい一緒に身体を動かすことができました。前の曲から「ゲーム」のモチーフを持ち込んでしまったのでしょうか。客席の人々も、ほぼ全員筋トレをしていました。客席は狭いので周囲に最低限気は遣いますが、多少ぶつかってもお互いがお互いをある程度許しており、無礼講状態になっていました。今はR3BIRTHと一緒に筋トレをすることが大事だからです。

 全員汗をかいて、最後まで踊りきったところ、モニターのスコアは1,983コンボ*6を表示していました。ところが、最後の「全速ドリーマー!」のコールで大量に加点され、いきなり「10000」になってしまいました。終わりよければすべてよし、なのでしょうか。

 3人は、乗り物に乗って退場しようとしたのですが、またしても事件 (笑) が起きました。嵐珠 (法元さんですが、あえて) が栞子の盐盐を乗っ取ってしまったのです。栞子は困惑しながらも嵐嵐に乗って退場します。嵐珠が中国語で掛け声をかけて、2人が合いの手を入れながら退場していましたが、いつの間にか中国語でもなんでもなく、「お肉! 焼く!」などになってしまっていました。

 幕間アニメの続きです。トキメキエネルギーの枯渇は、R3BIRTHのライブによって解決しましたが、そこに隕石が降ってくるという超展開となりました。最後にはトキメキゴーレムが自らを犠牲にして隕石を止め、トキメキエネルギーが二度と涸れることはなくなるという奇跡も起こしました。何が何だかわかりませんが、トキメキの力で世界のルールを変えた、という話になります。これが本当の「R3VOLUTION」、ということですね……。

 

6. R3BIRTHシャッフルフェスティバル

 どこかで聞き覚えのあるジングルから次のパートが始まりました。モニターには、『R3BIRTHシャッフルフェスティバル』と表示されていました。

 『校内シャッフルフェスティバル』(以下、「シャッフルF」) は2021年3月に開催されたライブで、ニジガクの有観客復活第一号でもありました。各メンバーの1曲目のソロを、全員別の人が歌うというライブでしたが、このときのニジガクは過渡期の10人体制で、ミアと嵐珠がまだいませんでした。そこで、この2人を含めたR3BIRTHで「やりたいことはやってしまうんだ」とばかりにこの企画が生まれたようです。

 どの曲を誰がどんな順番で歌うか、曲が始まるまでわからないのがこのイベントの見どころです。1番目にステージに立ったのは小泉さんでした。歌うのは嵐珠の『Queendom』。MCによれば、中国語の歌詞には大いに苦戦したそうです。ただでさえ難しい嵐珠の中国語のさらに難しいところは、実際には日本語と中国語の「クレオール語を喋っているというところです。嵐珠は日本生まれ*7香港育ちで、日本人と中国人のハーフなので、家庭で2つの言語が話されています。すると、子どもは言語が混じった状態で学習してしまう、というものです。歌詞もそれを反映してか、思わぬところで日本語と中国語が切り替わるので、なおのこと難しいのです。

 小泉さん特有の事情として、モデル並みの手足の長さがあります。自分用に作られたわけではない振り付けでは、手足を回すタイミングも調整しないと合わなかったのではないでしょうか? 3人で唯一本家『シャッフルF』に出演している小泉さんは、前回は果林の『Starlight』を歌いました。キレとスタイルの良さが要求され、比較的適性に合っていた『Starlight』に比べると、ゆっくりめで力強いこの曲は振り付けも難易度が高かったかもしれません。

 次はステージ下段に法元さんが登場しました。ミアの『I'm still… 』が流れ出します。劇中では、ミア自身の想いとして嵐珠にぶつけられた曲です。ミアを理解しようとして、噛みしめるように歌っているように見えました。法元さんの力強い声量でこれを歌うと、本当に空へ突き抜けるようです。先程の小泉さん同様、法元さんも英語の歌詞に苦戦したそうです。

 ここまでは、『MONSTER GIRLS』に収録のソロ曲ですが、栞子のソロとなると、『翠いカナリア』はもう本人が歌ってしまいました。一方、『決意の光』は本家『シャッフルF』で楠木ともりさんがカバーしています。つまり、内田さんが歌うのは残る『コンセントレイト!』です。

 2人の持ち味で曲を表現し直すことになった先2曲と比べても、弾けるような曲調はミアにとって適性ドンピシャでした。しかしその半面、表面的に見れば、歌詞が合っていません。ミアはおそらく、昼休みに付け焼き刃で練習することなく、難なくショパンが弾けると思われます (ミアもAB型なので、そこは合っている)。とはいえ、裏を返せば、ミアがR3BIRTHを通して大切な「宝物」を手にするまでには、そういうちぐはぐなやりとりが繰り返されたことが想像されます。それは、R3BIRTHを通して生まれ変わった栞子や嵐珠にとっても同じことでした。ラスサビでは、その「友達」もステージに登場して、皆で歌っていました。

 3人がそれぞれ勇気を出して、宝物を手に入れたときに誕生した曲が、『MONSTER GIRLS』です。満を持してのデビューシングル披露となりました。今回、R3BIRTHの新たな一面をたくさん見てきましたが、この曲を聴いて、その基本的な部分はぶれていないことに改めて気づきました。なお、今回はここまで『MONSTER GIRLS』の衣装を着ていたため、衣装シャッフルは実現しませんでした。

 冒頭以来のMCが入りました。先程の「おりぼよ」の話が出たのはここです。ところで、有明ガーデンにはイオンがあるので、この建物から出ずに「おりぼよ」を買うことが可能です。他にも様々なお店が施設内にあるので、今後のユニットライブでも、MCで言及されたものをすぐに買う、という楽しみ方ができます。

 情報発表もありました。特大新情報はありませんでしたが、現在放送中の『にじよん あにめーしょん』の宣伝が行われました。前々日に放送された第2話『ランジュと愛と可愛い』の、嵐珠の可愛いポーズを法元さんが生で再現したのが、一番の見どころでした。そもそも、アニメの放送中にワンマンライブが行われるのは、前代未聞のことです。

にじよん あにめーしょん2話

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 終盤MCといえば感想戦です。通常のニジガクのライブは人数が多く、なかなか時間が取れません。しかし、今回は3人なので、1人の持ち時間がゆったり取れます。それでも、法元さんは時間が押すほど喋っていました。感情がとめどなく溢れ出してくるのは私たちファンでさえそうなので、ステージに立っている人なら猶更のはずです。その溢れ出す感情を全部言葉にしてくれたことに感謝したいと思います。また、喋るのが得意なのも法元さんの個性だと思います。

 ここでも、3人とも想いはだいたい同じだったというのが、R3BIRTHの連帯感の強さを改めて意識させました。3人の感想で共通していたのは、仲間の存在、メンバーの存在、ファンの存在の大きさについてでした。法元さんは特に印象的なことをたくさん言っていました。最初は他のメンバーの背中を追いかけていたのが、いつしか「昨日の自分に勝ちたい」という感情のほうが強くなっていた、というのが一つです。こうして日々更新していくこと、つまり自分自身に毎日革命 = R3VOLUTIONを起こしてきた日々の成果が、今日のライブだったというのです。また、ダンスに関しては、「1人でスクールに通ってもここまで成長できなかった」とも言っています。これは、もしかするとスクールアイドルの本質なのではないでしょうか。劇中の彼女たちの本分は学業ではありますが、皆スクールアイドル活動に励むことで、仲間と励まし合い、競い合い、笑い合い、泣き合うことで、それ以上に自らの糧になるものを得ています。声優業としてとはいえ、スクールアイドルのキャストがそれを追体験できているとしたら、幸せなことだと思います。

 

注意

 この章に関連して、言っておきたいことがあります。私の右隣で暴れていた、ニジガクが大好きな見知らぬあなたに対してです。『MONSTER GIRLS』で盛り上がりながら、Monster Energyの缶を開けて飲んでいたので、私はぶつかってこぼさないように縮こまっていました。本来ならば、R3BIRTHのライブは『繚乱! ビクトリーロード』で頭を振ったり、『全速ドリーマー』で体操したり、ある程度無礼講で楽しみたいものです。それと同時に、隣の人にもある程度遠慮なく楽しんでもらいたいと、私なら思います。そんなことを言って、左隣の人は暴れないでほしいと、体操すらも本当は気に入らないと思っているかもしれません。どこまで暴れていいか心配になったときは、公式の注意書きが役に立つと思います。暴れながら水分補給するのは常識的ではないと思いますが、一応レギュレーション上は蓋付きタイプの「魔剤」なら問題なさそうです。

 

7. 再び虹が咲く場所

 MCの内容から綺麗に繋がって、かけがえのない仲間への感謝の気持ちを込めて歌われたのが、『Love U my friends』です。今までのライブでは、本編ラストに来がちな曲です。しかし、今回はさらに『トワイライト』『Hurray Hurray』が続きました。

 いずれも5thライブで披露された曲ですが、私はこの流れを聴いていて、実際にアニメ2期のことを思い出していました。『Love U my friends』は10話の挿入歌ですし、あとの2曲もアニメには出てきませんが、内容が重なるところがあります。青春の中でかけがえのない今を大切にし、未来を約束する11話が『トワイライト』*8、いつか離れてしまうかもしれない友を応援する12話が『Hurray Hurray』という具合です。青春の一瞬の価値は誰にとっても等しく無限ですが、R3BIRTHは2期にしか登場していないので、より大切に感じているのかもしれません。

 大切に感じているのは、東京ガーデンシアターという場所のこともだと思います。『トワイライト』の「はじまりのこの場所でまた」という歌詞が心に沁みます。前に聴いた武蔵野の森総合スポーツプラザも「はじまりの場所」でしたが、R3BIRTHにとってはこちらのことだったのです。

 『Hurray Hurray』では、久々に「銀テープ」が発射されました。シリーズでも私が最後に見たのはGuilty Kissの1stライブでした。最後に手に入れたのは、もう4年半前になるAqours 4thライブでした*9。落ちたテープを掴みに走るのも、ライブに集中できなくなってしまいそうですが、今回は、遠くまで飛んだテープがなんと2つ隣の席まで届きました。それを掴んだ人の嬉しそうな顔を今も忘れられません。

 光の煌めきと熱気の中で、本編は幕を閉じました。

 

8. 再び燃やす!

 ニジガクのアンコールタイムは、通常Liella! と比べると比較的長めです。しかし、今回はいつもよりは短めだったと思います。時間内にたくさん詰め込みたいということでしょう。

 拍手をしていると、3人は、突如出現しました。音楽と演出が始まるのとキャストが出てくるのが完全に同時で、心の準備が全くできないまま、ステージに炎が上がり、再び『Vroom Vroom』が始まりました。1曲目の時に比べると既に「出来上がって」いたので、曲に乗るのも早く、サビではずっとヘドバンしていました。1曲目の時は客席からでも熱かった炎が、今度はあまり熱くありませんでした。身体が熱くなっていたからでしょうか。

 アンコールに応え、短いMCが挟まりましたが、言いたいことはもう本編のほうで言い尽くしていたようです。ついに最後の曲がやってきました。『Future Parade』です (Day1では『夢が僕らの太陽さ』)。私の心に浮かび上がったのは、5thライブ <Next TOKIMEKI> Day2のダブルアンコールです。13人が揃った最初のステージ、そして現行メンバー全員が揃った唯一の公演のグランドフィナーレを思い出し、目頭が熱くなりました。

 

9. 次のトキメキへ渡す光のバトン

 R3BIRTHは退場しましたが、舞台袖から謎のお兄さんが登場しました。否、謎も何も、規制退場の案内をしてくれるスタッフなのですが、それがなんと幕間の設定を拾いつつ、規制退場を守らなかった人が死んだことになっていたり、トキメキゴーレムがまた修理中だったりと、最後まで面白トークで観客のハートを掴んでいました。結果的に、スムーズに規制退場が誘導されたのですが、このテーマパーク仕立ては、もしかしたら次回のA・ZU・NAへの布石だったのでしょうか?

 ユニットライブはA・ZU・NA、DiverDiva、QU4RTZと続きます。ニジガクの展開は、現在放送中の『にじよん あにめーしょん』が終われば、全国ファンミーティングツアー、そしてOVAの上映と、まだまだ止まりません。その中で、私はR3BIRTHの新展開が気になります。それは、アニメでのR3BIRTHの活躍です。2期12話で、嵐珠が栞子とミアに、一緒にパフォーマンスがしたいと声をかけ、13話の『翠いカナリア』でコンビパフォーマンスを披露したところで、本編が終わってしまっています。この先、R3BIRTHとして新曲を披露することがあるのでしょうか? もしあるとしたら、また誰も追いつけないくらいパワフルな姿を見せてほしいものです。

 

セットリスト一覧

1. Vroom Vroom

2. Look at me now

3. バブルオーバー!

MC

4. Just Believe!!!

5. TOKIMEKI Runners

幕間アニメ

6. 夜明珠

7. 翠いカナリア

8. Toy Doll

9. Eutopia

10. EMOTION

11. stars we chase

12. 繚乱!ビクトリーロード

13. ミラクルSTAY TUNE!

14. Level Oops! Adventures

15. 全速ドリーマー

幕間アニメ

16. Queendom (栞子)

17. I'm still… (嵐珠)

18. コンセントレイト! (ミア→R3BIRTH)

19. MONSTER GIRLS

MC

20. Love U my friends

21. トワイライト

22. Hurray Hurray

アンコール

23. Vroom Vroom

MC

24. Future Parade

終演後に食べたステーキ

*1:元明菜さんの好物でもある

*2:『MIRACLE WAVE』。伊波さんはさらに続けてバック転を披露

*3:例によって公式では「学ラン」と呼称。しかし、どう見ても……

*4:このようなショートバージョンで「前半」の歌詞が使われたケースは未だない

*5:Day1とDay2で違う熊に乗り変わっているとのこと

*6:由来は不明。「1983年」は、ラブライブ! メインキャスト最年長の南條愛乃さんが生まれる前年ではあるが、おそらく関係ないと思われる

*7:小学生の頃まで日本にいた。生まれについては要出典

*8:5thでは『永遠の一瞬』だがやりたいことは近い。本編でアレンジが流れた『未来ハーモニー』でも同じことができると思われる

*9:Liella! 3rdライブでは全員に配布されている